「障害者でも『きらり』と輝ける」【朝倉美保さん Part3】

2017.09.20公開
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自分たちで雑誌を創る

家庭教師をしていた頃、発達障害の支援サイトを作ろうとしている人に出会い、「当事者のコーナーを作りたい」ということで私に声をかけてもらったことがありました。

 

それで会ってみたら、とても気が合い、「じゃあ一緒にやりましょう」ということになり、『ちいさな森』(現在休止中)というサイトを始めました。

 

サイトでは、発達障害の子どもを持つお母さんを支援する活動をしていましたが、だんだんとネットだけでは支援が足りないと感じるようになりました。

 

また、本の中でも、私が求めている内容のものは少なかったので、自分たちで雑誌を作ることにしたんです。

 

 

雑誌『きらり。』の創刊

本を作るにあたって、同人誌のようなものではなくて、しっかりとしたものを作りたいと思い、私が会社を設立して雑誌を作ることにしました。

 

「雑誌を作ろう」と決まってから、構想ができ上がるまで1ヶ月かかってないですね(笑)

 

構想がまとまって、私が会社を設立して、2016年12月にクラウドファンディングをしました。

 

そこで集まった100万円を元手にして2月に会社設立をし、4月に創刊とすごいスピードで進みました。

 

クラウドファンディングで資金を集めている最中も、創刊する雑誌の構成を考えたり宣伝をしたりと、自分たちの雑誌創刊の準備を進めていたのでスムーズでしたね。

 

 

「障害者でもきらりと輝ける」

ずばりコンセプトは、「きらり」です。

 

雑誌の名前の『きらり。』には、障害者でもきらりと輝けるという意味を込めています。

 

創刊号では、発達障害を特集として取り上げ、発達障害に関して幅広く扱いました。私が全部を仕上げる形で、雑誌に携わってもらっている他の2人にはライターとして原稿を書いてもらっています。

 

雑誌を作る中で、取材をしていろいろな方にお会いできるのが楽しいですね。

 

『きらり。』は、通信販売と地元京都の大垣書店さんに置いていただいています。

 

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手作りだからこその大変さ

携わってもらっている2人からは、「8月ぐらいに第一巻ができると思ってた」と言われたんですが、「いや、4月に出すよ」とどんどん進めましたね。

 

ただ、出版業界が初めてだったことと、写真も文字も、デザインは私が全部ソフトを使って作っているので、最初はそれが全然わからなくて大変でした。

 

今ままでやったことがなかったので、実際にソフトを操作をしながら、分からないところは色んな方に聞いて覚えていきましたね。

 

『きらり。』の4巻が10月5日に発売予定で、年4回発行するペースで考えています。

 

ありがたいことに、新聞、テレビ大阪、NHK京都・関西・全国と取材、放送をしていただいて、少しずつ『きらり。』を知っていただける機会が増えたのではないかと思っています。

 

 

「リアル」「生々しい」

実際に読んだ方の感想で多いのが、「リアル」「生々しい」という感想です。

 

よく本に書いてあるような障害の解説や、偉い先生が書いているような話ではなくて、生活に沿った体験談が多く、身近な印象を受ける本だと言われています。

 

『きらり。』を読まれる方は、障害を持ったお子さんのお母さんもそうですし、当事者の方も多いです。

 

ですので、『きらり。』をきっかけに、月に1回ぐらい読者の交流イベントができたらいいね、という話もしています。

 

 

私のターニングポイント

今までの人生を振り返って、ターニングポイントはやはり家庭教師を始めた30歳の頃ですね。

 

家庭教師を始めたとともに、うつ病であるということを開き直っちゃったときなんですよね。

 

うつ病であっても病気に合わせた働き方をしたらいい、というふうに思えたんです。

 

夜のほうが活動しやすい、という症状に家庭教師がぴったり合ったというのが大きかったです。

 

しかも、仕事のやりがいもあるし、収入も得られるし、というところで、すごくぴたっと自分に合って、「やっと見つかった」という感じがしました。

 

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「治そう」という気持ちがなくなった

それまでは周りに合わせて辛くなってしまったりもしましたが、うつ病も6年になって、治そうという気持ちがなくなっちゃったんですよね。

 

「いい状態があるなら、それでいいじゃない」

「動けるような状態であれば、それが私のベストだ」

 

