職場での自殺を発見した友人のPTSDが心配…どうすればいい?

加藤たかこ

回答者
加藤たかこ
臨床心理士

ご質問

友人の職場で自殺者が出ました。しかも友人が発見し、慌てて119番通報したみたいです。

 

友人の気持ちを考えると涙が溢れて来ます。(今回はご遺族の方の気持ちは置いておきます)

 

私は何をどうすればいいでしょうか。

 

今後、友人が精神的にやられてしまうのではないか、自分を追い詰めてしまうのではないか、PTSDになってしまうのではないか。

 

友人の方が辛いはずなのに不安で仕方ありません。

 

私がこんな気持ちでいいんでしょうか。

 

私は友人のために何ができるのでしょうか。

回答

初めまして。投稿頂き、ありがとうございました。

 

ご相談を拝見致しました。

 

さて、ご友人の方は仕事場において、辛い体験をされたのですね。

 

ご友人のことを第一に考え、ご友人のためにやってあげられることを探したいという投稿者様は、とてもご友人思いの方なのですね。

 

今回のご相談の内容は、投稿者様がご友人のために何ができるか?ということですね。

 

ぜひ一緒に考えさせて頂ければと思います。

 

これは1つの一般的な情報なのですが、PTSDはトラウマティックなイベントを直接体験した方だけがなるというものでは、ありません。

 

トラウマティックなイベントについて見聞きした人にも、同様にPTSDは起こることがあります。

 

例えば東北の震災の時にも、被災地の方だけでなくテレビを見ていた人が、体調を悪くされたケースがありましたよね。

 

投稿者様は「ご友人の方が辛いはずなのに…」とおっしゃりますが、ご友人のお話を聞かれた投稿者様にも、PTSDの症状が起こる可能性はあります。

 

どうぞ、ご友人のことだけでなく、ご自身についてもご自愛くださいね。

 

その情報についてお話した上で私が考える、投稿者様がご友人にやってあげられることは、大きく分けて3つあります。

 

1つめは、投稿者様ご自身が倒れないことです。

 

トラウマティックなイベントは、そのイベントに遭遇したからと言って全ての方がPTSDを発症するわけではないことは、ご存じの通りだと思います。

 

発症する人と発症しない人の違いに関わることの1として挙げられるのが、レジリエンスです。

 

これは『逆境を跳ね返す力』という意味で、物事を肯定的に考えられる人や、ストレスを上手く受け流せる人は、このレジリエンスが高いと言われます。

 

もしも投稿者様が倒れられてしまったら、ご友人は仕事と家事を一挙にやらなければいけない状況になってしまいますよね。

 

それでは、投稿者様が希望されている状況とは、全くかけ離れてしまったものになってしまいます。

 

もしも投稿者様も体調の不良を感じられたなら、投稿者様もセルフケアとして、医療機関等を受診され、しっかりと休憩を取られることをお勧めします。

 

2つめは、ご友人からトラウマティックな話を引き出そうとしないことです。

 

トラウマティックな話をすると、話し手の人の心はそのトラウマティックな出来事に、アクセスせざるをえなくなります。

 

つまり、トラウマティックなイベントの場にいるのと同じことになってしまうのですね。

 

先も触れましたが、トラウマティックなイベントに遭った人でも、全ての方が体調を悪くするわけではありません。

 

トラウマティックなイベントは記憶としては残っているけど、日々の生活を淡々と送ることで、次第に傷がいえていく人もいます。

 

トラウマティックな話を引き出されると、心の傷がむき出しの状態になる他、何回も繰り返されることでかえって状況が悪くなることもあります。

 

できるだけ控えて頂いて、日々の生活の中ではごく普通に接して頂くのが良いのではと思います。

 

3つ目はご友人に体調の悪さが見られてきたら、医療機関の受診をお勧めされることです。

 

一般的な心の病気では、お薬の服薬で心が穏やかになってからカウンセリングを・・という流れになりますが、PTSDの場合は逆になります。

 

急性期で症状が高い時に強い力を発揮するのは、EMDR(イー・エム・ディー・アール)をはじめとした、トラウマケアの心理治療であり、お薬は心理療法が効かなかった時に選択されることが多くなりました。

 

勿論、ご友人のレジリエンスが高くて、症状を起こさないことも十分考えられます。

 

そのため、ご友人に体調の悪さが見られてからで大丈夫なので、万が一の場合にはご友人にお勧めして頂ければと思います。

 

かつ、EMDRは全ての医療機関で実施できるわけではないので、事前に確認されてから受診されることをお勧めします。

 

投稿者様とご友人のこれからの日々が、少しでも心穏やかなものになりますように。応援しています。

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