大切なことは「自分が病気であることを受け入れることができるか」
【書いてくれた人】
年代:30代
性別:女性
発達障害・ADD・双極性障害・不眠症・摂食障害・パニック障害など
就職をする際の健康状態として通院中だったり、服薬中であることを隠して入社すると、後から解雇されるのではないかと思われている方が非常に多いです。
「仕事に支障がない体調」であれば、基本的に就労することが可能です。
誰でも、仕事を続けていく中で、体調を壊して休んだり、通院のために半休をとったりします。
しかし、それが著しく業務に支障をきたすようであれば、問題になる可能性が高くなります。
まずは、自分の体調や回復具合がどの程度か知ることが必要です。
その上で、事前に伝えないと働けないのか、他の社員と同じように通常業務ができるのかを判断し、オープンにするかクローズにするかが大切になってきます。
就職時にオープンにするメリットは?
では、オープンにした場合のメリットをご紹介します。
・周りのサポートを受けられる可能性がある
・通院などに配慮がもらえる可能性がある
・病気がバレるのではないかというプレッシャーから解放される
上記の点が一般的にメリットとされる点です。
1番は気持ちが楽になるという点が大きいのではないでしょうか。
ストレスが少なければ回復も早く、職場にも打ち解けやすくなります。
周りからの理解やサポートがあれば、仕事の能率も上がり、長く勤められるきっかけになるかもしれません。
オープンにしてうまくいっている、もっと早くオープンにしておけばよかったという意見は多くあります。
それは、自分の状態と職場環境がフィットした成功例とも言えるでしょう。
病気がバレるのではないかと日々不安に過ごすことがストレスに感じる場合、オープンにした方が良いでしょう。
ストレスに負けて、同僚や仲の良い社員に「ぽろっと話してしまう」ことはトラブルにつながります。
それが上司の耳に入るとあまりいい印象は受けません。
オープンにする時は、就職時にきちんと話をするようにしましょう。
就職時にオープンにするデメリットは?
一方、オープンにした際のデメリットもご紹介します。
・全て「可能性がある」というだけでうまくいく保証はない
・望む仕事ができない、賃金が安くなることがある
・人事、総務が理解しても現場が理解しているとは限らない
わかってもらえる、配慮してもらえる、というのは会社の体制によって大きく異なり、確約ではありません。
もし、心配な場合は面接でどのような具体的なサポートを受けられるか、確認しておくと良いでしょう。
また、具体的な時短や軽作業などのサポートがある場合は、給料が少ない、出世や部署配置などで望むようなキャリアが築けないことがあります。
このようなことは、面接やヒアリングであらかじめわかるので、入りたい会社や興味のある仕事であれば、納得の上で入社しても全く問題がありません。
ぜひ積極的にチャレンジしてみましょう。
就職の際は、面接に人事や総務、募集部署の上司などの方とお話しすることがほとんどです。
その際に理解を示されても、現場のスタッフが理解していないと、期待していた働き方は難しくなります。
ここで知っていていただきたいのは、ほとんどのケースで相手方に「悪気はない」ということです。
忙しくて仕事を多く頼まれることはよくあることです。
同僚や先輩からすれば、多忙な時に休んでいる…早退する…悪気はないけど「まったくもう!」と言ってしまうものです。
新入社員が入ってきた時、最初は様子を見ながらフォローしていても、慣れてきたら「もっと仕事して!」「早くして!」などと思ってしまった経験ありませんか?
そうは言っても、一方で、陰口を叩いたり、理解せず冷たく当たる人もたまにいます。
オープンにすると、このような人間関係を目の当たりにすることになる可能性もあります。
総務や上司から許可を取って休んでも、「申し訳ないな」「また、何か言われるかな」と気をもむことが多くなるものです。
要は、人間関係がちょっとだけ面倒になります。
しかし、理解者や味方は必ずいるので上手に立ち回りましょう。
オープンかクローズか決めるために
オープンかクローズかを決めるにあたり、1つ大切なことがあります。
「自分が病気であることを受け入れることができるか」という点です。
オープンにすると、良くも悪くも「心の病気の人」という扱いを受けます。
治療を頑張り、回復に向かっている中での就職や転職は想像以上に気力と体力が必要です。
自分では「よし、頑張るぞ!」という心持ちの時に「あなたは病気だから」と周りに言われることをどう感じるか…受け入れることができるか…
一度立ち止まって考えてみましょう。
もし、整理がつかなければ、主治医やカウンセラー、家族の方に相談をしてから決めることをお勧めします。
クローズにして自分の心を守るということも大切です。
これからの回復にあたり、自分を守るのは自分自身です。
回復し、良い方向に向かうことのできる環境を重視していきましょう。
- 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
- 本記事は2018年10月21日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。