【SPARXってどう?】日本語版開発者・ユーザー・医師の声をご紹介!

皆さん、SPARX(スパークス)というゲームを知っていますか?

 

SPARXはロールプレイングゲームを通じて、楽しくうつ病の治療法やリラックス方法を学んでもらうことを目指すスマホアプリのゲームです。

 

「スマホアプリのゲームで、そんなことができるの?」と思われる方もいるかもしれません。

 

そこで今回、SPARXの日本語版開発者の清水あやこさん、Remeユーザーの女子大生、医師の鈴木裕介さんのお三方に、SPARXについて語っていただきました。

 

>>SPARXのサイトはこちら

 

 

【Part1】開発者の声

株式会社HIKARI Lab 清水あやこさん(SPARX日本語版開発者)

 

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SPARXってどんなゲームなんですか?

SPARXはもともとニュージーランドの国家プロジェクトの1つとして、オークランド大学の医療チームが作ったロールプレイングゲームです。

 

ゲームでは、バランスの崩れた世界に自分のアバターが入っていき、その世界を救っていくプロセスを通じて、認知行動療法の他にコミュニケーション方法やリラクゼーション方法などを学んでいくものになっています。

 

認知行動療法系のスマホアプリだと、日記や自分の記録をつけるものが多くありますが、SPARXの場合、ゲームですのでエンターテイメント性が高く、楽しんで行えることが特徴です。

 

また、SPARXはユネスコNetexploから「国際デジタルアワード」を受賞したり、世界100以上の国・地域のメディアやデジタルコンテンツから選ばれる、国連後援の「ザ・ワールドサミットアワード」も受賞しています。

 

もちろん、SPARXだけで認知行動療法を全部行うというわけではないので、カウンセリングの代替になるものではありません。

 

あくまでも、通常のカウンセリングなどの補足として、自分自身を見直す際に使ってもらえればと思っています。

 

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SPARXさんのユーザーってどんな人ですか?

メインユーザーは30〜40代の男性になっています。必ずしも、ゲームが好きな方だけではないことも特徴です。

 

うつの方の数は、統計上男性より女性のほうが多いのですが、自殺者数を見ると男性が女性の約2倍なんですよね。

 

ということは、うつを誰にも打ち明けずに、自分の命を絶っている方が非常に多いとも考えられます。

 

SPARXは、そういった「誰にも話すきっかけを持てない人たち」にも活用してもらえているのかなと思ってます。

 

 

SPARXの特徴を3つ挙げるとすると?

「簡単、楽しさ、専門性」だと思っています。

 

スマホアプリなので、いつでも手軽にできますし、ロールプレイングゲームとしてのストーリー性もあるので、単純に自分の記録をつけるよりは、楽しく自分を客観視できるようなものになっています。

 

また、医療チームが作ったゲームですので、専門的な情報もしっかりと説明されていて、ゲームを楽しみながら、自然と考え方のコツやリラクゼーションの方法が記憶の中に残るのも特徴です。

 

 

SPARXはどれくらいの頻度でやるものですか?

SPARXは毎日続けるというものではなく、週1回15分〜30分程度で大丈夫です。

 

週1回SPARXを続けるコツとしては、SPARXをプレイする時間を「この曜日のこの時間」と最初に決めていただくのが良いかなと思います。

 

もし、SPARXを朝行う場合、その日一日を前向きに捉えるきっかけになりますし、夜の場合だと自分の一日をねぎらうきっかけにもなりますので、本当に好きなタイミングでSPARXを使っていただければと思います。

 

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SPARXを効果的にやるコツって?

SPARXで学んだことを実生活でやってみることでしょうか。

 

実生活でやってみる内容も、ちょっと悩んだ時に深呼吸してみたり、客観的になってみるといった手軽に一人でも始められることからで大丈夫です。

 

ゲームの中だけで終わらせるのではなく、実生活で試していくことでの「気付き」を体感していただくのが一番良いかなと思っていますね。

 

 

SPARX…おいくらでしょうか?

