アルコール依存症患者の家族がうつを予防する3つの心がけ【プリームみどりさん】

2018.06.01公開 2018.10.02更新
 

アルコール依存症とうつ。

 

この関係を考える時、一般には、アルコール依存症患者がうつになるケースが語られることが多いです。

 

事実、アルコール依存症患者がうつになるケースは多く、また自殺の危険度が高いことも指摘されています。

 

その一方、アルコール依存症患者の家族がうつになるケースについては、あまり取り上げられていません。

 

では、その可能性はほぼないということでしょうか?

 

>>【夫のアルコール依存症】家族の接し方・子供への影響・相談先【体験談まとめ】

 

家族がうつになる可能性もある

私自身が、アルコール依存症という病気に振り回されていた当時、心身ともにどのような状態であったかを振り返ると、アルコール依存症患者の家族もまた、うつになる可能性は十分にあると言えます。

 

では、どのような状態が、うつを引き起こす可能性があるのでしょうか?

 

アルコール依存症患者が次々と起こす問題に直面する家族は、常に緊張状態にさらされ、心休まることがありません。

 

家事や子育てにおいてもアルコール依存症患者に頼れず、飲酒による問題の後始末に追われ、身体的にも過労になりがちです。

 

毎日の生活、お金の心配、子育ての負担、世間体、将来の不安…

 

全てを抱え込んで、「私が何とかしなくては」と必死に努力し続けます。

 

また、社会的な偏見も根強いため、家庭内にアルコール依存症の問題があることを、細心を払って隠そうとします。

 

身体的、精神的な負担が大きいにも関わらず、悩んでいることも誰にも相談できずに、孤立しがちです。

 

最初の頃は友人に愚痴をこぼしていた私も、状況が深刻になるにつれ、誰にも話せなくなっていきました。

 

私は、自分がうつになるとは考えたこともなく、また実際にならずに済みましたが、当時の状態を思い起こすと、うつの初期症状に当てはまるものもありました。

 

 

少し頑張りすぎてないですか?

うつの原因はさまざまですが、うつになりやすいタイプとして、真面目で責任感が強く、周りからの評価も高い人が多いようです。

 

アルコール依存症患者の家族は、当てにできないアルコール依存症患者の分まで「私が頑張らねば、私が何とかしなければ」と全てを背負いこんでしまいます。

 

にも関わらず「私が倒れるわけにはいかない」と、それでも無理して頑張り続けます。

 

「周りに迷惑は掛けられない」と、周りを頼ったり、助けを求めることもなかなか出来ません。

 

これでは心のバランスを崩して、体が強制終了してしまうのも当然かも知れません。

 

世間では、うつという病気を「怠け病」と誤解している人もいますが、私は「頑張りすぎた病」と認識しています。

 

もし、うつが「頑張りすぎた病」であるとするなら、体が強制終了するまで頑張りすぎないことが、うつの予防になりますね。

 

では、そのためには、具体的にどのようなことを心がければ良いのでしょうか?

 

 

誰かと話すことが第一歩

うつにならないための心がけの1つめは、アルコール依存症患者以外の誰かに話をすることです。

 

「そんな相談をしたら迷惑なのでは」

「こんな恥ずかしいこと話せない」

 

という心理的葛藤が出てくるかも知れません。

 

その場合は、このように考えてみてはどうでしょう。

 

一人で全てを抱え込んだ結果、あなたがうつになってしまったら、全体の状態はより悪くなりますね。

 

ご自分の回復にも時間が掛かりますし、アルコール依存症患者の状態を良くする助けにもなりません。

 

また、迷惑と判断しているのはあなたであって、実際は、相手は迷惑と思わないことも多いのです。

 

また、アルコール依存症は誰でもかかる可能性のある病気であり、意志が弱い、だらしないといった性格の問題ではありません。

 

困難な状況にいる人が助けを求めることも、何も恥ずかしいことではありません。

 

世間の目を気にして、今の辛い困難な状況のまま生きていくのか。

 

病気に振り回されずに、今後の人生をより良くしていくのか。

 

ぜひ、ご自分の大切な人生の方を選んでいただきたいなと思います。

 

 

話す相手選びも重要

ここで気をつけて欲しいのは、あなたが話す相手です。

 

見ず知らずの他人より、身内や友人に相談したくなるものですが、アルコール依存症という病気について正しい知識を持っている人や、同じ悩みを乗り越えて来た人に、相談して下さい。

 

つまり、専門知識を持っている医師や支援団体、家族のための自助グループなどです。

 

だからと言って、身内や友人に話してはいけないということではありません。

 

助けを求めるのに、あなたの状況を理解してもらうことは、必要ですし大事ですね。

 

ただ、その人が病気について正しく理解していない場合、たとえ愛情からだとしても、見当はずれのアドバイスをすることも多いのです。

 

そうすると、あなたがますます孤独感を感じてしまったり、不必要に自分を責めて、もっと苦しくなってしまう可能性も。

 

上に挙げたような、あなたの状況を理解できる人に話すことで、「自分は一人じゃなかった」と知ることも、あなたの気持ちを、ずっと楽にしてくれるはずですよ。

 

 

健全な境界線をひく

心がけの2つめは、健全な境界線をひくこと。

 

境界線というと、ひょっとしたら、冷たい印象を受けるでしょうか?

