摂食障害とは?主な原因、事例、改善方法を解説【髙田尚恵さん Part3】

2017.09.25公開
 
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食事は日常生活において欠かせない大事なものですよね。皆さんは楽しく美味しく食事ができているでしょうか?

 

食事は毎日必要なものなので、食事に対して悩みや辛さがあると、そのストレスは大きいですね。

 

今回は、食事に関する障害である摂食障害と呼ばれるものについて、その原因となり得ることや実態についてご紹介します。

 

 

摂食障害とは?

①過食症

摂食障害とは、一般的に過食症や拒食症と呼ばれているものが含まれます。

 

過食症と呼ばれるものは、食べる量を制限できなかったり、お腹が空いていないにも関わらず食べ続けたりする状態が挙げられます。

 

また、食事量や食べている姿を見られることが恥ずかしく、一人で食事を摂ることが多くなるなどの症状もあります。

 

さらに、食べ終えた後に、自分自身に対して嫌悪感や罪悪感を強く抱くこともあります。

 

また、過食後に体重増加を防ぐために代償行為として、意図的な嘔吐や下剤の服用、過度な運動をすることもあります。

 

嘔吐だけの症状の人もいますが、過食と嘔吐を繰り返す人もいます。

 

意図的な嘔吐は、過食による体重増加を防ぐために行われる意味もありますが、「浄化」として、本人にとって過食後の自分自身に対する嫌悪感をリセットするような意味もあります。

 

 

②拒食症

拒食症は、極端な体重の減少を目的に食事制限や絶食をすることが多いものです。

 

同時に、意外と思われるかもしれませんが、過食と意図的な嘔吐を行う人もいます。

 

ただし、過食症と違い、過食はするものの基本的に体重が増えることに対して極度の恐怖心を持っており、標準体重を大きく下回っていることの深刻さに気付くことができないことが多いです。

 

そのまま体重を減らし続けるため、最終的に生命にも関わることがあります。

 

 

過食や拒食だけではない

過食や拒食は摂食障害の中でもよく聞くものですが、実際には摂食障害には他にも種類があります。

 

どのような疾病に対しても言えることですが、自己診断せずに専門家に相談することが非常に大切です。

 

特に摂食障害は、思春期に発症することが多く、感受性豊かで他者や世間の評価を過度に気にする時期のため、一人で抱え込み、多くの症状を同時に発症させてしまうことが多いのです。

 

 

摂食障害の原因

さて、それでは摂食障害はなぜ起こるのでしょうか?

 

様々な理由があるのですが、大きく分けて体型へのコンプレックスからと、自分の思うように物事が運ばないことが続くと、摂食障害の症状に繋がりやすくなります。

 

 

体型へのコンプレックス

多くの人は、幼い頃から家族や友人など周囲の人から体型について指摘されたり、からかわれて、自分の体型が気になり始めて食べる量を気にしだします。

 

または、世の中で一般的に美しいと憧れられるモデルの体型に憧れが強くなりすぎて、自分の体型がコンプレックスになり始めることもあります。

 

「モデルのような体型にならなければいけない」「人から認めてもらえない」と思いこんでしまい、食事の量を極端に減らし、食べた後すぐに意図的に嘔吐するなど、急激なダイエットを行います。

 

 

思い通りにいかないストレス

また、体型を気にする人と同じくらい多くの人が、自分の思うようにいかない事が続きストレスが溜まってくると、過食や嘔吐という症状が強く出てきます。

 

本来の自分の性格や意見を表現できないなど、自分の望んでいる環境が叶わず、自分の考えや感情の行き場がないという状態が続くと、自分の無力さを感じやすくなります。

 

「自分は何もできない」「変えられない」という失望感は、先を考えると不安になります。

 

その「行き場のない無力感や不安をどうにかしたい」という気持ちが、食べることに対してのコントロールに繋がります。

 

食べるか食べないか、食べるものや食べる量、嘔吐するかどうかなどは、全て自分自身にのみ関係することで、自分の意思でコントロールできます。

 

日常的に自分の思うようにいかないことでも、食べる時だけは自分の思うように調整できるため、日々のストレスが溜まれば溜まるほど、過食や絶食、意図的な嘔吐、過度な運動などの症状が増えていきます。

 

 

摂食障害と強迫性障害

さらに摂食障害としての症状に深く関係している疾病として、強迫性障害が挙げられます。

 

