産後うつ・クライシスで離婚?後悔する前に試してほしい3つのこと【村田あゆみさん】

2018.05.31公開 2019.05.16更新

家族が増えるということは、夫婦にとって大きな変化です。

 

それまで二人でつちかってきた共通の価値観や生活を、もう一度ゼロから築き直すほどの大きな変化と言えます。

 

その意識をもっていないと、新たに出て来た価値観のずれに対応することができないまま溝が深まり、最終的な選択を考えるところまでいってしまうのです。

 

>>【産後うつまとめ】特徴・原因・チェック項目・夫婦関係・セルフケア〜

 

 

離婚が多い出産後の6年

厚生労働省の調査によると、母子家庭の56%(35.1%)、父子家庭の48%(24.2%)が、一番下のお子さんの小学校入学前に離婚を選択していることが分かります。

 

ちなみに、カッコ内の数字は、お子さんが0~2歳までの時期に離婚した家庭のパーセンテージです。

 

子どもの誕生からわずか6年の間に、夫婦の間に何が起こっているのでしょうか。

 

 

新婚時と違って待ったなし

新婚のころのことを思い出してみてください。

 

一緒に暮らすようになって見えてきた、彼の気になる行動…。

 

長いお付き合いの末にゴールインした夫婦でも、結婚生活の中で初めて気づく性格や価値観があったはずです。

 

それを、少しずつ時間や話し合いを経てすり合わせて着地点を見つけてきましたよね。

 

赤ちゃんの誕生による家族の再スタートは、新婚時と違って待ったなしです。

 

時間をかけることができないから、どうしてもずれがそのままひずみになっていくのです。

 

では、離婚を選択する前に何をしたらよいのでしょうか。

 

 

産後特有のママの状態を共有する

まず知っておいていただきたいのが、産後はホルモンバランスが崩れて精神的に非常に不安定な状況になっているということです。

 

そんな中で赤ちゃんを守るためにママは、24時間ほとんど休みなく気を張っているわけです。

 

産後うつとは違いますが、マタニティブルースと言われ、産後2ヶ月ほどは特に気分が沈みがちになったり、感情が大きく揺れ動いたりする時期もあります。

 

そうした時には、普段は気にならない夫の言動が異常に腹立たしくなったり、逆に自分のできていないことに罪悪感を覚えたりしやすくなります。

 

あまり知られていませんが、産後のホルモンバランスは安定するまでに2年ほどかかります。

 

最初にあげた数字を思い出してみてください。母子家庭の35%がこの産後2年の間に離婚を選択しています。

 

産後の安定していない状況の中で離婚を決断し、後で後悔されている方もいらっしゃいます。

 

ママ自身が、普段とは違う状況なのだということを自覚することも大切ですが、

 

同時に夫にも、妻が今は精神的にもこれまでとは違うんだということを理解してもらうことが大切です。

 

気持ちが優れなかったり、感情が大きく揺れ動くのは、ホルモンバランスのせいだということをまず共有しましょう。

 

その上で、家事や子育ての分担をしたり、それが難しい場合でも「できていなくてOK」と言う共通認識を持つだけで気持ちはかなり楽になります。

 

まずはパートナーと一緒に産後特有の状況を共有してみましょう。

 

 

新しい家族として再スタートする

家族のステージが変わる時というのは、家族全員の協力が必要です。

 

ママは妊娠期間を通して、新しく家族を作り直すイメージを描きやすいのですが、男性はそこがなかなか難しいのが現実です。

 

妻と子どもだけが新しい世界観でどんどん先に進んでいってしまう疎外感を感じています。

 

仕事から帰ってみると、いつも使っていたマグカップが違う場所に置いてある。

 

休日に出かけようと思っても、これまで通りに出かけられない。

 

自分ではなくいつも子供が優先されている。

 

夫はそんな寂しさを感じているかもしれません。

 

ママにとっては当たり前の変化でも、出産やその後の24時間の赤ちゃんのお世話をなかなか経験できない男性にとっては、そうした変化についていくのが大変なのです。

 

「赤ちゃんのお世話だけじゃなくて、夫の世話までしなきゃいけないの?」

 

そんな声が聞こえてきそうですが、一緒に新しい家族を作っていくという認識で「報・連・相」を心がけてみましょう

 

特に相談することで、夫も新しい家族づくりに参加しているという意識をもつことができます。

 

 

ストレス発散の方法を見つける

「疲れたなぁ」「イライラするなぁ」

 

そんなふうに感じた時は、思い切って一時託児などを利用して息抜きをしてみることをお勧めします。

 

自分の心に小さな隙間が残っていないと、イライラがそのまま爆発してしまいます。

 

小さな隙間を作ることで、「ちょっと待った」ができるようになるのです。

 

私は実家を頼ることができなかったし、夫も仕事ばかりだったので、自治体の一時託児を時々利用していました。

 

授乳の間の2,3時間だけとか、時には母乳を預けて半日、ちょっとコーヒー飲むだけだったり、自分のペースで家事を進めるだけでも、一人の時間を持てることで心に小さな隙間を作ることができました。

 

一人時間を作るのが難しくても、大好きなスイーツを食べたり、寝落ちせずに復活できた夜は、入浴剤を入れてお風呂に入り直したりとか、そんなことでもストレスを軽くすることができます。

 

 

さいごに

産後はとにかく不安定で、判断力も鈍ります。

 

また、子どもが2歳を過ぎて自分で歩き、話せるようになると、夫の子どもへの関わり方も変わってきます。

 

早期の判断が後の後悔につながらならないように、出来そうだと思うことから始めてみてくださいね。

 

>>【産後うつまとめ】特徴・原因・チェック項目・夫婦関係・セルフケア〜

 

 

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【Part  5】産後うつにカウンセリングがオススメな3つの理由とは?

【Part  6】産後クライシスの解決法!私が実践した3つの方法をご紹介

【Part  7】産後うつ・クライシスで離婚?後悔する前に試してほしい3つのこと

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村田あゆみ

Shiny Edu代表・教育コンサルタント

高校教師として3,000人を超える高校生を指導。「21世紀型子育てレッスン」講座・講演主催。教員経験、子育てでの産後うつ、不登校経験から学童期までの母子の関わりの大切さを伝えています。【所有資格】中学校1種教員免許状(国語)、高校専修教員免許状(国語)、JAOS認定留学アドバイザー、アドラー心理学ELMリーダー講師、勇気づけ親子心理学SHINEbasicリーダー講師

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2018年5月31日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。