福祉業界をリードするりたりこさんの弱点ありますか?【LITALICOワークスPart4】

2017.02.10公開 2017.07.05更新
 
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就労移行支援事業を行っている、LITALICOワークスさん。ホームページはとても素敵なのですが、実際働いている人たちや現場の様子が気になる…

 

ということで、今回はLITALICOワークスの中の人に、ホームページではなかなか知れない、現場のリアルなお話をしていただきました。

 

 

今回、お話いただいた人

吉村紘樹さん(LITALICOワークス ヒューマンリソースグループ マネージャー)

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恒吉麻実子さん(LITALICOワークス ヒューマンリソースグループ 社会福祉士)

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LITALICOワークスさんの取り組みや想い

LITALICOワークスさんのこと教えてください

吉村さん:「そのひとりの『働きたい』にこたえる」。基本的にはこれです。型にはめた支援ではなくて、本当にその方らしい働き方を応援するという方針です。

 

私たちは、「障害者を支援をしている」という感覚は全くなくて、「働くことに困難がある方を就労支援している」というのが、基本的な考え方なんです。

 

今は手帳があると、「障害者」でひとくくりになってしまうんですけど、そういった方々も、生活の場面では障害がない状態で普通に暮らせていることが多いんです。

 

その中で私たちは、「就労移行支援事業所」という、就労に特化して、働くことに困難がある人たちを支援をさせていただいているからこそ、疾病を特に限定していないですし、いろんな方がいろんな背景を持って、LITAICOワークスに来ていただければ良いかなという風に思っています。

 

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最終的に実現していきたいのは、そういった方々を通じて、真の共生した社会を作っていきたいんですマジョリティでもマイノリティでもなくて、「全部のものの中に、それが入っていれば良い」というような感覚で支援をさせてもらっているというのがコンセプトとしてあります。

 

なので、型にはまった就労支援をするというよりも、働くということを通じて「どんな人生を実現していきたいのか」「その方の働く意味って何なのか」「その方の働く困難って何なのか」といったものを、利用者さんの過去・現在・未来の全て見て、その上で個別に合ったカスタマイズをして就労支援をしていくというのが、LITALICOワークスの「自分たちらしさ」であって、一番の強さなのかなと思っています。

 

実際、利用者さんから教わることも、スタッフ同士で教わることも、地域の方から教わることも多いんですよ。ご本人も含めた全員で、いろんなあり方を模索しながら、可能性を限らずに支援をしていくこということをとても大切にしています。

 

働くこと自体は、目的じゃなくて手段だと思うんです。

 

だからこそ、働くということを通じて、「どんな人生を歩んでいきたいのか」という視点でサポートしたいなと思っています。

 

 

実際のところ、上手くいかないことってありますか?

吉村さん:もちろん、上手くいかないこともありますよ。さまざまなご意見をいただくこともあります。いただくご意見は、私たちに機会を与えてくださっている部分もありますので、しっかり向き合い続けたいと思っています。

 

もちろん、暴言や暴力があったら絶対許容はしないといった最低限のラインはありながらも、まだまだLITALICOとして、できていないことはあるなと思っています。そういった意味でも、支援の質は追求し続けないといけないですね。

 

ホームページはきれいですけど、現場行ったらそんなにきれいな仕事ばかりではないですし、泥臭いことのほうが圧倒的に多いです。現場が一番大変で、現場が一番偉大ですね。

 

 

業界をリードする立場で追求したいこととは?