強迫概念の対象にもよりますが、摂食障害が二次的に引き起こされることがあります。

 

例えば、何かをきっかけに栄養について学んだ人が、強迫的に栄養について関心を持ち、健康に良いと学んだ栄養や摂取カロリーに極度にこだわってしまうケースです。

 

気がつくと、栄養や食品添加物、摂取カロリーを気にしすぎて、食べられない物が多くなり、拒食気味になったりすることもあります。

 

 

摂食障害の治療やカウンセリング

摂食障害の治療やカウンセリングでは、基本的に、食べることや食べるカロリーについて細かく記録することを用いられることがあります。

 

しかし、強迫性障害が摂食障害と深く関連していることからも、かえって症状を悪化させてしまう、または治療を途中で止めてしまうことに繋がることも多いです。

 

 

考えを整理し柔軟にする

摂食障害の原因は、「考え」と深く関わっているため、考えを柔軟にすることや強迫観念の症状を緩和することで、摂食障害の症状が軽減できることがあります。

 

そこで、じっくりと自分の考えを話し、整理していくことで、「自分が本当は、何に対して不満やストレスを感じているのか」を確認します。

 

そして、自分の考えを食べる事で、発散したりやコントロールするのではなく、考え自体を伝えることや相談することで解消する方法を身に付けていくことで、自然と症状が治まってくることもあります。

 

 

絵を活用して表現する

自分の体型がコンプレックスで、摂食障害の症状がある人にとって、カウンセリングで話すことはとても難しいケースが多いです。

 

自分の体について言葉で表すことがとても難しいことが多いためです。自分の体のどの部分が不快かは伝えられても、その部分がどのように不快か言葉では表しづらいものです。

 

その表しにくい感覚を伝え、カウンセリングを進めていく方法として、アートでの表現が比較的効果的です。

 

自分の抽象的な考えや感情をアートで表現することで、言葉で説明するための架け橋になります。

 

アートは自分のやりやすいものであれば、なんでも良いのですが、例えば、

 

・鉛筆や絵の具で自分の感情を具体的にでも抽象的にでも良いので描いてみる

・平面や立体のコラージュを作って自分を表現してみる

 

などができます。

 

また人型を描いて、自分の体の違和感がある部分にマークを付けて色を塗って表すことも説明をするための方法として有効なことがあります。

 

 

さいごに

摂食障害ということから、食事についてどうにかしようとする傾向が見られます。

 

しかし、まずは「自分が何について不満やストレスがあるのか」を認識することから始め、食事以外に自分の意思でできることを実践することで、効果的に摂食障害の症状が軽減できる可能性があります。

 

カウンセリングなどの力を借りて、自分の状態を少しでも話し、自覚することから始めてみてください。

 

(ただし、拒食症により、体重が標準を下回っている場合や吐き戻しが多い場合は、医療機関での治療や血液検査などが最優先になることもあるため、病院での診察も非常に重要です。)

 

 

【執筆者】

髙田尚恵

ニューヨーク州立大学プラッツバーグ校大学院カウンセラー教育学部メンタルヘルスカウンセリング学科にて修士号取得。メンタルヘルスカウンセラーとして勤務し、個別カウンセリング、カップルカウンセリング、心理教育などを提供。帰国後、メンタルヘルス不調による休職・離職者の社会復帰を支援。

 

米国認定カウンセラー認定証取得

(National Certified Counselor Certification)

ニューヨーク州基準臨床メンタルヘルスカウンセラー国家試験合格

(National Clinical Mental Health Counselor Examination for New York)

臨床トラウマプロフェッショナル認定証取得

(Clinical Trauma Professional Certification)

 

 

普段、支援の現場にいらっしゃる方へ

最後までコラムをご覧いただき、誠にありがとうございます。

 

Remeでは、支援の現場にいらっしゃる方にコラムという形で一般ユーザーに向けて情報発信をいただいております。

 

臨床心理士、精神保健福祉士、看護師、保健師、産業カウンセラー、支援機関の職員などの方で、ご自身の活動内容を含め、幅広くお書きいただき、読者の皆さまに有益な情報を発信いただければと思っています。

 

コラム執筆にあたってノルマや納期はございませんので、ご本業にご迷惑がない範囲でお願いできればと思います。詳細につきましては、お問合せ後にお知らせさせていただきます。

 

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