【第15話:どうなることやら】〜お父さんうつ日記〜

2017.04.19公開 2018.08.20更新

実は私が父とクリニックに行った日、処方された薬がそれまでのと少し変わっていたのでした。

 

 

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薬が変わったからって、すぐに何かが変わる訳もないと思っていたのですが、意外とそんなこともありませんでした。

 

最初に驚いたのは、父が料理を作ったこと。

 

野菜炒め一品のみではありましたが、うつ病の再発以後、父が用意する食事は、毎日コンビニ弁当やスーパーで買ったお惣菜だったので、それだけで十分大きな変化のように思えました。

 

私が嬉しく感じたのは、話しているときに父と目が合うようになったことでした。

 

それまでは、いつも下を向いていて、ほとんど目が合わなかったので、この時、久しぶりに父と「会話ができている」という実感を得ました。

 

そして、話の途中で、父が少し見せた笑顔に、私の心はたいそう癒されたのでした。

 

「あぁ、このままよくなってくれたらいいなぁ」と、そう思いました。

 

「この先に回復の未来があるかも」と思わせてくれるような瞬間って、患者家族をとても元気づけてくれると思います。

 

そういう瞬間がなかったら、ダメとかではないと思いますが、私はこの時、そういう瞬間と出会えてとてもよかったなと感じます。

 

この出来事の後、父のことを知人に打ち明けた時、その知人から聞いた話なんですが、服用する薬によって、周囲が気づくくらいに、本人の気分や様子が変化するというのは結構「あるある」なんですね。

 

どういう理由で、主治医が処方薬を変えたのかは、私もよく分からなかったんですが、「これだ」という薬に出会うまでの道のりってとても長いんですね。

 

父はこの後も、何度か処方薬が変わりましたが、確かに良くも悪くも確かに変化はありました。

 

父の容態が悪化した時は、家族も大変だったけれど、本当に辛いのは本人だったんだろうなぁ。

 

 

【第16話を読む】

 

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【執筆】

シブ子

 

 

 

 

 

 

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  • 本記事は2017年4月19日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。