WRAP(元気回復行動プラン)の5つの要素とは?やり方を7ステップで精神保健福祉士が解説

2018.11.18公開 2019.05.16更新

みなさんは、生活の中でどのような健康管理をされていますか?

 

自分自身でメンタルケアをするのはなかなか難しいですよね。

 

今回は、アメリカで当事者の方がはじめた「WRAP(ラップ)」という方法をご紹介します。

 

体調管理にも、自分の体調が判断できなくなったときにも意思を反映させられる方法です。

 

WRAPとは?

WRAP(元気回復行動プラン)は1997年に考案されました。

 

アメリカの精神障害当事者、メアリーエレン・コープランドさんが、精神症状から回復した120名の方を対象にした調査をもとにしています。

 

強い不安や抑うつ症状のある人は、一生それを抱えて生きていかなければならないとされてきました。

 

今でもそのような面はあります。

 

メアリーエレン・コープランドさんの調査では、精神症状から回復し元気に過ごし続けるためには、簡単で健全な方法がいくつもあることがわかったのです。

 

それらの方法を生活の中で活かすにはどうすればいいのか、編み出された方法がWRAPです。

 

WRAPに必要な5つの要素

WRAPには大切な5つの要素があります。

 

①希望の感覚

苦しい状況に陥ったときも、そこから回復する可能性を感じられることを「希望の感覚」と呼びます。

 

②自分が主体になること

自分の人生を自分で選択することです。

 

精神障害に限らず、なかなか自分のことを自分で決めることは難しいものです。

 

自分が苦しい状況の時にどんな対応を求めるか、自分で選びその責任をもつということがここでは大切です。

 

③学び

自分が元気でいるためには何が必要なのか、どんな選択肢があるのか学びを深める必要がります。

 

自分が望む生活に対して、選択の幅を広げるためです。

 

④自分のために権利擁護をする

日本では、「人権」や「権利擁護」というテーマはあまり馴染みがないかもしれません。

 

しかし、自分自身を大切に守っていくということは必要です。

 

自分が主体となり必要な選択肢を学んだ上で、現状では叶えられない方法もあるかもしれません。

 

そこで諦めずに、望む生活を声に出していくことが大切だとWRAPでは捉えられています。

 

⑤サポート

サポートとは、誰かから得るだけのものではありません。

 

自らも誰かのサポーターになり、お互いに助け合っていく関係を育むことはとても健康的です。

 

概要や要素は、理解するのが難しい点もあります。

 

取り組みながら、徐々に「ああ、こういうことだったのか」と納得できるといいですね。

 

シェア
ツイート
ブックマーク

菊池恵未

精神保健福祉士

精神保健福祉士として、都内NPOにて精神障害者の支援を行う。就労支援担当として面接同行や就職後の業務メニュー作成などをしてきた。障害年金や生活保護受給の相談にものっている。JCTA日本臨床化粧療法士協会認定のもと臨床化粧療法士®として隔月でメイクアッププログラムを実施中。

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2018年11月18日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。