定着率100%の秘訣とデイケアからみたココルポートの障害者就労支援とは?
目次
ココルポートでの一日の流れ
リミー
ココルポートを利用するトレーニーさんは、どんな感じで一日を過ごすんですか?
横田さん
10時から終礼の14:50まで、ご利用者さんに合わせて無理のないスケジュールでトレーニングを行っています。
リミー
ちなみに今日ですと……
リミー
え…、”Dance♪”…ですか?!
横田さん
はい。笑 スタジオを借りて外部講師とリフレッシュや体力づくりを目的として、自由参加でやっています。
リミー
ダンスってやったことない方も多いのでは??
横田さん
もちろんいますよ。講師と一緒に動きを1個ずつ分解してやってみると意外とできたり、トレーニーさん同士の交流の場としてもいいなと思っています。
リミー
楽しく小さな成功体験を積み重ねられるのはいいですね。
ココルポートのプログラム内容
リミー
ココルポートさんのプログラムの内容についてもお聞かせください。
横田さん
基本的なプログラムですと、ビジネスマナーやPCスキル、SST(ソーシャルスキルトレーニング)、セルフケアやコミュニケーションを学ぶプログラムなどがあります。
※ココルポートさんのHPより
横田さん
事業所によっては、認知行動療法、WRAP、ダンス、アロマセラピー、農業プログラムなど、トレーニーさんの意見も踏まえて独自で工夫しています。
リミー
色んなプログラムがあると、通い続けるモチベーションにもなりますよね。
横田さん
そうですね。模擬就労などのプログラムも、企業経験豊富なスタッフと一緒に取り組んでいただけますよ。
リミー
企業経験豊富なスタッフがいるのも心強いですね。
横田さん
武蔵小杉では、模擬就労は毎週月曜日。前週の火曜日から金曜日までに得たものを、次の月曜日に発揮してもらうイメージですね。
リミー
なるほど。火曜日〜金曜日がインプット、月曜日がアウトプットみたいな感じなんですね。
横田さん
そうですね。タスクには納期もあって緊張感のある中、いかに集中して仕事ができるかもポイントになります。
リミー
模擬就労では、実際にどういったことをやるんですか?
横田さん
「事務作業班」と「軽作業班」の2つがあります。
横田さん
事務作業ではデータ入力や表の作成。軽作業では、ボールペンの組み立てや伝票の仕分けなどを行います。
リミー
トレーニーさんの課題感として多いものって何でしょうか?
横田さん
「報告・連絡・相談」ですね。指示内容がわからないのに聞けなかったり、相談に行けないといったことはあります。
横田さん
あとは、人と比べてしまって「皆より、仕事が遅い」と落ち込んでしまったり…。
リミー
特に慣れない最初の頃は刺激も多くて大変そうですね…
横田さん
もちろん、タイミングを見計らって、スタッフが「何に困ってますか? 」とフォローに入ることもあります。
リミー
最初から手取り足取りだと、あまり意味がないですもんね。
横田さん
はい、優しくトスをあげるイメージです。報連相ができれば、それをしっかり褒めることで小さな成功体験を積み重ねてもらっています。
ポイントは「動機づけ」
リミー
プログラムを進める上でどのような点を重視されていますか?
横田さん
ココルポートの特徴として、プログラムを受けるにあたっての動機づけを重視しています。動機づけがしっかりしていると得るものが大きくなりますよね。
リミー
目的を持ってプログラムに臨むことを意識するということですね。
横田さん
毎週金曜日に「自分の目標に向かって、来週1週間をどう過ごすか」を決めてもらっているんですね。
リミー
毎週!細かく決めるんですか?
横田さん
来週1週間で頑張りたいことや過ごし方、参加するプログラムをコマごとに決めてもらっています。
リミー
徹底されてますね。
五十嵐さん
デイケアでは規則正しい生活をするために、休日の過ごし方も書いてもらったりもします。
横田さん
休日の過ごし方は職場定着のポイントですよね。ココルポートでは土曜日の余暇プログラムで動物園やお花見に行って、気持ちを切り替えてもらうこともやっていますよ。
五十嵐さん
休日になると生活リズムが崩れてしまう方も多いので、オンオフの切り替えができるのはいいですね。
横田さん
なんとなく毎日来て、なんとなく過ごしてしまうと、自分がどう変化しているかに気がつきにくいんですよね。
リミー
たしかに…。
横田さん
振り返りや目標設定などコミュニケーションも多いですし、多様なプログラムがあるからこそ変化に気づけるのがココルポートの特徴です。
基本を大切に。1対1で向き合う
リミー
横田さんの視点で大切にしていることって何ですか?
横田さん
私は「基本」をすごく大切にしています。色々なプログラムがありますが、根本にある基本を様々な実践で繰り返すことになりますし。
リミー
中には意見を言えない人もいると思いますが。
横田さん
それはそれで「言えない自分」を知ることができるので良いことだと思っています。
リミー
自己理解がひとつ増えたということですね。
横田さん
ココルポートでは1日の終わりに、スタッフと1対1で話す時間があるので、明日にどう活かすかという視点で一緒に振り返るようにしています。
五十嵐さん
グループでは言えないことも、スタッフさんとの1対1だからこそ話せることもありますよね。
横田さん
気になっていることなどを伺い、フィードバックを日々繰り返すことで、だんだんと自分の意見を言えるようになってくるんですよね。
五十嵐さん
悶々を一人で悩まずに済むのは嬉しいですし、フィードバックを通じて次の小さな成功体験にも繋がっていきますよね。
横田さん
そうですね。同じプログラムを受けていても、感じ方はそれぞれ違うので、「人との違い」に気づくことによっても、自分を知るきっかけにしてもらえればと思っています。
二人三脚で「定着率100%」
リミー
さいごに一言ずついただいてもいいですか?
横田さん
就職までのスキルアップや、生活習慣を整えることはもちろん、定着支援もあるので、ぜひ活用してほしいですね。
リミー
ココルポートさんのホームページにも定着率81%と書いてありました。
横田さん
実は、武蔵小杉では2018年の就職者の6か月定着率が100%だったんです。
リミー
え!100%ってすごいですね!どんな秘訣があったんですか?
横田さん
きちんと、トレーニーさんと二人三脚になるための「信頼関係」が一番のキモだと思っています。トレーニーさん、スタッフみんな頑張りました。
リミー
トレーニーさんとのコミュニケーションの量と質が、ココルポートさんの良さですね。
横田さん
人が自立していく時って、自信や希望を持った顔つきに変わると日々実感しています。まずは気軽にご相談に来てもらえたらと思っています。
五十嵐さん
横田さんはほんわかした中にも芯がしっかりしていらっしゃるので、私も頼りにしています!
リミー
それさっきも聞きました。笑 今日はお二人、ありがとうございました!
- 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
- 本記事は2019年3月28日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。