双極性障害では仕事が続かない?正社員7年目のホントのトコロ【松浦秀俊さん】

2018.04.02公開 2020.05.19更新

「なんか、急にやる気が湧いてきたっ!」

 

もし、職場でこんな状態になった時、皆さんならどんな考えや気持ちになりますか?

 

多くの方が、「よし、仕事にチカラを注ぐぞ!」と考えたり、嬉しい気持ちになったりするのではないかと思います。

 

8年前までの私もそうでした。でも今の私なら、

 

「これはマズい。どうやって、やる気を抑制していこうかな。。」

 

と、モチベーションをセーブすることを真っ先に考えます。

 

いや、考えねばならないのです。

 

こんな発想になるのは、私の病名が双極性障害(躁うつ病)のⅡ型だからです。

 

双極性障害Ⅱ型の当事者として

双極性障害とは、「誰にでもある気分の浮き沈みを越えた、自分ではコントロールできないほどの『躁状態』と『うつ状態』を繰り返す病気」です。

 

双極性障害は症状が治まって1年以内の再発率は50%、5年以内だと80%以上という報告もあります。

 

明確な原因はわかっていませんが、脳内の神経伝達物質のバランスが崩れて起こると言われています。

 

また、生涯有病率は日本では0.7%※1.ほどで、なりやすさの男女差はないと言われています。

 

私の場合、I型(周囲がほっとけない程の激しい気分の上昇が特徴)ではなく、「あの人、いつもとちょっと違うな」というのが特徴のII型で、周囲も本人も、とても気付きにくいものです。

 

これを気質や性格と考えてそのままにするか、病気と捉えて治療や対処するかで、その後の人生が大きく変わってきます。

 

私は気質と考え…というより、気分の上がった状態を自分のベストの状態と捉え、双極性障害によって人生を翻弄されてきました。

 

 

支援職と広報を兼任して7年目

双極性障害II型は、上記のように、軽躁とうつを繰り返すものです。

 

ちなみに、「繰り返す」を厳密に説明すると、常に軽躁(躁)の後にうつが来るといった交互とは限らず、人によって出方は異なります。

 

私の場合は、ここ2年は長さは違えど、軽躁とうつが交互ですが、それ以前はランダムな時期もありました。

 

双極性障害と付き合いながら、私は今の会社リヴァでは支援職をしており、広報を兼任して7年目の正社員です。

 

 

現在勤めているリヴァについて

ここでリヴァの説明を少しさせてください。

 

リヴァは、

 

「うつ・躁うつなどで、会社を休職・離職している人を対象とした通所型の社会復帰支援施設の運営」

 

を行っており、サービス開始が2011年。

 

私はリヴァ代表である伊藤さんの前職部下という縁もあり、リヴァの利用者第1号になりました。

 

その後、「ピアサポーター(当事者経験のある支援員)」として入社。経験のあった広報も兼任する形で勤続7年目になります。

 

広報担当でもある私は、双極性障害の当事者として、病気があっても働けるということを広く発信したいという想いから、2012年より実名顔出しで取材にこたえるなど、双極性障害に関する発信をしています。

 

そして現在、仕事以外でも、双極性障害に関する情報をTwitternoteで発信。さらには、「双極性障害×はたらく」をテーマに月1回の語り場「双極トーク」を企画運営しています。

 

 

「双極性障害」と「働く」

仕事内外含めると、7年で200人以上の双極性障害の方々と直接お会いし、双極性障害に関して対話をしてきました。

 

その方々の話を聞くと、口を揃えて言われるのは「双極性障害と付き合いながら会社員として仕事をし続ける難しさ」です。

 

何を隠そう、私自身も、気分の上がりである軽躁で転職し、うつで休職、離職。そしてまた、軽躁になったら転職…

 

と、特に20代は紆余曲折あり、今の仕事は双極性障害と付き合いながら、やっと7年目になります。

 

私が他の双極性障害の方より偉いわけでも何でもないですが、

 

「双極の当事者であり、企業に7年勤めた私の経験が、何かヒントになる人がいるなら、私は包み隠さず自分のことを伝えたい」

 

と考えています。

 

そんな想いから、私の双極性障害歴14年を綴った「双極性障害勤めびと。たどり着いた自分らしい働き方」を2017年12月にnoteで作成。

 

ニッチなテーマながらも、3ヶ月で1万PVを突破し、少なからぬ関心を感じました。

 

 

連載にあたって

今回、以前インタビューや対談企画をさせて頂いたリミーさんと話をし、より多くの方の目の付く場所で、「双極性障害と仕事」をテーマに伝えられたらと私の想いを伝え、この連載が実現しました(リミー代表の近藤さんに感謝です)。

 

この連載は、双極性障害の当事者の方やその疑いがある方はもちろん、「関係ないなぁ」と思っている方にも知識として知っておいて頂きたいと考えています。

 

双極性障害を知って職場や社会を見渡せば、「もしかしたらあの人そうかも?」と思われる方も多いのではと思います。

 

また、誰がいつ発症するかもわからない病気でもあります。

 

自分への対処、また当事者の方への関わり方の知識として、知っていて損はない話かと思います。

 

私、松浦が経験した具体的な事例を出来るだけ多く交えながら、とは言え、堅苦しくない、ゆるりとお読みいただける連載を目指しますので、どうぞよろしくおねがいします。

 

 

P.S.

私自身、双極性障害のため、気分の上がり下がりにより、記事のボリュームの増減が顕著になる場合があります。

 

これも双極性障害の症状の現れかな?と思ってお読みください。

 

その回ごとに、「今日の気分は●●です」と言ってから始めると、斬新で面白いかなと考えてます。

 

ちなみに、この自己紹介を書いている私の気分は、少し軽躁です。アイディアが自然と出てきますね 笑。

 

※1.引用:厚生労働省 みんなのメンタルヘルス総合サイト

 

松浦秀俊さんの連載一覧

【Part  1】双極性障害では仕事が続かない?正社員7年目のホントのトコロ

【Part  2】双極性障害の私が実践する仕事上の工夫と注意サインとは?

【Part  3】双極性障害での仕事探し!大切にしたい5つのこととは?

【Part  4】躁(軽躁)でもうつでもない平常時の自分なりの定義と働き方

【Part  5】仕事上、双極性障害で辛い2つのことと私なりの対処方法

【Part  6】双極性障害で職場復帰までの工夫、嬉しかった職場での接し方とは?

【Part  7】妻からみた双極性障害の夫。出会い・結婚・子育て・家族としての工夫や悩み

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松浦秀俊

公認心理師・精神保健福祉士・産業カウンセラー。うつ病などの方の復職・再就職支援「リヴァトレ」の支援員・広報。双極性障害II型の当事者。現在の職場では勤続7年目(休職0回)。@bipolar_peer

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2018年4月2日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。