感情とオナラの共通点…上手なコントロール方法を臨床心理士が解説

2016.09.30公開 2019.05.16更新

我慢することの悪影響

体内から自然に出てくるオナラやゲップを我慢し続けてしまうと身体に色々な悪影響を及ぼしてしまいます。

 

それくらい大事な生理現象の一つでもあるのです。

 

実は、「感情」もオナラやゲップと同じで、我慢してしまうと体や健康によくありません。

 

特に、怒りや寂しさ、悲しさなどのネガティブと呼ばれる感情は、我慢してしまうと憎しみや恨み、劣等感などに形を変えてしまい、様々な人間関係に悪影響が出てきてしまいます。

 

(カウンセリング場面では、相談者の感情を見極め、恨みや憎しみなどが強い場合には、その大元になっている怒りの感情に還元してくようアプローチします)。

 

では、この目に見えない「感情」にはどう対処すればいいのでしょうか。

 

 

感情とどう向き合うか

まず、「感情」というものはやってきて、しばらくすると去っていくというのが大原則です。

 

去っていくものですから、「そのまま」にしておくことがコツです。

 

ただし、オナラやゲップと同じで、TPO(時間・場所・場合)を守ることが原則です。

 

かしこまった席でオナラやゲップをまき散らしては周りが迷惑してしまいます。感情もこれと同じで、TPOをわきまえれば出しても構わないのです。

 

むしろ自然に沸き起こるものなので出して下さい。

 

 

TPOをわきまえて発散

例えば、自分の思い通りにいかない場面で怒りなどを抱いた時などに、いきなり物を投げつけたり、暴言を巻き散らしてしまうことは、オナラやゲップを周囲にまき散らすことと同じです。

 

(大人社会でもこういう人は結構いますね)

 

子どもはTPO関係なくゲップやオナラを発散しますが、これと同じで、すぐに怒りだす人というのは、行動がとても幼いのです。

 

そういう時は、怒りを聞いてくれる相手や冷静に話せる場所を見つけたり、独りでクールダウンできる場所や方法を選んで発散するクセを身につけていくことも大切です。

 

 

コントロールするのは行動

ここで皆さんに覚えておいてほしいポイントは、コントロールするのは行動であって、感情はそのままにしておくということです。

 

特に、怒りや悲しみ、寂しさなどは生きていれば抱いて当然の感情なので、すぐにどこかへしまいこまないようにしてください。

 

時間の経過と共に形を変えて必ず現れてきます。

 

 

さいごに

今回は、感情の扱い方について臨床心理士の先生に解説してもらいました。

 

感情はオナラやゲップと同じで、自然に湧き出てくるものです。

 

だからこそ、無理に抑えようと我慢するのではなく、TPOをわきまえながら、発散するコツを身に付けていきましょう。

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佐藤文昭

臨床心理士

おやこ心理相談室 室長 >>詳しい情報はこちら

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2016年9月30日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。