うつで退職…手続き・辞め方・退職届の書き方は?精神保健福祉士が解説

2018.09.21公開 2018.10.24更新
 

うつで体調を崩してしまい、仕事の辞め方について色々と迷っていませんか?

 

入社するときから、退職することを考えている方は少ないと思います。

 

そこで今回は、うつで退職を考えている方に、退職時の手続きや辞め方について解説していきます。

 

【関連まとめ】

>>【うつと退職】治療・お金・退職の手続き・再就職【精神保健福祉士解説まとめ】

 

うつで退職、スムーズな辞め方って?

うつが理由で退職するとき、スムーズな辞め方とはどういうものでしょうか?

 

退職は、基本的には希望の1ヵ月前までに退職の意思を伝えることとされています。

 

会社としては、引き継ぎや次の担当を決定しなければならず、時間的な余裕が必要なためです。

 

実際には退職の意思固まったら、まず上司にその旨を伝えるのがよいと思います。

 

時期についてはそこから相談し、業務に支障がなければ手続きを終え次第、退職することができます。

 

「うつになることなんて、前もって分かるわけじゃない」

「1ヵ月も退職を待てない」

 

という方もいるかと思います。

 

そのときに必要なのが「診断書」です。

 

うつによって、すぐにでも休息が必要な場合、主治医から休職するようにすすめられます。いわゆるドクターストップです。

 

仕事をすぐ辞めるべきなのか、休職の申請をすべきなのか、引き継ぎ期間の猶予があるのか、医師に判断を仰ぎましょう。

 

 

上司への切り出し方は?

上司に伝えるには、前もって時間を取ってもらいましょう。

 

勤務時間内がよいのか、時間外がよいのか迷う方もいらっしゃると思いますが、仕事の管理は上司の業務ですので、時間内にしたほうがよいと思います。

 

確保してもらった時間の中で、退職の意思と時期の相談をします。

 

退職しようかどうか迷っている、負担の少ない業務ならば続けたいという気持ちがあれば、そのことをきちんと打診しましょう。

 

うつでの退職が自己都合となるか会社都合となるかはそれが分かれ道となります。

 

 

自己都合?会社都合?

「現在の業務が続けられそうにないから、辞めよう。」とご自身で判断している場合、退職を決めたのは自分のため、自己都合退職となります。

 

「配置換えをしてもらえれば勤務を続けられる」

「休職すれば復帰できるかもしれない」

 

と伝えたうえで、会社から退職勧奨を受けた場合は「会社都合にしていだたくことはできますか?」と確認することが大切です。

 

企業は、従業員が病気であることを理由に解雇することはできません。

 

仕事を続ける意思を伝えているにも関わらず、退職を促すということは「会社の都合」が背景にあるといえます。

 

「うつになって、業務を続けられなくなったのは自分なのだから…」と考えがちですが、その業務を作っているのは会社なので、勤務の仕方や業務範囲は交渉の余地があります。

 

 

うつで退職…退職届の書き方は?

退職届を提出する理由は、

①退職の意思

②自己都合か会社都合か

③退職日

の3点を書面に残しておくためです。

 

一般的に、退職届に退職理由の詳細を記載する必要はありません。

 

「一身上の都合により退職したい」旨を記載すればそれでOKです。

 

退職届に診断書を添付したり、詳細を記載したりするのは労災の申請や会社都合の退職であることを形で残したいときに限られます。

 

書式は縦書きで、退職日と届出日を記入してあれば細かい取り決めはありません。

 

インターネットで検索するとたくさん例文が出てくるので参考にされるとよいと思います。

 

会社都合であることを明記したいときには「貴社、退職勧奨に伴い退職することとしました。」と事由を記載しましょう。

 

自己都合か会社都合かを明記しておくことで、失業保険の給付期間が変わるので、会社への確認とともに退職届のコピーを取っておくと安心です。

 

前もって、退職の意思を伝えていれば郵送でも構いませんが、実際には勤務期間に届を出すことになるので上司に直接渡すことが多いです。

 

近年はメールで提出することができる企業もあるかもしれませんが、押印してある書式が一般的なため、手書きか用紙に印刷したほうが無難といえるでしょう。

 

 

うつで退職後の手続きは?

国民年金、国民健康保険

うつで退職後、すぐに必要なのが厚生年金から国民年金への切り替えと国民健康保険の手続きです。

 

企業で働いているときには、給与から厚生年金が引かれています(週20時間以上勤務していた場合)が、退職後は国民年金に加入し保険料を納付する必要があります。

 

お住いの市区町村役場で切り替え手続きをしましょう。

 

 

国民年金保険料が免除に?

うつで退職された場合、しばらくは無職の状態になる方が多いと思うので、国民年金保険料が免除になります。

 

免除のための手続きをとれば、実際に保険料の負担がなくても、加入期間に算定されるので必ず手続きを行ってください。

 

保険料の「未納」ではなく「免除」の状態にあることで、免除期間にケガや病気になった際にも障害年金を受け取ることができます。

 

健康保険もこれまで加入していたものから国民健康保険に切り替える必要があるので、市区町村役場で退職から14日以内に手続きするようにしましょう。

 

 

傷病手当金の申請は?

主治医から就労不可の診断が出ている場合、退職前3日以上出勤していなければ傷病手当金を申請することができます。

 

「病気により、3日以上連続で働くことができなかった」という点がポイントになるので、有給消化でも欠勤でも構いません。傷病手当は最長で1年6カ月間受給することができます。

 

【参考記事】

>>傷病手当金の申請期間・書き方・金額・申請先を精神保健福祉士が解説

>>【傷病手当金】退職後の申請・任意継続の手続きを精神保健福祉士が解説

 

 

失業手当の受け取りは?

傷病手当の受給終了後、または退職後から失業手当を受け取ることができます。

 

失業保険の有効期間は通常1年以内です。

 

しかし、傷病手当を受け取っている期間などは、4年間まで受給期間の延長申請を行うことができます。

 

これらの手続きはハローワークで、退職後1か月以内に行うようにしましょう。

 

会社から発行される「離職票」をハローワークにすると、失業手当の受給説明会について案内があります。

 

 

その他、障害者手帳の取得など

更に、税金の免除や携帯電話基本料金の割引など、優遇措置や支援をうけるために精神障害者保健福祉手帳の取得を検討してみてもいいかもしれません。

 

これは、お住いの市区町村の保健所で手続きをすることができます。

 

主治医の診断書が必要になるので、手帳取得についてまずは医師に相談してみてください。

 

 

さいごに

うつで仕事に行けなくなってしまったあと、退職を決めるまでには誰に相談したらいいのかわからないと思います。

 

もしも「もうどうにもならない、辞めるしかない」と感じたならば、病気にかかっていることや勤務が難しくなってきていることを会社に相談してみましょう。

 

産業医との面談や復職サポートが会社の制度であるかもしれません。

 

辞職の決意が揺るがないときは、解説してきた制度を活用して、お金や再就職の心配を少なくするとよいと思います。

 

>>【うつと退職】治療・お金・退職の手続き・再就職【精神保健福祉士解説まとめ】

菊池恵未

精神保健福祉士

精神保健福祉士として、都内NPOにて精神障害者の支援を行う。就労支援担当として面接同行や就職後の業務メニュー作成などをしてきた。障害年金や生活保護受給の相談にものっている。JCTA日本臨床化粧療法士協会認定のもと臨床化粧アドバイザーとしてメイクアッププログラムを実施中。

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