罪悪感が消えない…罪悪感の心理・手放す4つの方法を臨床心理士が解説
常に罪悪感を感じるのは病気のせい?
ある研究によると、持続的に罪悪感を強く抱いている人は、
・うつ傾向
・不眠
・不安
との関連が強いとされています。
また、強い「罪悪感」の背景には、うつ病などの精神疾患が隠さていることもあります。
うつなどの気分障害は、考え方を極端にさせます。
特に、
・「自分は価値のない人間だ」など強い罪悪感を2週間以上抱いている場合
・罪悪感によって夜眠れなかったり、気分が沈んでしまっている場合
などは、あなたのせいだけでなく、もしかしたら病気によるためかもしれません。
医療機関やカウンセリングなどに行ってみることをおすすめします。
罪悪感を手放す4つの方法
正直に謝る
すぐにできる方法は、正直に謝ることです。
自分のモヤモヤした気持ちを言葉にして解放することはカタルシスといわれ、すっきりした感覚が生まれます。
許されるかどうかは別の問題ですが、相手に自分の謝罪の気持ちを伝えることで罪悪感が軽減されるかもしれません。
客観的に責任について考える
罪悪感を抱くとき、「わたしのせいで…」と自分への責任を考えがちです。
でも、実際の場面において何かが起こるとき、タイミングや様々な状況が絡み合って生じます。
きっかけだったり、要因の1つであったりすることはあるかもしれませんが、あなた一人の責任であることは少ないです。
自分を責める前に、冷静に客観的に考えてみることが大切です。
ポジティブな意味を探す
人間は様々な出来事に対して意味を考えてしまう生き物です。
例えば、相手を不本意ながら傷つけてしまった場合、
「傷つけてしまった。僕はなんてことしてしまったんだろう」
↓
「自分はもう友達でいるべきではないということかも」
といった具合に、自分のことをネガティブに責めてしまいがちです。
そんなとき、ポジティブな意味を探してみると、
「傷つけてしまった。僕はなんてことをしてしまったのだろう」
↓
「相手から信頼を取り戻せるようにこれからより誠実に付き合っていこう」
といった、別の視点を持つことで少し気持ちが楽になるかもしれません。
相手も罪悪感を持つことを望んでいない場合も多いはずです。
起こってしまった出来事を変えることはできませんが、考え方を変えることで、相手にとっても自分にとってもプラスに転じることがあると思います。
誰かに相談する
1人で悩んでいると答えが見えなかったり、考えが偏りがちになったりします。
客観的な意見をもらったり、時には自分の話をするだけで気持ちが軽くなるときもあります。
ただ、内容によっては、人には話しにくいなんてこともあるかもしれません。
そんなときはカウンセリングなどの相談機関に行かれることも一つです。相談した内容は原則守られるため、安心して相談することができます。
さいごに
人を傷つけてしまうこと、ルールを破ってしまうこと、人間だれしも間違いや失敗をおこします。
時には同じようなことを何度も繰り返し、罪悪感に悩まされることあるかもしれません。
その完璧でない部分がとても人間らしく、とても大切な感情だとも思います。
ただ、罪悪感を抱いている間はつらく、しんどいと感じることもあるかと思います。
そんな時は、1人で抱えずに、時にだれかの手を借りながら向き合っていけるとよいのかもしれません。
【関連記事】
>>罪悪感の不安を消すための3つのカウンセリング活用術を臨床心理士が解説
【参考】
罪悪感特性および特性罪悪感が精神的健康に与える影響(岸本 瑞羽(2017)感情心理学研究2017 年 24 巻 Supplement 号 p. ps06)
罪悪感が被害者への補償行動に及ぼす影響:三者関係における資源分配パラダイムによる検討(古川 善也, 中島 健一郎, 森永 康子(2016)社会心理学研究2016 年 32 巻 1 号 p. 52-59)
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- 本記事は2019年2月3日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。