吉村さん:就労移行支援に関しては、LITALICOは昔からやっているので、考え方次第ではありますが、例えば、2015年では約900名の方の就職支援ができていたり、実績は一番あると思っています。

 

ただ、数で言ったらすごいとは思うんですけど、その内訳で見たときに、パートやアルバイトの就職が多いということには課題感を持っています。

 

単純にお給料や雇用契約だけの問題ではないですが、私たちは業界をリードしていく会社だと思ってるので、その私たちがパートやアルバイトばかりを輩出してしまっていたら、「それで良い」と思われてしまうリスクもありますし、何よりも利用者さんの選択肢を狭めないためにも、変えていかなければいけない点だと思っています。

 

また、もっとこだわっていきたいと思うのは、LITALICOワークスのサービスを使った利用者さんが、5年後にどうなっているかということにもっと追求していく姿勢も、「私たちらしさ」になるのではないかと考えています。

 

人生の中での2年間って大きいですし、特に社会人ならなおさらですよね。その2年間という貴重なお時間をいただいているので、私たちも真剣に向き合わないといけないと思います。

 

 

利用者さんの伴走者というスタンス

「有名な大企業で働きたい」と言われたらどうしますか?

恒吉さん:LITALICOワークスで大事にしてるのは、「その人の希望を大事にする」ということです。とは言え、「難しいんじゃないか」というときに、その人の希望も大事にするけれど、現実との折り合いのつけ方を伝えていくことも必要になります。支援における大事なポイントですよね。

 

ただ、私たちが「その会社では働けない」「その職種は無理だよ」と言う必要はもちろんなくて、「その仕事に就きたいんだね」と気持ちに寄り添いながら、実習に行ったり、実際に応募したり、一緒に経験を積むことを繰り返していきます。

 

その中で、利用者さんに合った仕事を一緒に探せる、伴走者みたいなスタンスでありたいなって思っています。

 

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吉村さん:働くことがその方の人生にとって、どういった目的があるのか、ということが一番大事だと思っていますので、「大企業で働きたい」という背景をちゃんと知ろうとすることが、ものすごく大事になりますよね。

 

中には「自分で社長をやりたい」という方もいらっしゃるんですよ。その場合でも、「社長になりたい背景は何なのか」というところをしっかりと突き詰めていって、「社長になることがゴールなのか」「社長になった時にどんなことが満たされて、それが人生にどう寄与していくのか」まで、一緒にすり合わせをしていくということを大事にしています。

 

だからこそ、日々、LITALICOワークスに通っていただくことで、コミュニケーションの量を増やして、双方で理解を高めていくということを意識して行っています。

 

 

伴走者としてどんな気づきがありますか?

恒吉さん:利用者さんの希望を突き詰めていくと、その人の生きづらさがあったりしますだからこそ、社会課題に着目していく利用者さんもいて、「あなただからこそ、できることがあるんじゃない?」と投げかけることで、新たな気づきが生まれることもあります。

 

吉村さん:大手企業を志望される方の場合、実はご本人が大手企業に行きたいわけではなくて、ご家族にご苦労をかけていたので、「ご家族を安心させるために大企業に入りたい」とか、同窓会などで友達と会った時に、「◯◯で働いてる」と言いたいがためだったり…ということが実際にありましたね。

 

「それがそもそも目的じゃなかった」みたいなことが結構あったりもするじゃないですか。ですので、言葉の背景をちゃんと知ってあげることはとても泥臭い作業ですが大事になってきますね。

 

恒吉さん:利用者さんが、その希望を抱いている理由は、それしか知らないからかもしれないですし、それしか自信がないと思っているからなのかもしれません。

 

ですので、LITALICOワークスでの活動を通じて、「自分とは何なのか」「世の中にはどんな情報があるのか」ということも少しずつ見えてくると、「こっちのほうが、私は幸せかも」と、当初言っていた希望が変わる方もたくさんいるんです。

 

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LITALICOワークスさんの強さの秘訣

LITALICOワークスさんで働いている人ってどんな方が多いですか?