今は2000円で販売してます。アプリが無料の時代ですので、2000円って高いと思われる方も多いと思います。

 

ただ、本で認知行動療法を勉強することに比べれば、楽しく気軽に取り組めますし、「いきなりカウンセリングを受けるのはちょっと…」という方にもお試し感覚で使っていただけるのかなと思っています。

 

 

SPARX使ってみたいかもという人へ

SPARXがすごく良いなって思うのは、やはりゲームなので始めやすいですし、楽しみながら気分を良くする方法などを学べる点です。

 

正直、全然予期していなかったところなのですが、キャラクターが持つ力も結構重要なんだなと、ユーザーさんからの声を通して実感しています。

 

例えば、見ず知らずのカウンセラーに「辛いことがあっても希望を持とうね」とかって急に言われても、「んー」となって、「そんな簡単に希望を持てません」ってなってしまう方も多いと思うんです。

 

それが、ゲームというファンタジーの世界で、小鳥とかに「希望を持ちましょう」って言われると、意外とすっと受け止められるもので、「確かに、希望持てるかもしれない」と前向きに考えられるきっかけも増えるのではと感じています。

 

ですので、まずはSPARXを通じて、「心理ケアってそんなに怖いものじゃないんだ」ということを実感していただいて、より専門的なケアに繋がっていただけたらと思っています。

 

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【Part2】ユーザーの声

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20代女性、ゲーム経験は皆無

メンタルヘルスの向上に役立つと噂のゲームアプリ、ちょっと試してみました。

 

初めに少し自己紹介をさせてください。私は20代前半の女性で、普段は学生をしています。

 

自分の性格で困っていることは、「腹を立てやすいこと」と、「一度、マイナス思考のスイッチが入ると、なかなかそこから抜け出せないこと」です。

 

私自身、今までのゲーム経験はほぼ皆無です。

 

SPARXを試す中で、怒りの感情やマイナス思考モードの時を上手くコントロールできるスキルを知れたらいいなと思って始めました。

 

 

ゲームの流れ

SPARXには7つのステージがあり、各過程で「不安」や「怒り」など、それぞれのステージのテーマに対処するためのスキルを学びます。

 

1ステージは主に3部構成でできていて、物語の初めにガイドの女性からその日学ぶことや、冒険に役立つヒントを教えてもらいます。

 

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そして、実際に冒険に出てミッションを遂行し、最後にまた、ガイドからその日の冒険のフェードバックや、スキルの解説をしてもらって終わりです。

 

私はこの2週間程度でステージ4まで進みました。

 

 

負の思考ループを自分で止められるように!

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進めていく過程は少々難ありでしたが、結果として、私は頭の中で自動的にグルグル回っては増幅してしまう負の思考ループを自分の力で止められるようになりました!

 

SPARXは、ゲームの登場人物との会話の中で、登場人物たちに導かれるように物語が進んでいきます。

 

この会話の内容こそが、スキルの実行であり、会話を追う中で、感情のコントロールの仕方や、気持ちの落ち着け方などを学んでいきます。

 

 

2つの「難あり」

先ほど「少々難あり」と書きましたが、これについて先に2つほど理由を説明したいと思います。

 

一つは、1ステージ終えるのに大体30分ほど掛かってしまったこと。

 

意味をよく解釈しようとすると、なおさら時間が掛かります。なので、私の場合は「隙間時間にサクッと」試してみることができず、時間を見つけるのに少し苦労しました。

 

もう一つは、ゲーム酔いすることでした。

 

私がやったことのあるゲームと言えば「ポケ○ン」くらいしかなく、3D風のゲームは初めてだったので、SPARXでは視覚的に酔ってしまいました。

 

目が回ったままゲームを続けるのは少し辛くて、そもそもゲームに気が向かない時期もありました。

 

 

「役に立った!」と感じた点

ただ、いったんゲームを始めてしまえば、終わる頃にはちゃんと得るものがあったと感じました。

 

中でも、私が特に「役に立った!」と感じるのは、怒りのコントロールについてのステージでした。

 

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というのも、私は実生活で「腹が立つ」という経験をすることが多いからです。

 

今まではその度にモヤモヤを抱え、時には身震いしたり、時には泣いたりしていました。

 

怒りを覚えたときにどうやって対処していいか分からなかったし、そもそも対処しようのあるものだとも思っていませんでした。

 

だから、SPARXでこういうテーマが出てきたのを見たときに、

 

「怒りへの対処ってできるんだ」と、目から鱗が落ちたのは言うまでもありません。

 

 