と思えるようになれたんです。

 

周りでも、うつになっている人がいたのですが、3ヶ月で治った人もいれば3年で治った人もいる。出産をきっかけに薬をやめて治った人もいました。

 

そういう人を身近で見ていたので、私もいつか治るのかな、という淡い期待があったんですけど、なかなか治らない…。

 

でも、うつ病であっても、やりたいこともできているし、別に問題ないなって開き直れました。

 

 

いい意味で開き直れた

「いい意味で開き直れた」というのが1つありますね。病気の捉え方ががらっと変わりました。

 

発達障害と診断されると、悲しんだり辛くなる方が多いと思います。

 

ただ、私は発達障害だと言われて、発達障害の特性を聞いていくと、私がしていたことがたくさん出てきて、「なるほど、なるほど」みたいな。全部当てはまりました(笑)

 

発達障害と診断されて、うつの根底にあるものが発達障害だということも分かったので、「じゃ、うつが治らないのはしょうがないよね」と思いました。

 

 

いま苦しんでいる方へ伝えたいこと

今の自分の体調がいいのか悪いのか、分別ができていない方も結構いらっしゃると思います。

 

10段階があったら、今はいい段階の1なのか、2なのかという分別を意識してみてほしいです。

 

私も、時間がかかりましたが、自分の状態を10段階で分別できるようになりました。

 

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例えば、レベル5まで来たら休むとか、レベル10まで来たら1日寝っぱなしとか、そういう判断が私はできているんですよね。

 

レベル10の一番悪いときに、うつ病に良いからと言って、日光浴や運動をしたら、余計悪くなってしまうこともあります。

 

レベル10のときでも、そういったことを頑張ってやってしまう人も多いんです。

 

「レベル10のときは寝なきゃ駄目なんだ」と言うことが分かっていれば、もっと自分で生活コントロールができるようになると思います。

 

いい状態のときは、多分すぐ分かると思います。難しいのは、悪い状態のときですよね。

 

例えば、うつで脳が締め付けられると感じることがあります。頭が重いと感じたり、物事を考えるのがちょっと辛いなとか。

 

そうなってきたら、「今、自分はレベル5なんだ」と立ち止まって、例えば、午前中は寝て、午後から動くようにしようと行動を意識的に変えるようにします。

 

「このレベルになったら、これをしよう。逆にこれはやらない」というものは、予め自分の中で決めておくことがポイントです。

 

それができるようになると、「今はこの段階だから少し寝よう」「今日は早く寝てしまおう」、とコントロールできるようになるんです。

 

先ほども言いましたが、レベルが8や9のような方たちが、動こうと頑張っているのを見ていると、「今は寝てください」と伝えるんですが、それでも動いてしまうケースは本当によくあります。

 

ですので、まずは自分の状態を客観的に把握する工夫はぜひしてみてほしいですね。

 

 

将来について

現在、『みのり。』というサイトも運営していて、そこでは『きらり。』には書き切れなかった情報発信やイベントの告知をしています。

 

今、思い描いているのは、『きらり。』の製作を続けていきながら、『みのり。』での発信も続けることです。

 

それらを通じて、いろんなイベントを全国各地で行って、全国の生の声を聞いていけるような、そういう仕組みづくりをしていきたいと思っています。

 

 

【朝倉美保さんインタビュー完】

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朝倉美保さん全インタビュー

【Part1】全否定する母、小学校でのいじめ、うつ病のこと

【Part2】うつ病で休職、死産、離婚…リセットできたきっかけ

【Part3】「障害者でも『きらり』と輝ける」

 

 

インタビューを受けてくださる方、募集中です

臨床心理士、精神保健福祉士、看護師、保健師、産業カウンセラー、支援機関の職員など、すでに多くの方にインタビューを行っています。ご自身が、有名かどうか、権威かどうかは関係ありません。

 

また、精神疾患などの当事者の方、メンタルヘルスや人間関係でお悩みの方などのインタビューも行っております。

 

これまでの経験・取り組みや、ご自身の想いを読者に届けていただき、Remeのミッションである「こころの専門家へのアクセスの向上」「こころの健康に関するリテラシーの向上」の実現のために、お力をお貸しいただけますと幸いです。

 

 

ご興味をお持ちいただけましたら、下記フォームよりお問い合わせください。24時間以内にご連絡いたします。

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