彼氏がアルコール依存症かも…どう接したらいいでしょうか?

2018.04.24公開 2018.05.01更新
倉本梓

回答者
倉本梓
臨床心理士

ご質問

彼氏の事なのですが、アルコール依存症の症状が出てます。不眠、寒気、寝汗、手の震えなどです。

 

本人は、「3日ぐらい断酒できるから違う」といって、病院に行ってくれません。

 

3日断酒できるのは、アルコール依存症では無いのでしょうか?

 

1度飲み始めると、限りなく飲み続けます。

 

記憶が曖昧で、飲んでるときも、飲んでないときも、攻撃的です。

 

攻撃的なので、こちらも疲れてきて、どうにでもなればいいと思いますが、やはり治って欲しいので、入院させたいです。

 

もともと、不眠症で、神経質なため、少しの音でも敏感に反応して、眠れないそうです。

 

今は、睡眠薬と、アルコールを飲んでも眠れないといっています。

 

眠れないのは、アルコール依存症だからでは?と私は思ってますが。

 

アドバイスしても、上からものを言うなと聞いてくれません。私は、そんなつもりはないのですが。

 

きちんと睡眠をとってもらい、アルコールも飲まないようにして欲しいのですが、どうすればいいでしょうか?

回答

はじめまして、相談内容を拝見しました。

 

彼氏にアルコール依存の傾向がみられるとのことですね。

 

一緒にいらっしゃるあなたとしては、心配と不安が尽きないことでしょう。

 

よくこちらにご相談くださいました。

 

あなたと彼のためになにができるか、どうぞいっしょに考えさせてくださいね。

 

つらくもどかしいのは、彼のほうに依存の自覚がないこと。

 

そして、あなたの心配がなかなか受け入れられないことではないでしょうか。

 

あなたもかなり疲弊している様子がみてとれました。

 

「このままではいけない」
「体も心も、生活も破綻してしまうのでは」

 

という不安や焦りは時がたつほどに大きくなりますよね。

 

一方で、「本人が依存を自覚できない」というのもアルコール依存の大きな特徴のひとつです。

 

それゆえ、周囲がいきなり治療を勧めることは非常にむずかしく、まずはご本人が依存を自覚するまで「見守る」という段階が必要になります。

 

とはいえ、ただ見守るだけでは変化は望めないでしょうし、なによりあなた自身が失望や無力感に苦しむことになります。

 

ですから、「見守る」間にできることを考えていきましょう。

 

そのひとつは、アルコール依存について、そして彼自身について客観的な理解を深めていくということです。

 

「今の状況を見極めるための情報整理をする」と考えるとわかりやすいかもしれません。

 

それからもうひとつ、意外に見落とされがちなことですが、あなたがあなた自身を守り、ケアしていくのもとても大切なことです。

 

アルコール依存はかかわる人たちを疲弊させるといわれますので自分の状態も折にふれてチェックすることを忘れないでくださいね。

 

アルコール依存には、

 

・飲酒量や時間を自分でコントロールできない

・離脱症状(いわゆる禁断症状)がある

 

といった特徴があり、仕事や人間関係よりも飲酒が優先されてしまった結果、生活が破綻する場合も少なくありません。

 

彼の場合は、3日ぐらい断酒できるということでしたね。

 

ただ、断酒しているあいだ離脱症状で苦しんだり、他の重要なことが手につかないというように、生活になにかしらの支障が出ているようでしたら、やはり問題があるかもしれません。

 

ただ、彼はもともと感覚が敏感なところがあるとのこと。

 

アルコールは様々な感覚を鈍らせる作用がありますので、彼にとっては自分の繊細な神経とどうにか付き合っていくために、飲酒が必要となっているのかもしれません。

 

だとすると、彼にとってはむしろこの繊細さこそが苦しさの核なのではないでしょうか。

 

断酒と並行して、感覚の敏感さとうまく付き合う方法やストレスを減らす方法を獲得していくことも不可欠となります。

 

飲酒のみに注目すると、「分かってもらえない」「否定された」という孤立感につながりやすいですので、まずはその彼の状況をこちら側が理解しつつ、彼自身がこの悪循環から抜け出したいと思えるタイミングを待ちましょう。

 

その間に、あなたにできることが何もない訳ではありません。

 

ひとつには、アルコール依存についての情報収集があります。

 

彼の状態を一般的な症状と照らし合わせることで、アルコールとそれ以外の問題を切り離して見ることができます。

 

(たとえば、彼の攻撃的な行動は飲酒にかかわらずあるということなので、繊細な性格や過度なストレスの要因も大きいかもしれません)

 

飲酒のパターンやその後の見通しについての情報があれば、あなた自身が余裕をもって彼と接するための手がかりにもなります。

 

さらに、医療機関だけでなくさまざまな支援を知っておくと、彼がアルコール問題に向き合う気持ちになったときに
彼に合った支援先を提案するための準備となります。

 

すでにいろいろ調べておられるかなと思いますが、より突っ込んだ情報が必要な場合には、自治体やNPOの相談窓口も活用できます。

 

(相談前に、あらかじめ具体的な飲酒量や生活パターンなどが分かると役立つかもしれません)

 

(例)こころの健康センター(大阪府)

 

また、アルコール依存症の方やその家族・友人の会(断酒会、アラノンなど)といった当事者グループでは、周囲の具体的な対応についてシェアするだけでなくサポートする側の本音を語ることでご自分のケアにもなると思います。

 

ご自分のケアという意味では、彼と適切な距離をとるということも大切ですね。

 

まずはご自分の身体と心、そして生活を最優先してください。

 

ケアがうまくいかないときは、誰かに話すだけでも少し楽になりますよ。

 

依存の場合は、「一緒に苦しむ」より「少し遠くから寄り添う」方がうまくいくことも多いです。

 

「何かしなければ」と焦ると苦しくなりますので、「向こうから求められたときのために、準備しておく」という心づもりでいてくださいね。

 

あなたが不安を感じることなく彼との生活を楽しめるよう、心から祈っています。

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