【アルコール依存症家族】疲れてうつになるのを防ぐ3つの心がけ【体験談】

2018.06.01公開 2020.05.13更新

話す相手選びも重要

ここで気をつけて欲しいのは、あなたが話す相手です。

 

見ず知らずの他人より、身内や友人に相談したくなるものですが、アルコール依存症という病気について正しい知識を持っている人や、同じ悩みを乗り越えて来た人に、相談して下さい。

 

つまり、専門知識を持っている医師や支援団体、家族のための自助グループなどです。

 

だからと言って、身内や友人に話してはいけないということではありません。

 

助けを求めるのに、あなたの状況を理解してもらうことは、必要ですし大事ですね。

 

ただ、その人が病気について正しく理解していない場合、たとえ愛情からだとしても、見当はずれのアドバイスをすることも多いのです。

 

そうすると、あなたがますます孤独感を感じてしまったり、不必要に自分を責めて、もっと苦しくなってしまう可能性も。

 

上に挙げたような、あなたの状況を理解できる人に話すことで、「自分は一人じゃなかった」と知ることも、あなたの気持ちを、ずっと楽にしてくれるはずですよ。

 

 

健全な境界線をひく

心がけの2つめは、健全な境界線をひくこと。

 

境界線というと、ひょっとしたら、冷たい印象を受けるでしょうか?

 

健全な境界線をひくとは、あなたの問題・責任と、アルコール依存症患者の問題・責任をしっかり分けること。

 

「本来は誰の問題・責任か?」を考えて手放すことです。

 

アルコール依存症患者の家族は、

 

「酔いつぶれてばかりのパートナーには頼れない。私が全てやらなくては、大変なことになってしまう!」

 

と、たくさんのことを抱え込んで、心身ともに疲れ果てています。

 

アルコール依存症は、飲酒をコントロールできない病気です。

 

本人がコントロールできないものを、家族がコントロールできるわけがありません。まずはこれを認めること(悔しくても笑)。

 

アルコール依存症者が、お酒を飲み続けられるのは、家族や周りが尻拭いをしてくれ、飲酒により起こった問題の結果に責任を持たないで済んでしまうから。

 

つまり、家族が必死に頑張ってやっていることが、結果として、アルコール依存症患者の飲酒を手助けしてしまっているのです。

 

なので、飲酒による問題はできる限り、アルコール依存症患者本人に責任を取ってもらうようにする必要があるのです。

 

特に最初は、手を出さないことはとても怖いことでしょう。

 

けれど、アルコール依存症患者の回復を願うならば、ここは頑張って欲しいです。

 

 

自分の状態をよくすることに集中

心がけの3つめは、自分の状態を良くすることに集中すること。

 

ここでの「良くする」というのは、「大事にすること」と考えて下さいね。

 

あなたは今、食事や睡眠をちゃんと摂れていますか?

 

1日のうち、自分自身のために使っている時間はありますか?

 

体のケア、心のケアは出来ていますか?

 

おそらく、家の中を回して行くために必死で、自分のことは後回しではないでしょうか?

 

ですが、あなたが無理をし続けても、アルコール依存症患者の状態は良くなりませんし、アルコール依存症の問題はなくならないのです。

 

心がけの2つめでお話ししたように、飲酒による問題を、アルコール依存症患者本人に任せ、その結果できる時間とエネルギーを使って、心身ともにご自分の状態を良くすることに取り組んで下さい。

 

また、お子さんがいらっしゃる場合、あなたが気力も体力も枯渇状態だったら、大切なお子さんを、アルコール依存症の影響から守ることができません。

 

まずは、あなたが心身ともに健康になることを第一に考えて下さいね。

 

 

さいごに

以上、アルコール依存症患者の家族が、うつにならないための心がけを3つ挙げました。

 

それら全ての根本にあるのは、正しい知識を持つ重要性です。

 

アルコール依存症という病気に、家族が振りまわされるのは、アルコール依存症がどのような病気かを正しく理解していないから。

 

正しい知識を持つことで、どのように対処したらいいのかが分かり、無駄なエネルギーを使わなくて済むようになります。

 

そこでできた時間とエネルギーを使って、あなた自身をもっと大切にして下さい。

 

病気は何でも、予防がもっとも重要です。

 

人の病気(アルコール依存症)を何とかしようと必死になって、ご自分が病気(うつ)になってしまっては、元も子もありません。

 

ぜひ、ご自分のケアを一番に心がけて下さいね。

 

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プリームみどり

ベルギー在住。夫がアルコール依存症になり家庭崩壊の危機に直面するが、 病気について学び自分自身を取り戻す。 自身のブログ「私から始めよう」では、周りに振り回されずに、 幸せに生きるためのメッセージを発信している。>>blog

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  • 本記事は2018年6月1日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。