共依存の親子かも…2つのチェックポイントと対処法を看護師&心理相談員が解説
あなたの親子関係、もしかすると密着しすぎていませんか?
周囲とのつながりが少なく、親子の関係性が密着しすぎているために、知らずに「親子共依存」に陥ってしまっている場合があります。
そこで今回は、親子共依存から抜け出す方法について、心の専門家に解説してもらいました。
そもそも共依存とは?
人は誰でも、生きる中で、他人に依存して生きている部分は必ずあります。
しかし多くの人は、自分の意志でその関係性を選択し、“自律”した存在として生きています。
しかし、共依存とは、自分と特定な人とが、過剰に依存しあい、その関係性に囚われている関係で、お互いが支えているのではなく、お互いが寄りかかっている関係です。
つまり、どちらかがいなくなると、自分一人で自分を支えることができず倒れてしまう状態ということになります。
共依存が引き起こす怖さ
その共依存が、他人でなく、血のつながりがある親子関係で生じると、その依存関係がより強くなり、お互いが自律した人間となることを阻みあうことになります。
そのため、相手をコントロールしようとし、
「自分が我慢すればいいのだ」という自己犠牲
「相手が悲しむのは、自分が悪い子だからだ 」という自己評価の低下・自己否定
につながります。
また、相手がいない世界では、自分の生きている価値がないと思い込み、共依存の世界から脱出することができなくなります。
共依存か知るための2つのチェック
共依存から抜け出すためには、まずあなたが、
・親もしくは子供の感情をコントロールしようとしていないか
・親や子供の感情や意見に、自分自身が大きく影響されていないか
について、客観的に見つめてみます。
例えば、
・この人がいないと、私が生きていけない(生きる意味がない)
・私がいないと、この人(子)はダメになる
・この関係性が壊れると相手が悲しむ
そんな気持ちをあなたが持っているのなら、親子共依存の可能性があります。
共依存から抜け出すために
本来、人は誰でも自律して生きる力を持っています。
「相手がいないと生きられない」
「相手も自分がいないとダメになる」
といった考えに囚われていることに気が付いたら、他の人たちとの関係性を多く持ち、認知の歪みを修正しながら、共依存から脱出できるように心がける必要があります。
例えば、介護を通して親子共依存が強化された場合であれば、
・地域で利用できるサービスを使う
・介護をしている人たちのサークルに参加する
親が子供の自立を阻むために共依存関係になっているときは、
・子供の一人暮らしを認める
・バイトやパートなどを行い、一人で生きる力をつける
・経済的支援を最小限にする
・親も家族以外の関係を地域や社会に求める
などがあります。
さいごに
親子共依存から抜け出すことは、「共依存関係にあることに気付くこと」が第一歩。
お互いが必要とする関係をもつことは、決して悪いわけではありません。しかし、共依存関係は、お互いが一人の人間として自律することを阻む、ゆがんだ認知の上に成り立ったものとされています。
一人になることの不安や寂しさは、多くの出会いや新しい自分の役割を通して解消できるものです。
共依存から脱出して、あなたが一人の人間として輝くことを期待しています。
- 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
- 本記事は2016年7月15日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。