部下のモチベーションを高める「叱る0・褒める100」の方法とは?臨床心理士が解説
叱り0・褒める100のコミュニケーション術とは?
「目に見える行動」で部下を知る
まず、部下の行動を観察することから始めます。
この時、部下の心理まで分析しようとすると失敗してしまいます。
大切なのは「目に見える行動」です。
例えば、「だらしない勤務態度」「気合が入っていない」ではなく、
「取引の結果を報告しない」
「大事な事案で、上司の了解を得ずに先方に連絡をしてしまう」
などのように、具体的な行動として部下の行動を把握しましょう。
1日3回、部下の行動を褒めてみる
その上で、とにかく部下の行動を褒めていきましょう。具体的な数として、1日に最低3回は褒めると良いでしょう。
「報告が、とても分かりやすくて良かったよ」
「資料がよく練られていたと思う」
「難しい交渉だったけど、よく頑張ってくれたね」
などのように、具体的に褒めていくことがポイントです。
このようなちょっとした一言が、部下のモチベーションに繋がっていきます。
それでも叱りたくなった時は?
それでも、叱りたいと思う時があるかもしれません。
そんな時は「まず、本当に褒める点はないのか?」と、一旦冷静な視点で考えてみましょう。
例えば、部下から渡された資料が十分に練られていない場合、どうしても、資料の不備の部分が目についてしまいます。
しかし、「この点についてはよく練られているね」というように、部分的にでも、できている点をまず褒めるのです。
その上で、「こちらの方も、もう少し検討してみると、さらによい資料になると思うよ」とアドバイスを付け加えます。
その後、部下が指摘した点を修正したとすれば、「本当に、素晴らしい資料になったね」とさらに褒めるのです。
部下が報告をしてこない場合は?
別の例を考えてみましょう。
「部下が報告をしてこない場合」は、どうでしょうか?
この場合、どうしても部下に「報告書を早く出しなさい」と言いたくなってしまいます。この指示も「お願い」という形であれば効果があります。
そして、さらに効果があるのは、「報告書を部下が自主的に出すまで待つ」ということです。
この時、「自分で自主的に報告書を出しくれて素晴らしいね」と褒めるのです。
まず上司の自分が変わることから
部下をコントロールし、指示を出してその通りに動いてもらおうとすると、労力もかかりますし、自分で考えて行動する部下は作れません。
つまり、部下を変えようとするのではなく、まず上司であるご自身から変わる必要があります。
部下に対して、ちょっとした褒め言葉を、上司であるあなたが言えるかどうかが、とても大切になってくるのです。
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- 本記事は2016年5月22日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。