【臨床心理士ワンポイント解説】ドラえもんを例にアサーションの方法や注意点を紹介

2021.08.01公開 2021.08.26更新

アサーティブなコミュニケーションを実践したいと思っている、自分自身のコミュニケーションにどういった傾向があるか知っていますか?

 

今回は、ドラえもんの登場人物を例にご自身のコミュニケーションの傾向を知り、さらにアサーショントレーニングの方法や注意点を臨床心理士にワンポイント解説していただきました。

 

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アサーショントレーニングとは?

アサーショントレーニングとは、アサーションの基本を理解して実際に身につけるための一連の訓練のことです。

・アサーションとは何か

・アサーションが不十分なコミュニケーションとはどういったものか

・日頃の自分のコミュニケーションにはどんな傾向があるか

・他人のアサーションを認めるためにはどんな考え方をしたらよいか

…といったことを学習し、ロールプレイングなどを通してアサーションの実体験を重ねていきます。

 

専門機関を訪ねて専門家とともにトレーニングすることもできますし、一人でトレーニングをする場合は市販されているワークブックを利用するのもいいでしょう。

 

今回はトレーニングをする上でポイントとなりそうなことを3つ紹介します。

 

ドラえもんを例に自分の傾向を知る

一つ目は、自分のコミュニケーションの傾向をつかんでおくことです。

 

自分の傾向を把握できれば、やり取りの中でどんなことに気を付けるべきかが具体的に見えてきます。

 

今回はコミュニケーション傾向のタイプについて、ドラえもんのキャラクターになぞらえて挙げてみましょう。

 

①ノン・アサーティブ(受身的)な“のび太くん”タイプ

恐れが強く引っ込み思案であり、自分の信念などをしっかり主張できないタイプです。

 

言いたいことが言えずに我慢を重ねたり、相手の意向ばかりに合わせたりして、恨みがましい思いをいただきやすかったりします。

 

自分のために他者に動いてもらおうとするところもあり、ドラえもんに泣きつく姿もイメージに容易いですね。

 

②アグレッシブ(攻撃的)な“ジャイアン”タイプ

自分のパワーを、相手のコントロールと支配のために使います。

 

相手の意思にかかわらず自分の思うようにする傾向があり、他者を攻撃したり責め立てたりするコミュニケーションも見られます。

 

相手は自分の思い通りにならない存在だという認識や節度が乏しく、主張が強くて乱暴なジャイアンのイメージです。

 

③パッシブ・アグレッシブ(陰湿な攻撃)な“スネ夫”タイプ

操作的な方法を使って、誰かをコントロールしようとするコミュニケーションタイプです。

 

相手の意思決定をとって代ろうとしますが、この時にちょっとしたズルさを見せることもあります。

 

「〇〇しなきゃラジコンは貸してあげないよ」と言うスネ夫のコミュニケーションは、このタイプに相当しそうです。

 

④アサーティブな“しずかちゃん”タイプ

自分自身の主張を素直に伝えつつ、相手が彼ら自身のためにする選択も尊重できるタイプです。

 

自分の信念を保つことのできる強さがあり、適切な表現をチョイスすることもできます。

 

イメージとしてはヒロインであるしずかちゃんや、優しい出木杉くんが当てはまりそうです。

 

アサーティブコミュニケーションの4つの要素

アサーショントレーニングのポイントの二つ目は、アサーティブなコミュニケーションは、

「誠実」「率直」「対等」「自己責任」

この4つの柱によって支えられていることです。

 

アサーションでは、例えばアイ・メッセージのようなテクニック的な要素も取り入れられていますが、その根底にあるのは自分と相手へ真摯に向き合う姿勢です。

 

技術に偏ることなく、自分にも相手にも尊敬をもって接することで自ずとアサーティブな関わりができるようになります。

 

アサーティブコミュニケーションは義務ではない

三つ目はトレーニングだけでなくアサーティブなコミュニケーション全体にも通じることですが、

アサーションとは「必ずそうしなければならない」義務ではなく、自分で選んで行うものだとおさえておくことです。

アサーションは相手と誠実に向き合うものであるために、その分エネルギーも時間も必要です。

 

でも、その甲斐のない相手だったり自分を守ることが必要だったりするときは、「アサーションをしないことをアサーティブに選ぶ」こともあっていいのです。

 

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【参考】

・園田雅代(2002)「概説:アサーション・トレーニング」、創価大学教育学会教育学部論集(52)

・野末武義、内田利広ら(2019)「『心の教育』を考える-家族の理解とその支援-(特集Ⅰ:第21回リカレント教育講座シンポジウム抄録)」、京都大学大学院教育学研究科付属臨床教育実践研究センター紀要

・三田村 仰、松見 惇子(2010)「相互作用としての機能的アサーション」、パーソナリティ研究 第18巻 第3号

・特定非営利活動法人アサーティブジャパン「人間関係のしんどさに悩んでいる方へ」

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鈴木さやか

臨床心理士・公認心理師

心理系大学院修士課程を修了後、臨床心理士資格を取得。福祉分野のケースワーカーとして従事したのち、公的機関でテスター兼カウンセラーとして勤務。子どもの問題(不登校、非行、発達障害等)や労働、夫婦問題をはじめ、勤労者、主婦、学生など幅広い立場への支援を行っている。

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2021年8月1日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。