双極性障害当事者として7社経験。仕事が続かない理由と安定して働く対策

2018.06.10公開 2020.05.18更新

軽躁とうつの気分の波の激しさ故に、なかなか仕事が続かない…とお困りの人は少なくありません。

・(何かを)始める時はあんなに元気だったのに、最近元気が出ない

・なんだか気分にムラがあって辛い

・仕事を始める時と、辞める時の気持ちが全く異なる

そんなことを感じている人たちやその周囲の人に向けて、とある30代の女性で双極性障害を患いながら、仕事とも向き合い続けてきた体験談をお届けします。

 

この方は、実際に7社ほど仕事を転々として、自分に合った働き方を模索しているまさにその最中です。

 

そんな「双極性障害者の働くリアル」を通じて、

「あぁ、だから今まで辛かったのか。」

「病院…行ってみようかな。」

といったことに気づき、感じていただくキッカケにしてもらえればと考えています。

 

双極性障害Ⅱ型と向き合う

私は「双極性障害Ⅱ型」を持つ30代の女性です。

 

そう言わなければ、誰も精神疾患を患っているように思わない、猫と占いが好きなどこにでもいる普通の人間です。

 

…私としては「現在取り扱い注意!!」というタスキを掛けていたいような気持ちの時もありますが。

 

日々、自分の感情と格闘中です。

 

お祭り騒ぎの気分の時は抑えることに必死。

 

落ち込んで落ち込んで…という時は、落ち込むという言葉では言い表せられないほどです。

 

私は今、仕事に就いていますが、今まで7つの職場を転々としてきました。

 

現在の仕事は、ごく普通の「接客・販売」。

 

雇用形態は派遣で、現在の職場の方には自分が「双極性障害」だということを伝えています。

 

なので、今の職場では私が働きやすいよう配慮をしてくださっています。

 

双極性障害のうつ状態で仕事が困難に

私自身が精神科に通院し始めたのは学生の頃。

 

当時はまだ病名も「双極性障害」ではなく「うつ病」でした。

 

通院を続けてやがて寛解状態となり、普通に生活できるようになりました。

 

新しい仕事に就いて、それまで感じることがなかった希死念慮を感じるようになったのが22歳の頃。接客・販売のお仕事に就いていた時です。

 

仕事に就いてすぐ感じたわけではなく、最初その仕事ではとてもやりがいを感じていました。

 

販売ですので、売り上げの目標数値が毎日ありました。

 

それでも毎日楽しく、お客様やスタッフと笑って仕事をしていました。

 

今から考えると、うつへのトリガーは、双極性障害Ⅱ型特有の「軽躁状態」による 「私なら何でもできる!」という自信からくるものだったように思います。

 

「何でもできる!」と思った結果、休みなく働き続け、販売ノルマがあっても「楽勝楽勝♪」と楽々こなしていたように思います。

 

ですが、それは本来の自分ではなく、「何でもできる気でいる私」だったので長くは続かず… およそ2か月でガス欠状態に陥りました。

 

ガス欠前の2か月間は人員が足らないこともあり、月の休みは2日だけといった勤務でしたが、苦ではなかったように思います。

 

しかしガス欠になってからが辛く、一方で人員の補充はできていませんので、辛かろうと何だろうと出勤しなければならない状況でした。

 

ガス欠になった最初の頃は、朝が苦手になりました。

 

元々、朝に強いほうではなかったのですが、軽躁状態の時にはずっと元気だったので(それこそ寝なくてもいいくらい)、朝が辛いなんて思ってなかったのです。

 

それが朝起きられなくなり、出社時間ギリギリに出勤するようになりました。

 

そして、あんなにあったやる気はすっかり形を潜めて、販売員に必要な「笑顔」でいることが苦痛になっていきました。

 

ですが販売ノルマは問答無用で課されますし、お客様も待っています。

 

「休む」という選択肢は私の中にはなく、脳内では

 

「まだやれる」

「まだ頑張れる」

「まだ大丈夫」

 

そんな言葉でごまかしていました。

 

限界が来て、2ヶ月間の休職

ですがそれも長くは保てず…。そして脳内をいつの間にか「死にたい」が埋め尽くすようになりました。

 

常に脳内で「しにたいしにたいしにたい」とタイピングで打ち込んでいるような感覚です。

 

夜もほとんど眠れず、辛いだけの日々になったため、精神科へまた通院するようになりました。感情なんてもうなかったのです

 

お医者さんに「夜も眠れずに、仕事も休めず、笑えないんです」とは伝えられました。けれど「希死念慮」に関しては言えませんでした。

 

「死にたい」なんて言ったらもういろいろと終ってしまう気がして…。今までのすべてを否定して、周囲の人に迷惑がかかる気がして言えませんでした。

 

しかし、気がついたら泣いていたり、ご飯もろくに食べられなくて、寝られない日々にも限界が来ていました。

 

お客様もスタッフも心配するようになって、仕事には行っていましたが、はっきり言って仕事と言えるような仕事は出来ていませんでした。

 

そこで病院に行って、ようやく先生に 「死にたいっていうのが頭から離れないんです」 と伝えました。

 

そうすると先生は、すぐに診断書を書いてくれて 「これを出してすぐに仕事を休みなさい」「休養が必要なんだよ、休みなさい」と諭してくれました。

 

先生が言ってくれたように、すぐ会社に電話をして2ヶ月休職することになりました。

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  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2018年6月10日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。