実生活で活用しているスキル

私が実生活で活用するようになったスキルは、嫌な考えを「止める」方法として紹介されていた、「数字を逆から数える」というものです。

 

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イライラして仕方なくなった時、嫌な考えが止まらなくなった時、今は身震いしたり、泣いたりせず、負の感情が頭を占領し切る前に、落ち着けることができるようになりました。

 

 

SPARXから学んだこと

SPARXから学んだことは、「怒り」や「マイナス思考」など、頭の中で膨らんでいる情動に意識的になることができれば、「それに対して、取る行動は自分で選べる」ということでした。

 

SPARXでは、「行動と考え方は気分に影響を与える」ということが何度も説明されています。

 

これは本当にその通りで、嫌な考えを止めたり、自分にとって気分転換になるような行動を取れると、自分で自分を追い詰めないで済むので本当に気分が楽だし、「いざという時も自分で対処できるから」と安心材料を得ることができます。

 

ちょっと練習は必要ですが、こういう体験をこれからも少しずつ積み重ねていけたらいいなと思います。

 

 

【Part3】医師の声

内科医 鈴木裕介さん

 

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スパークスは、どんな悩みを解決したい人におすすめですか?

具体的な例として、以下の3パターンが挙げられると思います。

 

・ゆううつな気持ちだけど、直接、人に話すのはハードルが高いなと思っている人

・身近な人がゆううつな気分になっていて、サポートしたいという人

・生産性アップのためにストレスマネジメントを学びたいビジネスパーソン

 

 

スパークスを通じて期待できることは?

 

1.ゆううつな気分がすごく悪化する前に、自分でケアできる技法が広まる

SPARXを通じて、呼吸法など、医学的に推奨できる正しいセルフケア技法を身につけてもらうことで、ゆううつ気分が深刻化する前に、踏みとどまることができる可能性が上がります。

 

2.仕事の生産性がアップする

ゆううつな気分は、仕事の生産性を深刻に低下させることが明らかになっていて、その負の経済効果は経営課題になっています。SPARXを通じて、働く人のストレス対処能力が向上することで、職場の生産性の向上が期待できます。

 

3.「ゲームが処方される」という未来がやってくる

いま、医師が処方しているのは基本的に「お薬」だけですが、医学的にも効果的で、費用対効果にすぐれていると認められたアプリやゲームが、保険医療で処方されるという未来はすぐそこまで来ています。

 

日本人とゲームの相性は抜群なので、健康活動の維持や行動変容などに大きな効果が期待できると考えています。

 

 

スパークスの使用上のポイントや注意点を教えてください

1.気分が落ちきる前に使おう

SPARXは、ゆううつ気分の対処スキルを学ぶのに有用なプログラムですが、気分が落ちきる前に再浮上させて被害を最小限に抑える、もしくは、落ちにくくするための考え方を身につける、というのが基本的な使い方になります。

 

2.落ちきっている場合は専門家に頼ろう

症状が深刻な場合、たとえば、「消えてしまいたいと思う」「何もやる気が起きない」など、自己評価の低下や意欲の低下が著しいような場合は、精神医療の専門家の介入が必要な可能性が高いですので医療機関に行きましょう。

 

 

まとめ

今回は、SPARXについて、日本語版開発者、ユーザー、医師、3つの観点からお話ししていただきました。

 

開発者の視点から

・スマホアプリなので、いつでも手軽にできる

・RPGゲームとしてのストーリー性もあり、楽しく自分を客観視できる

・誰にも話すきっかけを持てない人たちにも活用してもらえる

 

ユーザーの視点から

・負の思考ループを自分の力で止められるようになった!

・怒りのコントロール方に目から鱗!

・自分で自分を追い詰めないで済むので本当に気分が楽!

 

医師の視点から

・ゆううつな気分への対処やストレスマネジメントに

・正しいセルフケア技法を身につけてもらうきっかけ

・気分が落ちきっている場合は専門家に頼ろう

 

しっかりと使用上の注意を踏まえて、SPARXを一度使ってみてはいかがでしょうか。

 

 

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【Part1】【SPARXってどう?】日本語版開発者・ユーザー・医師の声をご紹介!

【Part2】【SPARXの活用事例】うつ病の方の復職・再就職支援を行うリヴァさん

【Part3】SPARXを通じて心理ケアを受けやすい社会に【清水あやこさん】

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  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2017年5月31日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。