自分の意見が言えない3つの原因と克服法6選とは?臨床心理士が解説

2019.04.11公開 2019.05.16更新

自分の意見が言えない3つの原因

1.内容が思い浮かばない

「そもそも意見が思い浮かばない」というときがあるかもしれません。

 

その場合は、経験や知識が足りないために生じていることも考えられます。

 

「自分の意見」というと、自分が1から考え生み出したものようにも感じますが、実際は今まで得た知識や経験の積み重ねによってできています。

 

ですので、材料が多ければ多いほど、知識や経験が多いほど、自分らしいユニークな意見が生まれやすいのかもしれません。

 

また、自分の意見を言う「経験」が足りないことも考えられます。

・他人の意見を優先することが多い

・場の雰囲気にのまれやすい

そんなタイプの人は、いざ自分の意見を問われると、わからなくなってしまうこともあるのかもしれません。

 

2.言い方、伝え方がわからない

「伝えたいことはあるけれど、なんと言ったらよいのかわからない」

といった場合もあるかもしれません。

 

当てはまる言葉がわからない、考えをまとめることが難しいことなどが背景にあると考えられます。

 

人はそれぞれ得意不得意な面があります。

 

頭の中のイメージは豊かであるにも関わらず、言葉を使って考えたり、表現したりすることが不得意なタイプもいます。

 

そんなタイプの人がこれに当てはまるのかもしれません。

 

3.「恐れ」から意見が言えない

「意見はあるけれど、色々考えすぎてしまって伝えることができない」

という場合も考えられます。

 

そんな気持ちの背景には、

「的外れな事を言ってしまったらどうしよう」といった失敗を恐れる気持ち

「相手に怒られたり笑われてしまったりしたらどうしよう」といった他人に評価されることを恐れる気持ち

があるのかもしれません。

 

 

自分の意見が言えない場合の克服法6選

1.自分の引き出しを増やす

本を読んだり、研修会に参加したりして、自分の頭の引き出しを増やしていくとよいかもしれません。

 

境遇や状況が似ている映画や、ドラマ、漫画を読んでみることもおすすめです。

 

誰かの意見やコメントを読んでみたり、時には真似てみたりすることもよいかもしれません。

 

2.思ったことを書き出す

場数を踏むということも大切なことですが、いきなりはハードルが高く、気が引けてしまいます。

 

そんなときは、まず、自分の思ったことを書き出してみるとよいかもしれません。

 

書き出すことで自分の考えを客観的に見ることができたり、さらに新しい意見が生まれたりすることにつながります。

 

意見がまとまったら、言いやすい人や信頼できる人に伝える練習をしてみることもおすすめです。

 

3.伝え方を工夫する

伝え方は1つではありません。

・5W1H(いつ、どこで、だれが、なにを、なぜ、どのように)に沿って伝えてみる

・事実と自分の思いを分けて伝えてみる

・写真やイラスト、統計データを使って説明する、など

状況によっては、意見がないことや時間が必要なこともあるかもしれません。

 

そんな時は、

「今は、意見が浮かばないので少し考えさせてください」

と伝えてみることもよいでしょう。

 

4.だれかに相談してみる

意見が浮かばない、伝え方がわからないときは、だれかの知恵を借りてみるとよいかもしれません。

 

新しい視点や良いアドバイスをもらえることがあるでしょう。

 

また、不安や緊張がある場合も誰かに話すことで気持ちが落ち着くことがあります。

 

自分のためにもアイディアのためにも、1人で抱えず、だれかに話してみることはとても有効な手段かもしれません。

 

5.「なぜ意見を言いたいのか」を考える

いろいろ考えすぎて伝えられないとき、

「うまく伝えなきゃ」

「変な風に思われないように」

とネガティブな気持ちで心がいっぱいになっていることがあります。

 

そんなときは、立ち止まって「なぜ意見を言いたいのか」を考えてみましょう。

 

相手に伝えたい気持ちや自分のパフォーマンスをあげたい気持ちを意識してみると、意見を言う勇気がわいてくるかもしれません。

 

6.「完璧」な意見を求めない

誰からもOKと言われる意見を言えたらよいのですが、そんな「完璧な意見」はどこにもありません。

 

もし、とても素晴らしい意見だったとしても、受け手の好みや考えによって受け入れてもらえないこともあります。

「正解」や「いい評価」を手放して考えてみる

こともよいのかもしれません。

 

 

さいごに

「意見を伝える」ということは、体を鍛えることと同じように、トレーニングが必要なことのように思います。

 

ただ、意見がなくても、言えなくても、言おうとトレーニング中であっても、そこに自分らしく居られていることが大切なことなのかもしれません。

 

自分らしい表現方法を探っていきましょう。

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飯田杏奈

臨床心理士

心理系大学院修士課程を修了後、臨床心理士資格を取得。教育機関や療育施設、カウンセリングルームにて勤務。未就学児から大学生、大人までさまざまな悩みに向き合っている。一児の母として子育て奮闘中

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2019年4月11日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。