中年の危機で離婚する夫婦の特徴と後悔しないための5つのポイントとは?

2019.08.26公開

中年の危機で離婚する夫婦の特徴3つ

1. 過去に精神的な落ち込みを経験し、困難を乗り越える方法を見いだせていない

上述したように、過去に精神的な落ち込みを経験している方は中年の危機が特に大変になりがちです。

 

落ち込みが激しくなったり、行動化が強くなった結果 “毎日夜のお店に行ってしまう” というようなことも。

 

こういった場合、浪費も増えていくため問題が複雑になりがちです。

 

俯瞰して問題を捉えることは難しいため、夫婦が互いに疲労困憊してしまい、離婚という手段を選びやすくなりがちです。

 

2. 異性問題が露見し、二人で乗り越える方法を見いだせない

中年の危機には異性問題が伴いがちであることを説明しました。

 

この問題が起きたとき、やはり男性も女性も強いショックを受けますよね。

 

“生理的に2度と受け付けられない”といった感情になる方も。

 

“もう目も合わせたくない”と離婚に繋がりやすくなるようです。

 

3. “中年の危機” にいることを理解しておらず、不安を持て余している

思春期と同じく、中年の危機もご自身で理解することはなかなか難しいです。

 

その結果、焦燥感や不安感ばかりがつのり、一向に解決の糸口を見つけられなくなってしまいます。

・最近ファッションが急に派手になった
・パートナーに対する愛情に疑問を抱きはじめた
・筋トレを急にするようになった
・海外移住を急に考えるようになった

という行動化が無意識に起きていませんか?

 

それに伴い、浪費や夫婦関係の問題が強くなっていっていませんか?

 

ご自身の不安の原因がわからず、問題だけがこじれていった場合、相手から「あなたの変化についていけない」と離婚を切り出される可能性も。
 
 

中年の危機で離婚して後悔しないための5つのポイント

中年の危機で離婚が訪れるメカニズムを整理すると、

“悩む
→解決策がわからない
→解消できないネガティブな気持ちが夫婦関係に向かう
→離婚という新しい選択肢で解決を図ろうとする”

という心理的な構図を描くことができます。

 

つまり、中年の危機によって生じた悩みを一気に離婚で解決しよう、としがちになってしまうのですね。

 

大切なのは “本当に原因は夫婦関係なのか?そして離婚で解決できる、もしくは将来的に幸せになれるのか?” を客観的に判断することです。

 

以下の点についてゆっくりと振り返ることで、離婚後の後悔を防ぎましょう。

 

1. 自分自身の葛藤を解消する

中年の危機の根本的な問題はご自身の中にあります。

 

相手のせいにせず、まずは現状について振り返ってみましょう。

・これまでやりたかったことを家庭のせいにして我慢している
・思春期に解消できなかった悩みがある

などはありませんか?

 

2. 夫婦でお互いをよく理解する

夫婦がお互いに中年期に差し掛かっている場合、同じような悩みを抱いている可能性があります。

 

その場合、ついつい原因を相手のせいにしがちです。

・自分がこんなに老け込んでしまったのは相手にいつも合わせてきたから
・こんなにがんばってきたのに相手からは愛情の言葉もない。本当にこの人と結婚して幸せだったのだろうか……?

お互いに同じような思いを抱いている可能性もあります。

 

悩んでいるのは自分だけと思わず、相手にも似たような悩みがないか、考えてみましょう。

 

3. 自分たちが目指す夫婦像を共有し、すり合わせる

子どもが成長し、夫婦の時間が増えた。親の介護が有り、時間のやりくりを考え直さないといけない、といったことも中年期のテーマになりがちです。

 

そういった中で、夫婦としてどういった関係性を築いていきたいか、そして将来どのような人生を歩むことがお互いの幸せになるのかをぜひ話し合ってみてください。

 

仕事と同じで、お互いが黙っているだけでは当然相手の気持ちもわからないですし、良い方向性を作り出すことは難しいです。

 

4. 第三者に介入してもらう

お互いの関係性がこじれてしまっている場合、上記で述べたような話し合いはなかなか難しいかもしれません。

 

お互いの家族や友人、プロのカウンセラーの力を借りて第三者と一緒に話し合うことも得策です。

 

二人だけだと膠着しがちですが、新たな策を見出したり、二人だけでは聞き出せない相手の本音を知ることができるかもしれません。

 

5. 自分が人生で成し遂げたいことと本気で向き合う

実は1番大切なのは、この “自分と本気で向き合うこと” です。

 

人の人生を変えることはできません。

 

人の性格を変えることはできません。

 

でも自分の人生を変えることはできます。

 

あなたの人生は1度きりです。

 

あなたが成し遂げたいこと、実現したいこと、チャレンジしたいことは何でしょうか?

 

まずこのこととしっかり見つめ合うことがとても重要です。

 

その夢を理解することが、自分にとって最良のパートナーシップ像を理解することに繋がります。

 

 

さいごに

中年の危機は多くの方に訪れます。

 

そして、思春期と同じく、その真っ只中にいるときは、ただただその苦しみに巻き込まれ、客観視することがとても難しくなります。

 

少しでも心当たりのあるサインがあれば、まずはカウンセラーに話し、考えを整理してみることもいいかもしれません。

 

【参考】
平成21年度 「離婚に関する統計」の概況:離婚の年次推移
中年のアイデンティティ危機をキャリア発達に生かす -個としての自分・かかわりの中での自分-
Researchers replace midlife myths with facts
Job changes and stress management can positively affect midlife health.

 

【関連記事】

>>中年の危機・ミッドライフクライシスの男性対処法5選を臨床心理士が解説

>>中年の危機とは?期間・乗り越え方11選を心理学視点で臨床心理士が解説

>>中年の危機でうつかも…5つのチェックポイントと対処法を臨床心理士が解説

>>中年の危機による転職はNG?5つの視点から3つの選択肢を臨床心理士が解説

シェア
ツイート
ブックマーク

広瀬絵美

臨床心理士

心理学の大学を卒業後、広告会社にて勤務。退職後、心理系大学院修士課程を修了し臨床心理士資格を取得。精神科病院にて従業員のメンタルヘルスケア業務に従事する。また、国立研究所にて職場組織や妊婦さんのメンタルヘルスに関する研究にも携わっている。理想的な「ワークライフバランス」を目指し、研究と実践の両面から支援を行っている。一児の母。

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2019年8月26日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。