うつ病を仕事しながら克服できる?3つのポイントを精神保健福祉士が解説
うつ病と仕事を両立することは可能?
うつの方がよく考えがちなのは、「治療と仕事を両方、完璧にやり切ろう」ということです。
たしかに、うつ病の方全員が休職するほどの休養を必要とするわけではない一面もあります。
しかし、うつになる前ほど完璧に仕事をやり切るのは難しい状態になります。
うつのときにも、働くこと仕事をすることはできますが、職場の人の助けを借りることが必要です。
休んだ時にフォローしてもらうことや自分が指示を受ける立場にまわることでグンと働きやすくなります。
うつと仕事の両立。3つのポイントって?
仕事量を減らす
まず、なるべく仕事量を減らすことが大切です。
「勤務として十分な働きをする」ことを意識しましょう。
うつの人はつい仕事を抱えすぎてしまい「辛いくらいの仕事をしないと十分ではない」と感じる方が多いです。
しかし、自分を痛めつけなくても仕事は進みます。必要な量の仕事をこなしていきましょう。
なるべく定時で帰る
うつのときには、残業せずに済むように心がけましょう。
残業が必要になる業務はなるべく他の人と分担できるように体制をとっておくといいと思います。
指示を受けたときに、
「ここまでは、期日までにできますが、この先は他の人にお願いしたいです。」
というように、できる部分とできない部分を伝えると、相手が仕事の分配を考えられるのでよいと思います。
休んだ時に引き継げるようにしておく
朝、起き上がれないほどつらい、出勤することができないということもあるでしょう。
あらかじめ、仕事の進捗状況や今後の予定をパソコンのデスクトップなどに保存しておき、他の人が確認できるようにしておきましょう。
他の人に任せる用意をしておくと、自分自身でも「必ず自分がやらなくてもいいんだ。」と仕事を客観的に見ることができ、四六時中仕事のことを考えなくて済みます。
有給休暇をとる
半年以上、仕事を続けている方であれば有給休暇があると思います。
体を休める日として、有給休暇を積極的に利用しましょう。
「用事もないのに有給をとるなんて気が引ける。」と思うかもしれませんが、有給はどんな理由でも自由にとることができるものです。
計画的に休暇をとれば、急に休んでしまうより効率的です。
うつと仕事を両立するポイントは、自分を省エネモードにして働くことです。
省エネモードとはさぼったり、怠けたりすることではありません。エネルギーをあまり使わずに、やるべきことを行うことです。
さいごに
うつの人はもともと、仕事に対して100パーセントの完成度を求める傾向にあります。
うつと仕事を両立するということは、治療100パーセント、仕事100パーセントに力を割こうとすることではありません。
これまでより、仕事の比重を少し下げて「悪くはない」くらいにとどめることが必要です。
100パーセント完成していなくても、仕事としては十分というクオリティで納得していきましょう。
その余裕が、うつからの回復を促すのです。
- 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
- 本記事は2018年8月1日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。