恒吉さん:ここは、福祉事業所になるので、私のような社会福祉士の資格を持っていたり、「もともと介護業界出身です」といった人が半分くらいいます。残りの半分は福祉畑の人ではなく、企業出身の人という感じです。

 

吉村さん:僕は営業経験者なので、ビジネス観点で事業内容をみたり、目標を設定することが多いですね。

 

恒吉さん:ずっと福祉の業界にいる私からすると、企業出身の方とお仕事するようになって「ほー!」と新鮮に感じることもあります。

 

吉村さん:福祉、支援の観点とビジネスの観点のバランスが良い所はやはり良い雰囲気ですし、しっかり実績も出ているように感じますね。

 

 

LITALICOワークスさんの弱点ってありますか?

吉村さん:そうですね…。「LITALICOらしさ」は表現できるんですけど、「LITALICOらしいサービス」をなかなか表現しきれていないところでしょうか。

 

「LITALICOの雰囲気」とか、「LITALICOっぽい」っていうのは共通言語ができてるんですけど、「LITALICOのサービスって何?」って言われた時の共通言語が明確でないことがあります。

 

多様性という言葉に包括され過ぎて、一人ひとりがバラバラになってしまわないように、ポリシー、支援のスタンス、メンバーに与える価値、感じて欲しい価値…などにおける共通言語を作るために、ロールモデルをもう1回、作り出しているという感じですね。

 

そういった意味で、もちろん時間はかかりますが、「今のサービスが本当に良いのか」と突き詰めて考えるフェーズが今なのかなって思っています。

 

 

弱点、もっと聞いてもいいですか?

吉村さん:そうですね…(笑)。あとは、理論の実践が弱いという部分もあります。つい気持ちで支援してしまって、上手くいく時はいいけど、上手くいかない時は…といった感じですね。

 

恒吉さん:LITALICO研究所というものもあるんですけど、実践をきちんと体系化、理論化して、説明していく部分は、まだまだこれからチャレンジしていくところです。

 

私としては、利用者さんが、ある意味で私たちの実践の犠牲になっている部分もきっとあると感じています。実践の中にはきっと失敗もあるはずです。

 

そう考えると、ちゃんと実践内容を理論化して、ちゃんとエビデンスにして世に貢献していきたいですし、「こういう実践でこういった結果が出ました」というのを世に伝えるのが責任だと思ってるんです。

 

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LITALICOさんの理想を実現している国ってありますか?

吉村さん:まだないですよね。こういう仕事をしていてふと思うことは、資本主義と民主主義と社会主義と共産主義の間に行こうとしてるということですね。

 

私たちが実現しようとしている世界は、今までにない世界ですね。世界観をしっかり形作っていかないと宗教チックな話になっちゃうんですけど、ちゃんとビジネスの力を活用して、「現実的にやるための手立てをどこまで考えるか」っていうところを追求してる感覚です。

 

恒吉さん:スウェーデンとフィンランドって福祉が充実しているけれど、その人の能力を「伸ばす」という観点で、少し私たちの理想とは違うんですよ。

 

「守る」「保護する」「困らないようにする」という面ではすごく充実していたし、「平等」という価値もすごく根付いてたんですけど、だからこそ「働かなくても困らない」というようなところがあって…。

 

 

「障害のない社会をつくる」

恒吉さん:個人的には、「その人がその人の役割を担いながら自己実現していく」ということに幸せを感じることが多くあります。

 

そのため、その人に合った環境、その人に合った関わりというのができれば、生産性が上がったり、個々の力を発揮できて、生き生きできるというところに、幸せの質を高めるポイントがあると考えています。

 

それで、障害があってもなくても、当たり前にみんなが就職して、その人に合った環境が社会に作られていけば、手帳すらいらなくなるかもしれません。

 

それが私たちが目指す「障害のない社会をつくる」というコーポレート・メッセージにもつながっていくと考えています。

 

(LITALICOワークスさんインタビュー完)

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PHOTO by 齋藤郁絵

 

 

そのほかの記事はこちら

【Part1】りたりこさん、就労移行支援事業のこと教えてください

【Part2】障害者手帳を持っていると就職に有利ですか?

【Part3】「障害者=単純作業ではない」ことを伝えていきたい

 

 

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