中年の危機でうつかも…5つのチェックポイントと対処法を臨床心理士が解説

2019.08.01公開 2019.08.09更新

40代頃から徐々に増加する、“中年の危機”をご存知でしょうか。

・健康状態の変化

・家族の成長・高齢化、職場での役割の変化

・自分自身の余命への意識

などによって、

 

「自分の人生はこれで終わりなのか?」

「やり残したことはないのか?」

 

という焦燥感を感じやすくなります。

 

ご自身のアイデンティティを模索し、「自分とは何か?」を追い求めることとなる“第二の思春期”

 

焦燥感の長期化は“うつ状態”を引き起こす原因となり得るため、早めの対策が肝要です。

 

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中年の危機、3つのうつリスク

1.健康状態の低下

40代を超えた頃から、「自分の人生はこれで終わりなのか?」といった後悔や焦りの気持ちが出てくることが特徴的な“中年の危機”。

 

こういった意識のきっかけになりやすいのが健康問題です。

 

女性の場合、閉経や更年期といった体の変化が、ご自身の人生を振り返るきっかけになることが多いようです。

 

例えば、妊娠・出産を契機にお仕事を辞められた方は、「本当はもっと仕事で活躍したかった」と後悔を感じられるかもしれません。

 

反対に、キャリアのために子育てを諦められた方もいると思います。

 

そういった方の場合は、「本当は自分には違う人生があったかもしれない」と考えることになるかもしれません。

 

こういった悩みを解消できる可能性はゼロではないかもしれませんが、多くの場合はご家庭の事情や経済的事情などによって実現できないケースも多々あります。

 

そういった場合は悩みが長期化するし、“うつ状態”となっていくリスクが高まっていきます。

 

一方、男性の場合は“性的な機能の変化”が中年の危機につながっていくことが多いようです。

「若い頃はこんなではなかった」というような自信の喪失

は、「自分の人生はこれで終わってしまうのだろうか?」という焦燥感につながり、様々な行動化を生じやすくさせます。

 

例えば、

・夜のお店で若い女性と関係を持とうとする

・家庭を顧みず、外で肉体関係を持とうとする

というように自分を試すような行動に出てしまうパターンが多く見られます。

 

こういった行動化では焦燥感は満たされず、空虚さが増した結果うつ状態につながることもあります。

 

2.定年退職による生活の変化

退職によって生活は大きく変化します。

 

・1日の時間の使い方

・家族との関係性

・交流関係の縮小

 

など、こういった生活の変化は中年の危機のリスクとなりえます。

 

新たな生活リズムや対人関係をうまく構築できなかった場合、

 

「自分は余生をどう過ごすのか?」

「妻(夫)と、これからどういった関係を築くべきなのか?」

 

といったアイデンティティの課題が生じます。

 

課題解決のためには、雑談やカウンセリングといった会話が効果的なケースが多いですが、退職後は対人関係の幅が狭くなりがちです。

 

そういった時に、会話のチャンスが減っていると解決の糸口が見つけられず、うつ状態といったネガティブな精神状態に繋がりやすくなっていきます。

 

3.両親の介護

ご自身の年齢の上昇に伴い、両親の介護問題が顕在化することが多くなっていきます。

 

このとき、

“両親に守られる自分”から“両親を守る自分”

という立場に変化することで、関係性の変化が起きていきます。

 

こういった立場の変化を受け入れることは精神的ストレスに繋がりやすく、それによって中年の危機が訪れることがあるようです。

 

また、両親の介護にどう対応するかといった方向性の不一致が夫婦間で生じ、大きなストレスに繋がりやすくなっていきます。

 

こういったストレスをうまく対処できない場合、うつ状態につながりやすいことも指摘されています。

広瀬絵美

臨床心理士

心理学の大学を卒業後、広告会社にて勤務。退職後、心理系大学院修士課程を修了し臨床心理士資格を取得。精神科病院にて従業員のメンタルヘルスケア業務に従事する。また、国立研究所にて職場組織や妊婦さんのメンタルヘルスに関する研究にも携わっている。理想的な「ワークライフバランス」を目指し、研究と実践の両面から支援を行っている。一児の母。

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