 

健全な境界線をひくとは、あなたの問題・責任と、アルコール依存症患者の問題・責任をしっかり分けること。

 

「本来は誰の問題・責任か?」を考えて手放すことです。

 

アルコール依存症患者の家族は、

 

「酔いつぶれてばかりのパートナーには頼れない。私が全てやらなくては、大変なことになってしまう!」

 

と、たくさんのことを抱え込んで、心身ともに疲れ果てています。

 

アルコール依存症は、飲酒をコントロールできない病気です。

 

本人がコントロールできないものを、家族がコントロールできるわけがありません。まずはこれを認めること(悔しくても笑)。

 

アルコール依存症者が、お酒を飲み続けられるのは、家族や周りが尻拭いをしてくれ、飲酒により起こった問題の結果に責任を持たないで済んでしまうから。

 

つまり、家族が必死に頑張ってやっていることが、結果として、アルコール依存症患者の飲酒を手助けしてしまっているのです。

 

なので、飲酒による問題はできる限り、アルコール依存症患者本人に責任を取ってもらうようにする必要があるのです。

 

特に最初は、手を出さないことはとても怖いことでしょう。

 

けれど、アルコール依存症患者の回復を願うならば、ここは頑張って欲しいです。

 

 

自分の状態をよくすることに集中

心がけの3つめは、自分の状態を良くすることに集中すること。

 

ここでの「良くする」というのは、「大事にすること」と考えて下さいね。

 

あなたは今、食事や睡眠をちゃんと摂れていますか?

 

1日のうち、自分自身のために使っている時間はありますか?

 

体のケア、心のケアは出来ていますか?

 

おそらく、家の中を回して行くために必死で、自分のことは後回しではないでしょうか?

 

ですが、あなたが無理をし続けても、アルコール依存症患者の状態は良くなりませんし、アルコール依存症の問題はなくならないのです。

 

心がけの2つめでお話ししたように、飲酒による問題を、アルコール依存症患者本人に任せ、その結果できる時間とエネルギーを使って、心身ともにご自分の状態を良くすることに取り組んで下さい。

 

また、お子さんがいらっしゃる場合、あなたが気力も体力も枯渇状態だったら、大切なお子さんを、アルコール依存症の影響から守ることができません。

 

まずは、あなたが心身ともに健康になることを第一に考えて下さいね。

 

 

さいごに

以上、アルコール依存症患者の家族が、うつにならないための心がけを3つ挙げました。

 

それら全ての根本にあるのは、正しい知識を持つ重要性です。

 

アルコール依存症という病気に、家族が振りまわされるのは、アルコール依存症がどのような病気かを正しく理解していないから。

 

正しい知識を持つことで、どのように対処したらいいのかが分かり、無駄なエネルギーを使わなくて済むようになります。

 

そこでできた時間とエネルギーを使って、あなた自身をもっと大切にして下さい。

 

病気は何でも、予防がもっとも重要です。

 

人の病気(アルコール依存症)を何とかしようと必死になって、ご自分が病気(うつ)になってしまっては、元も子もありません。

 

ぜひ、ご自分のケアを一番に心がけて下さいね。

 

>>【夫のアルコール依存症】家族の接し方・子供への影響・相談先【体験談まとめ】

 

profile photo2プリームみどり

ベルギー在住。夫がアルコール依存症になり家庭崩壊の危機に直面するが、 病気について学び自分自身を取り戻す。 自身のブログ「私から始めよう」では、周りに振り回されずに、 幸せに生きるためのメッセージを発信している。

blog: https://ameblo.jp/beyouandshine/

 

プリームみどりさんの連載一覧

【Part 1】夫がアルコール依存症に…私が自分の人生を取り戻すまで

【Part 2】アルコール依存症で家族が崩壊…家族を救った3つのきっかけとは?

【Part 3】アルコール依存症患者の家族として実践した3つの接し方とは?

【Part 4】アルコール依存症患者の家族向け支援!活用できた3つの支援とは?

【Part 5】アルコール依存症患者の家族の相談先って?私のおすすめ3選

【Part 6】アルコール依存症の子供への影響…我が家での3つの対処法

【Part 7】アルコール依存症患者の家族がうつを予防する3つの心がけとは?

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