自己開示できない原因は?効果・方法・メリットを臨床心理士が解説
残業、プレゼン、ノルマ…。例えば、職場において感じるストレスの原因は様々なものがあります。
その中でも、多くの方が「最もストレスである」と感じていることは「人間関係」であると言われています。
「初対面の人と話すのが苦手…」
「目上の人と二人きりになると、緊張して何も話せなくなってしまう…」
など、もともと対人関係が苦手な方にとっては更にストレスになってしまいますよね。
そこで今回は、心理学において、コミュニケーションを深めていく際に、とても重要であると考えられている概念である「自己開示」についてご紹介します。
自己開示とは?
自己開示とは、
「自己に関連する新奇な、通常はプライベートな情報を、他者に正しく、誠実に、意図的に伝達する言語行動」
(Fisher,1984,Journar for the theory of social behavior)
であると定義されています。
つまり、自分のプライベートな話について、嘘をつかず、正直に相手の方にお話をすること、と言いかえることができます。
自己開示をすることによって、自己開示をした本人は感情表出をし、自分の行動や感情に自信を持つことができます。
また、自己開示を受けた相手は、自己開示をした人に対して、信頼や好意を感じ、自分自身も自己開示を行おうとします。
自己開示の具体例
例えばAさんが、
「この間、会社で上司に怒られてしまい、ちょっとへこんでるんだよね」
と話したとします。これは、自分のプライベートな情報を伝えている自己開示であると言えます。
この自己開示によって、Aさんは「自分は傷ついている」という感情表出をしているので、会話によるストレス発散が期待できます。
また、きっとこの会話の相手のBさんは、
「あー、あの人、私にも前にこんなこと言ってきたよ。ちょっと怒りっぽいよね」
と返してくれるかもしれません。これによりAさんが
「こんなに傷つくのは自分だけじゃないんだな」
と、自分の感情に自信を持つことができます。
また、自己開示を受けた相手(Bさん)は、
「Aさんはこんなプライーベとなことを話してくれて、私のことを信頼してくれているんだな」
と相手への好意を感じます。
人間は相手の行動に対して「お返しをする」傾向にあるため、「自己開示」によってお返しをしようとします。
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以上のように、自己開示をすることによって「自己開示した人」と「自己開示を受けた人」には心理的な“動き”が生じます。
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- 本記事は2018年11月26日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。