うつで仕事のミスを連発…ミスの特徴と3つの対処法を精神保健福祉士が解説

2018.07.19公開 2018.08.07更新
 
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取引先との電話内容を覚えていない…、何度確認しても書類にミスがある…。

 

そんなミスが続いていませんか?

 

うつの症状によって、今まで起こらなかったようなミスが起きることがあります。

 

「どうしてこんなこともできないのだろう?」と自分を責めてしまいそうになりますが、それは症状のひとつです。

 

今回のコラムでは、うつによる仕事のミスについて解説していきます。

 

 

あり得ないミスの連発は何のサイン?

仕事をするうえで、作業の確認は必須ですよね。今まではちょっと気を付けるだけで気づいたミスにどうして気づかなくなってしまうのでしょうか。

 

うつの症状には「思考停止」というものがあります。

 

神経伝達物質であるセロトニンが減少し、脳が情報を処理できなくなる状態です。

 

例としてよく聞くのが、字を読めなくなってしまったというものです。

 

文字がわからなくなってしまうのではなく、文章をとらえるのに時間がかかり、内容がわからなくなってしまうのです。

 

その他にも集中力や記憶力が低下し、指示されたことがわからなかったり、それをどうやって遂行するのか考えられなくなってしまったりします。

 

ミスの連発は、脳の処理能力が低下しているサインなのです。

 

その他にも不眠や不安などの症状によって、いつもはできていたことができなくなってしまうことがあります。

 

 

うつが引き起こすミスの特徴とは?

脳の処理能力が低下することによって、起きるのはどんなことでしょうか?

 

 

数字の入力を間違えてしまう。簡単な計算ができない

先ほど、文字が読めなくなってしまうという例を挙げましたが、数字のほうが結果が顕著です。

 

数字は文字と違って単語や文脈という他のヒントがないので、間違いに気づきにくく、正しい答えを思い出すことも難しくなります。

 

 

予定通りに仕事が終わらない

仕事をしていくためには、ひとつひとつの業務にどのくらい時間がかかるか考えて業務終了までのスケジュールを組むことが必要です。

 

うつのときにはひとつの業務にかかる時間が大幅に増えてしまうため、何がいつ終わるのかわからず、予定が見えなくなってしまいます。

 

 

指示されたことを忘れてしまう

脳が処理できる情報が少なくなってしまうので、記憶力の低下が起こります。

 

指示されたことを忘れてしまうだけでなく、指示された覚えがなくなってしまうこともあります。

 

すると、「指示を受けていないことの失敗を責められる。」という気持ちになることも増えるため、わけもなく怒られたように感じたり、指示を受けた自分が自分でないように感じたり、不安が大きくなっていきます。

 

 

うつでのミスの対処法とは?

では、ミスが起きないようにするにはどうすればいいでしょうか。

 

 

確認作業を他の人に担当してもらう(ダブルチェックを行う)

時間がかかっても、仕事の第一段階は自分でできることがあります。困難になるのはその確認作業です。作業内容のダブルチェックを行う意味でも、自分以外の人にも内容を確認してもらいましょう。

 

 

負担の多い作業は午後にまわす

うつ症状には日内変動があります。

 

午前中は集中力がきれやすいですが、午後は比較的できることが増えます。

 

頭がぼーっとして仕事がはかどらないときは、ファイリングや備品の整理などを行い、集中力が増す午後に仕事をまわしましょう。

 

 

休憩をとって頭を休める

眠気がひどかったりどうしても集中できなかったりするときは、休憩をとりましょう。頭を休めることが必要です。

 

 

ミスの対処に周囲の協力が必須

うつ症状によって起きるミスを自分で解決するには限界があります。

 

「自分の仕事を他の人に確認してもらうなんてできない」

「仕事中に休憩なんてとれない」

 

という方もいらっしゃるかもしれません。

 

しかし、うつから起こるミスは「自分さえがんばればなんとかなる」ものではありません。

 

できるだけ、周囲に協力を求めましょう。上司に相談し、負担を減らしてもらうことも必要です。

 

 

そもそも仕事が合っていない場合は?

基本的には「うつだから合わない仕事」はありません。

 

どちらかといえば、働きやすい環境にできるかどうかがポイントです。

 

人が足りず、ひとりが完璧に仕事をこなさなければまわらない状況やフォローを頼みにくい場合など、職場によって環境は異なります。

 

うつであってもそれ以外であっても「誰かがいないときにフォローに入れる体制」を作ることが必要なのです。

 

職場全体でそのような動きをとれなかったり、ひとりの負担が重すぎたりする場合は、仕事や職場が合っていないといえるでしょう。

 

 

さいごに

精神的な疾患以外にも仕事の負担を減らさなければならないことはたくさんあります。

 

インフルエンザ、出産、育児など、どれも仕事と生活のバランスを取りながら働かなければならないものです。

 

「自分ができる労働を提供する」という前提を忘れず、そのときできる仕事について職場と交渉しましょう。

 

もちろん、休養も大切です。

 

自分を仕事によって追い詰めないようにしていきましょう。

 

>>【まとめ】うつ病と仕事…精神保健福祉士コラム・お悩みQ&A【随時更新】

 

Photo_18-04-19-19-40-29.093菊池恵未 精神保健福祉士

精神保健福祉士として、都内NPOにて精神障害者の支援を行う。就労支援担当として面接同行や就職後の業務メニュー作成などをしてきた。障害年金や生活保護受給の相談にものっている。JCTA日本臨床化粧療法士協会認定のもと臨床化粧アドバイザーとしてメイクアッププログラムを実施予定。

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