攻撃的な人への対処法とは?2つのタイプ別に臨床心理士が解説!
建設的な批判に対処するには
建設的な批判というのは、あなたを攻撃しているものではありません。
本来、ディスカッション(話し合い)というのはお互いに意見を話しあうことで良いもの作っていくものです。
例えば、会議で「あなたの意見には反対だ」と言われることがあるかもしれません。
しかし、これは本来、あなたの人格を否定している言葉ではないのです。
また、ときに批判の対象が明確でないときがあります。
例えば、
「あなたの仕事は不十分だと感じている」
「どうして、私の言ったことをしてくれないの?」
「君には裏切られたよ」
などのように何を批判されているのかが分からないこともよくあります。
その場合は、その詳細をたずねたり、「本当に、自分が批判されているのかどうかを確かめる」ということが必要になってきます。
また、時には自分では分からないということもあるでしょう。
アサーションには、「分からない」「知らない」と言っていい権利というものがあります。
ですから、正直に自信を持って、
「その質問は、私には分かりません」
「私には答えることができないのです」
と言ってみることも大切です。
非建設的な批判は聞き流す
建設的な批判は素直に聞くことが必要ですが、非建設的な批判は、メッセージだけ受け取り後は聞き流して構いません。
特に批判をされる際に、相手が大きな声だったり、怖い表情であったりすると、余計に自分が悪い気がしてきます。
そのような非言語的態度も聞き流して下さい。
例えば、
「君は、どうして同じ失敗ばかりするんだ。もうちょっと確認をしっかりしないといけないよ」
「ぼーっとして見ているんじゃないか!?」
「勤務中も、気が利かないし…」
「そういう心の持ちようで仕事をしているといかんよ!」
のようなセリフから、「もうちょっと確認をして欲しい」というメッセージだけ受け取るようにするのです。
あとの「気が利かない」「心の持ちよう」というセリフは、横に置いておきましょう。
また、失敗を引きずっている方に特徴的なのは、
「失敗したから、自分はダメな人間だ」
「失敗の責任の全ては自分にある」
という考え方です。
このときに役に立つ考えは、
「私が失敗したからといって、私の人間性を誰も否定することはできない」
「失敗の主たる責任は私にあるかもしれないが、私の責任ではない部分もある」
という考え方でしょう。
アサーティブな対処法を実践するために
「置いておく」「聞き流す」と書いてあると、もしかしたら、「それができないから困っているんだけど…」と思われるかもしれません。
もし、何らかのトラウマがある場合は、そちらを先に治療していくことが必要です。
もし、トラウマがなければ、気の会う仲間とロールプレイをしてみるのが良いと思います。
アサーティブな対処法を習得する上で、
「気を小さくして聞くパターン」
「切れて、怒り返すパターン」
「正々堂々と受け流すパターン」
の3種類を実際のカウンセリングで行うことがあります。
そして、相談者の人にも、「批判をする方」「批判をされる方」の両者を経験してもらいます。
普段、批判を受けてばっかりという方は、批判をする役をした際に、「気を小さくして聞く態度」だと、余計にイライラしたり、攻めやすいことに気が付かれます。
一方、「切れて、怒り返すパターン(いわゆる逆ギレ)」だと、会話がまとまらないことにも気が付かれます。
その上で、「正々堂々と受け流すパターン」の練習を何度かしていくと、批判をされたときに慌てなくなっていきます。
このように、気の合う仲間とのロールプレイや、臨床心理士などのカウンセリングを通じて、アサーティブな対処法を実践的に学ぶことで、非建設的な批判に対して、慌てず、不安も減り、上手に受け流せるようになるでしょう。
- 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
- 本記事は2016年7月31日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。