内向的な人こそ強い?内向的な人が秘めている3つの力を臨床心理士が解説
内向的な人は本当に弱い?
ところで、そんな弱弱しいイメージを抱いてしまいがちな内向的な人ですが、内向的な人は本当に弱いのでしょうか。
心理学の歴史の中では、外向性は健康的で、内向性は精神病理的であると論じられた時代もありました。
※現在ではそのようには考えられておりません
そのため、そのようなイメージが強く残ってしまっているのも、ある意味では仕方のないのかもしれません。
しかし、実際には内向的な人は弱いとは言えないと考えられます。
内向的な人は弱いというようなイメージがあるとすれば、それは誤解でしょう。
外向的な人のように、外にエネルギーを積極的に向けていくタイプでは確かにないかもしれません。
しかし、確かなエネルギーを確実に持っています。
それは周囲からは見えにくいこともあれど、大変魅力あふれるものばかりなのです。
内向的だからこその3つの魅力
①感受性豊か
内向的な方は、感受性が豊かでいろんな気持ちや考えを抱くことが上手なところがあります。
深く感動したり、あるいは傷ついたり、他者のことを考えることが本当に上手で、繊細な部分も持っていらっしゃる方が本当に多いです。
そのため、外からの刺激にとても敏感な側面も同時に持ち合わせていることがあります。
深く考えたり、感じたりする力に長けているとも言えそうですね。
②深く考えることが出来る
外向性が優位な方の場合には、外に積極的に向かって行くことがしやすいですが、内向性が優位な方の場合にはそうではないことが多いです。
そのため、なにかが起きたときに、まずは自分の中で受け止めて、じっくり考えることができます。
問題があった場合にまずは自分の中で整理をしてみたり、自分の気持ちが湧いてくるのを感じたりすることも比較的上手だと考えられます。
③一人でできることがたくさんある
外に積極的にいかない、と捉えるとネガティヴなイメージになりますが、
ひとりの時間を上手に使える
とも言い換えることができるのではないでしょうか。
・自分で考える
・自分でリフレッシュする
・一人の時間を過ごすことが出来る
これは実は誰にでもできることではありません。
これをうまく出来ずに悩んでしまわれる方もいるほどで、素晴らしい能力であることを私はここで強調させていただきたいと思います。
一人で問題に処理をする能力を持っているのも、大変大きな魅力でありますね。
内向的なリーダーに向いてる?
内向的なリーダーがありかなしかということについては、どちらとも断言しにくいところがあります。
三隅二不二のPM理論によると、リーダーシップの機能として、集団目標を達成するための計画を立案し支持を行う「目標達成機能」 Performance:P、
集団自体のまとまりを維持強化しようとメンバーを理解し、集団内の友好的な雰囲気を作り出す「集団維持機能」 Maintenance:M
上記2つの次元を考え、それぞれの強さによってpm、Pm、pM、PMの4タイプのを想定しました。
この理論ではPM型(どちらの能力も高い)リーダーが一番生産性を生み出すことが出来るリーダーであると考えられています。
内向的な人の場合には、もしかしたら、Mの気質がより優位なタイプかもしれませんね。
どちらが強い方がいいという訳ではなく、むしろどちらの性質も重要です。
優位な部分はさらに伸ばし、もう一方の能力については伸ばす挑戦をされてみるのも、あるいは得意な能力でカバーをしてみてもよいでしょう。
それは自分にあった方法でどのようにも工夫して行うことが出来ると思います。
そういった意味では、内向的なリーダーだって、全然ありなのです。
さいごに
外向・内向については一般的にもとてもありふれた考え方ですよね。
どちらの場合も、たくさんの魅力があります。
どちらが優れていることはありませんから、大切な能力をこれからも大事にしながら、存分に伸ばしたり活用したりしていってくださいね。
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- 本記事は2019年4月8日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。