うつ病で職場復帰した同僚…接し方の3つの実践&声掛け例とは?臨床心理士が解説

2018.10.16公開 2018.10.30更新
 

現代病の一つであるとも言われている「うつ病」。職場の仲間がうつ病で休職中…といった状況も、めずらしいものではなくなりました。

 

それと同時に、復職してくる同僚への接し方に迷う人も多くおられます。

 

そこで今回は、うつ病で休職していた同僚が復職する場面に焦点をあて、その接し方について考えてみたいと思います。

 

【関連記事】

>>【うつ病・接し方】職場での意外な8つの禁句とは?臨床心理士が解説

>>うつ病の部下への接し方…部下のSOS・NG対応・3つの心構えとは?

>>【うつ病の接し方】恋人や友人へのメール…3つの注意点とは?

>>うつ病の接し方として「ほっとく」はアリ?OK・NGケースを解説

>>なぜ適応障害は甘えと思われるのか?適応障害を経験した看護師が解説

 

うつ病で職場復帰する同僚の心理とは?

まず、仕事に復帰する本人は、どんな思いを感じながら職場にやってくるのでしょうか。

 

同僚の気持ちに目を向けてみることで、接し方のヒントが見えてきます。

 

不安や緊張を抱えている

復職の初期ほど、職場・仕事に対する不安や緊張感は高まりやすいものです。

 

「きちんと仕事が出来るだろうか」

「職場の仲間は以前と変わらず受け入れてくれるだろうか」

 

といった具体的な不安・緊張を感じる人もいれば、

 

「なんだか分からないけど不安になる(緊張する)」

 

と、漠然とした気持ちを訴える人もいます。

 

また、人によってはうつ病の再発への不安とも付き合っていくこととなります。

 

周囲の反応を気にしている

自身がうつ病になってしまったことや休職してしまったことについて、周囲がどのように感じているかが気になりがちです。

 

「休職したことを良く思われていないのでは」

「仕事をさぼっていたと思われていたらどうしよう」

 

といった具合に、自分に関するネガティブな評価を恐れて委縮してしまうケースもあります。

 

早く以前と同じように…という焦り

「ゆっくり休んでいたのだから」

「ただでさえ仕事に穴をあけたのだから」

 

と、休職する以前のような働きぶりをはやく取り返そうとする人も多く見受けられます。

 

中には、それで無理をしてしまうことも。真面目な人や仕事熱心な人ほど、仕事を進めることへの思いや焦りが強くなってしまうようです。

 

 

職場復帰する同僚が求めていることとは?

人によって職場や仕事に求めることは様々ですが、あえて共通点を挙げるとするならば「安全に働き続けられること」ではないかと思います。

 

職場復帰を果たした以降は、「うつが再発してしまったらどうしよう」という不安とも付き合っていくことになります。

 

そんな中で、周囲の人がうつ病について理解してくれたり再発しても受け入れてくれたりすること。

 

つまり、どんな時も致命的なピンチに陥らない「安全な環境」があれば、その人は安心して働き続けることが出来ます。

 

安全な環境を作っていくためには、休職や復帰に関する制度を整えるだけでなく、職場の構成員の一人ひとりがうつ病に対する理解を深め、復職するその人を支える心構えを作っておくことが大切です。

 

 

円滑な職場復帰のための3つの接し方

休職期間を終えた同僚がスムーズに職場復帰できるよう、ここでは実際的な接し方について一緒に考えていきましょう。

 

少しの心掛けが、同僚の力になるかもしれません。

 

「特別扱い」しすぎない

復職してきた同僚に接する上で、知っておくと役立つポイントはいくつかあります。

 

しかし基本的には、「うつ病になったから」「休職していたから」と言って必要以上に気をつかうことはありません。

 

よほどでない限りは、それまでと同じような普段通りの接し方を続けてもらうと良いかと思います。

 

休職以前と同様に接されることは、「これまでと同じように、仲間として受け入れてもらえるのだ」という安心感をもたらすことに繋がります。

 

励ましの言葉は慎重に

復職を果たした本人にとって、職場の仲間と以前と同じように働けることは喜ばしいことです。

 

その一方で、復職直後はまだ心も体もパワー全開とはいきません。

 

「今月は絶対〇〇万円売り上げよう」

「これまで以上に頑張ろう」

 

というような、過度な期待や励ましは当人にとって負担となることがあります。

 

「また一緒に仕事が出来て嬉しい」

「自分のペースを守ってね」

 

といった具合に、その人を尊重したり存在を認めたりするようなあたたかい言葉かけが大切です。

 

心配なことは「具体的に」「答えやすいように」たずねる

うつ病の患者さんの中には、つらいことや苦しい気持ちを一人で抱え込んでしまう人が多くいます。

 

個人的な話をするのが苦手だったり、しんどくて話す気力が湧いてこなかったりすることがあるためです。

 

そんな人にとって、「最近どう?」「大丈夫?」といった漠然とした質問は答えにくいもの。

 

同僚について気にかかることや心配なことがある時は、

 

「仕事量は多くない?」

「顔色がさえないけど体調は平気?」

「何かしんどく感じていることはない?」

 

というように、質問範囲を限定してあげると良いでしょう。

 

質問内容が限定されることで、相手も具体的な話をしやすくなるものと思います。

 

 

さいごに

復職してくる本人は、仕事に復帰できる喜びと同じくらい不安な気持ちも抱えているものです。

 

接し方に迷いが生じるのは当然ですが、「うつ病だから」「休職していたから」と構えすぎることはありません。

 

その人の不安な気持ちを理解しよう…という「ひと対ひと」の気持ちを忘れずにいていただければ、それだけで本人にとって心強いサポートになることと思います。

 

スムーズな職場復帰がかなうよう、応援しています。

 

【関連記事】

>>なぜ適応障害は甘えと思われるのか?適応障害を経験した看護師が解説

>>【うつ病・接し方】職場での意外な8つの禁句とは?臨床心理士が解説

>>うつ病の部下への接し方…部下のSOS・NG対応・3つの心構えとは?

>>【うつ病の接し方】恋人や友人へのメール…3つの注意点とは?

>>うつ病の接し方として「ほっとく」はアリ?OK・NGケースを解説

鈴木さやか

臨床心理士

心理系大学院修士課程を修了後、臨床心理士資格を取得。福祉分野のケースワーカーとして従事したのち、公的機関でテスター兼カウンセラーとして勤務。子どもの問題(不登校、非行、発達障害等)や労働、夫婦問題をはじめ、勤労者、主婦、学生など幅広い立場への支援を行っている。

記事をシェア
記事をツイート
記事をブックマーク
  • 本コンテンツは、メンタルヘルスに関する知識を得るためのものであり、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題について責任を負うものではありません。
  • ユーザーの皆様へ:ご自身のお悩みについて相談したい方は、こちらからご登録をお願いします。
  • 専門家の皆様へ:コンテンツついて誤りや誤解を招く表現がございましたら、こちらよりご連絡ください

関連記事