部下のモチベーションを高める「叱る0・褒める100」の方法とは?臨床心理士が解説

2016.05.22公開 2019.05.16更新

叱り0・褒める100のコミュニケーション術とは?

「目に見える行動」で部下を知る

まず、部下の行動を観察することから始めます。

 

この時、部下の心理まで分析しようとすると失敗してしまいます。

 

大切なのは「目に見える行動」です。

 

例えば、「だらしない勤務態度」「気合が入っていない」ではなく、

「取引の結果を報告しない」

「大事な事案で、上司の了解を得ずに先方に連絡をしてしまう」

などのように、具体的な行動として部下の行動を把握しましょう。

 

1日3回、部下の行動を褒めてみる

その上で、とにかく部下の行動を褒めていきましょう。具体的な数として、1日に最低3回は褒めると良いでしょう。

「報告が、とても分かりやすくて良かったよ」

「資料がよく練られていたと思う」

「難しい交渉だったけど、よく頑張ってくれたね」

などのように、具体的に褒めていくことがポイントです。

 

このようなちょっとした一言が、部下のモチベーションに繋がっていきます。

 

 

それでも叱りたくなった時は?

それでも、叱りたいと思う時があるかもしれません。

 

そんな時は「まず、本当に褒める点はないのか?」と、一旦冷静な視点で考えてみましょう。

 

例えば、部下から渡された資料が十分に練られていない場合、どうしても、資料の不備の部分が目についてしまいます。

 

しかし、「この点についてはよく練られているね」というように、部分的にでも、できている点をまず褒めるのです。

 

その上で、「こちらの方も、もう少し検討してみると、さらによい資料になると思うよ」とアドバイスを付け加えます。

 

その後、部下が指摘した点を修正したとすれば、「本当に、素晴らしい資料になったね」とさらに褒めるのです。

 

 

部下が報告をしてこない場合は?

別の例を考えてみましょう。

 

「部下が報告をしてこない場合」は、どうでしょうか?

 

この場合、どうしても部下に「報告書を早く出しなさい」と言いたくなってしまいます。この指示も「お願い」という形であれば効果があります。

 

そして、さらに効果があるのは、「報告書を部下が自主的に出すまで待つ」ということです。

 

この時、「自分で自主的に報告書を出しくれて素晴らしいね」と褒めるのです。

 

 

まず上司の自分が変わることから

部下をコントロールし、指示を出してその通りに動いてもらおうとすると、労力もかかりますし、自分で考えて行動する部下は作れません。

 

つまり、部下を変えようとするのではなく、まず上司であるご自身から変わる必要があります。

 

部下に対して、ちょっとした褒め言葉を、上司であるあなたが言えるかどうかが、とても大切になってくるのです。

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矢野宏之

臨床心理士

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  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2016年5月22日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。