【第14話:くやしい】〜お父さんうつ日記〜

2017.04.15公開 2018.08.20更新

リビングの壁に、父の飲む薬を貼る作業を始めて以来、父は順調に薬を飲み続けていました。

 

私はその状況を嬉しく思っていたのですが、ある夜、母とプチ衝突がありました。

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プチ衝突があった時、母と私は二人でリビングにいました。確か、母はお風呂上がりで、自分の足揉みをしていました。

 

私は壁に貼った薬が毎日減っていっている様子を見て、母に「お父さんちゃんと薬飲んでるね」と言いました。

 

「そうだね。よかったね。」という言葉が返ってくるかと思ったら、反対にとても冷たい返しだったので、とても驚きました。

 

「私、薬飲まなくていいって言っちゃったわよ。どうせ飲んだって変わらないんだから。」と。

 

この時、私が心底ガッカリしたのは言うまでもありません。

 

「せっかく薬を飲むようになったのに、なんでそんなこと言うんだろう?」

「飲まない時も怒ってたのに、何が気に入らないんだろう?」

「また飲まなくなっちゃったらどうするんだろう?」

「治ってほしくないのかな?」

 

と、一気にたくさんの疑問が湧きました。

 

父のために頑張ろうとしていた私の気持ちが、母の心無い言葉によって、一気に崩されてしまったような思いがしました。

 

この時の母の気持ちは、全く理解ができませんでした。

 

今になっても、別に分かるようにはなってないですが、何となく想像はできるようになった気がします。

 

母も母で、父の服薬状況について心配していなかった訳ではないし、父に対して、全く働きかけをしていなかった訳でもありません。

 

そんな中、「休職延長の手続きの期限が近づいてきたから」という理由で、ちょろちょろっとクリニックに行き、その流れで服薬もするようになっている、という状況は、母にとっては面白くなくて当然かなと思います。

 

母の中では、

 

「それくらいでクリニック行けるなら、最初から自分で行ってよ!」

「私の心配は何だったの!」

 

と、行き場のない苛立ちが生まれていたのかなと今は想像できます。

 

まぁどんなに想像をめぐらせても、本当のところはどうなのかっていうのは分からないんですけどね。

 

そういえば、患者家族のメンバー同士って、うつ病を患った本人についてどう思っているか」ということについてお互い話し合ったりするんでしょうか?

 

私たちは、していなかった(できなかった?)けれど、本当はそういう機会を設けた方が、お互いのためにもよかったんでしょうね。

 

【第15話:どうなることやら】を読む

 

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【執筆】

シブ子

 

 

 

 

 

 

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  • 本記事は2017年4月15日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。