育児中の夫にイライラ…夫婦喧嘩を減らす2つの会話術とは?保健師さんが解説

2016.12.16公開 2019.05.16更新
index

育児は24時間365日休みなし…しかも思い通りにいかないことも多いですよね。

 

育児ストレス…子供に対してというよりも、夫に対してイライラを感じ、ストレスになっている方も多いのはないでしょうか。

 

私も夫にストレスを感じてしまう、その一人です。でも、子供のためにも、家族仲良し、夫婦仲良しでいたいですよね。

 

そこで今回は、育児中の夫にイライラして夫婦喧嘩…となる前に見直したい、夫婦間の「会話」についてお話ししたいと思います。

 

 

夫婦で信頼関係を築くために

夫婦は、一番小さな人間関係と言われています。夫婦という人間関係を良好に保ち、信頼関係を築くために会話は重要です。

 

イライラしていると夫婦喧嘩になりがちで、育児で忙しく会話自体減っているのに、喧嘩が増えてはさらにイライラし、悪循環です。

 

だからこそ、なるべく上手に自分の気持ちを伝え、お互いを理解できる建設的な会話ができることがとても大切になります。

 

 

育児中、夫にイライラする3つの背景

 

<生活環境の変化>

産後、母となった妻を取り巻く環境、生活リズムは劇的に変わり、妻にかかる負担は大きくなります。それを夫には、なかなか理解してもらえない…なんてことはありませんか?

 

食事も睡眠も、自分のことは後回しで子供を優先。でも夫は、夜子供が泣いても起きない、オムツもうんちだと自分はかえない、遅くまで飲んで帰ってくるなど…。

 

どちらも親なのに、どうして自分ばかり、という気持ちにもなりがちです。

 

<イクメンブーム>

最近は『イクメン』ブームです。メディアでは、育児にも家事にも積極的な男性が取り上げられ、イクメンが普通になりつつありますね。私も、つい夫にイクメンであることを期待してしまいイライラしてしまうことがあります。

 

また、その一方で、『イクメン』という言葉に違和感を感じるという声もよくききます。

 

例えば、夫はオムツを変えただけで周囲から『イクメンね~』と褒められている。自分は1日何枚も、日中問わず変えているのに何も言われない。

 

妻は『育児をやって当たり前』と周囲にも夫にもとらえられやすく、褒められることは少ない。こんなに頑張っているのに自分は認められない。不公平感を感じてしまいますね。

 

<コミュニケーション不足>

育児中は、子供中心にばたばたと過ぎ、夫婦で会話する時間は激減します。コミュニケーションが不足すると、お互いを理解できず、すれ違いが多くなってしまいます。

 

また、関係が親しくなればなるほど、不満や欲求は大きくなりやすく、『察してほしい』と考えがちです。

 

ですが、夫婦も元は他人で察することは難しいのです。そのため『理解してもらえない』と感じ、さらには『大切にしてもらえない』と感じてしまうこともあります。

 

 

育児中の夫婦が仲良く過ごすための会話術

 

<Iメッセージで伝える>

Iメッセージとは、“私(I)”が主語のメッセージのことです。それに対して、YOUメッセージがあります。こちらは、“あなた(YOU)”が主語のメッセージです。

 

妻が旦那に不満や欲求を伝えるとき、このような言葉を発しがちです。

 

・どうしてわかってくれないの?

・どうして起きてくれないの?

・どうして自分は何もしないの?

 

これらは、“あなた YOU”が主語です。これを言われた夫はどう感じるでしょうか。これらの言葉のあとに、だからあなたはダメなのよと、批判されているように感じるのではないでしょうか。

 

プライドが高い男性であれば尚更、妻に批判されると反発したくなり、喧嘩に発展しやすくなります。

 

先ほどYOUメッセージを、Iメッセージに置き換えてみるとどうなるでしょうか?

 

・気持ちをわかってもらえたら、“私は”嬉しい

・起きてくれたら“私は”助かる

・座ってばかりだと、 “私は” 自分ばかり動いて大変だと感じてしまう

 

というようになります。このように伝えると、批判的に聞こえにくいですね。そのため、相手を批判するのではなく、自分の気持ちや要望に重きを置いて伝えることができます。

 

さらに、

 

ごはんを作っている間に子供と遊んでくれたから、“私は”とても助かった

・夜、ミルクをあげてくれたから眠れて“私は”とても助かった

・積極的に子供と遊んでくれて“私は”うれしい

 

など、相手の行動による、プラスの感情についても伝えられるとさらに効果的です。私の夫はこのように伝えると、まんざらではないようで、“助かったでしょ”と言いながらも自ら進んで子供と遊んでくれます。

 

 

<相手の意見や状況を“聴く”>

会話というと、つい話し方や伝え方に目が行きますが、“聴く”ということは非常に重要で意外と難しいのです。これが上手にできる人は会話上手と言えるでしょう。

 

“聞く”“聴く”の違いはどのようなところにあるでしょうか?

 

“聞く”は、“hear”で意識せずとも聞こえてくることです。一方、“聴く”は、“listen”で積極的に耳を傾けて意識して聴くことで、これを“傾聴”と言います。

 

理解してほしいと思うのは、お互い様です。だからこそ、相手の気持ちや意見、状況を聴くことを疎かにしたくないですよね。

 

具体的な方法としては、

 

・夫が話をしているときは夫の目を見る

・話を最後まで聞く

・携帯をいじらない

・相槌を打ちながら聴く

 

などです。このように話を聴くと、相手はきちんと話を聴いてくれていると感じやすくなります。

 

 

さいごに

育児を楽しむためには、夫婦仲良くいることはとても大切です。

 

そのためには、会話がとても重要です。会話は、ただ話をすればいいのではなく、相手を理解することと、自分の気持ちや意見を適切に伝えるための大切な手段です。

 

ですが、やり方によっては喧嘩になってしまい、関係を悪くすることにもなりかねません。

 

建設的な会話をするために、

“Iメッセージ”“傾聴”を取り入れてみてはいかがでしょうか。

 


icon_3【執筆者】

豊田春奈 保健師

豊田さんのインタビュー記事はこちら

シェア
ツイート
ブックマーク
  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2016年12月16日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。