【いじめ問題】親の介入が難しい理由と子供との接し方を臨床心理士が解説
親が大切にしたい子供との接し方3選
いじめ問題が増えてくるのは小学校の高学年ごろ、いわゆる思春期の頃からです。
この時期の子供たちは、子供の心と大人の心を行ったり来たりして、徐々に大人へと成長していきます。
どんなに体が大きくなっても、心はまだ幼いというアンバランスな時期なので、それだけでも不安や葛藤を抱えやすいという一面もあります。
このデリケートな時期のいじめ問題に大人がどう関わるか、どういう姿勢を示すかによって、子供の成長が大きく左右されます。
子供との接し方において、大切にしてほしいポイントを3つ挙げます。
1.いじめのサインに気付く
日頃からコミュニケーションを取り、子供の日頃の様子を観察・把握しておくことで、いじめのサインにいち早く気付くことができます。
・元気がない
・集中力の低下、やる気の低下
・食べない
・笑わない
・眠れない
・赤ちゃん返り
・自傷行為や弱いものいじめ
・パニック発作
など、いつもと違う様子に気がついたら、さりげなく声をかけたり、無理をしないように促したり、子供の苦しさやつらさに寄り添うように対応しましょう。
いつもと違う変化や不調をみつけることで、早期発見・早期対応へとつながります。
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2.子どもを責めない
実際にいじめの被害にあった場合に一番大切なのは、いじめられたことを「責めない」ことです。
いじめ被害にあったとき、被害者に落ち度があったとか、何か悪いことをしたとか、明確な理由はないことがほとんどです。
その上、もともと子供は理解できないことが起きると、「自分が悪かったのかも」と、まず自分に理由を探す傾向があります。
そのため、軽くたしなめる気持ちで
「お前も悪かったんだ」
「ケンカ両成敗だ」
などと対応してしまうと、本当にそれを信じ込み、さらに苦しむことになりかねません。
「お前は何も悪くない」
「そのままでいい」
「つらかったら、逃げてもいいんだ」
「よく、話してくれたね」
と、充分傷ついている子供をこれ以上責めないように心掛けましましょう。
3.家族全体で取り組む
日頃から、子供とコミュニケーションを取り、困ったことや苦しいことを表現できる家庭環境を作っておきましょう。
安心して気持ちを表現できる場所があると、いじめに加担することも、いじめに巻き込まれることも防ぐことにつながります。
「何かあってもパパとママは味方だ」
「困ったときはいつでも相談に乗るよ」
「一緒に考えよう」
「いつもお前に関心がある」
と、しっかりと言葉で伝え、一貫した姿勢を示すことで、
「私は大丈夫だ、一人じゃない」
「人に頼ってもいいんだ」
という感覚を育て、家族とのつながりを生みます。
「家族とのつながり」がいじめの一番の予防策であり、最後の一歩を踏み留める最大の命綱になります。
さいごに
子供特有の文化がある学校の中で、「ダサい」と思われないように、はじかれないように、生き抜くために子供たちはみんな必死です。
そんな中、特にこれといった原因がなくても、ある日突然いじめに巻き込まれてしまうことは、日頃から想定しておかなくてはなりません。
いじめは子供の問題と切り離すのではなく、思春期の心を理解した上で、家族みんなでできることを考え、家族という単位でこの問題に立ち向かう必要があるのではないでしょうか。
「いじめは起きる」
というスタンスを持ち、何か起きてから対応するのではなく、日頃からよく会話して予防策を講じておくことが大切です。
「家族が一番の味方」
そう信じさせることが、最良のいじめ対策ではないでしょうか。
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- 本記事は2019年4月29日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。