うつで退職…引継ぎができない場合の対処法は?精神保健福祉士が解説
担当者以外が仕事の進捗を把握していない…ということはよくあります。
うつになる前は、引継ぎのことなどあまり気にしていなかったという方も多いのではないでしょうか。
急に退職せざるを得なくなったとき、担当業務をどのように処理すればいいか解説していきます。
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うつのときと普通の退職、異なる点は?
うつで退職を考えるときと病気以外の退職では、体調や業務遂行能力に大きな違いがあります。
起き上がることや家から出ることも難しい中で、がまんして引継ぎをこなすことはとても難しいです。
では、引継ぎを全くしないで出勤をやめてもいいかというとトラブルにつながりかねません。
体調をみながら、円満に退職するにこしたことはないのです。
うつで退職、引継ぎができなくても大丈夫?
退職を考え始めたとき、
「自分がいなくなったら、人が足りなくなってしまう。」
「後任が決まるまでやめるわけにはいかない。」
と感じることがあると思います。
上司から、引継ぎが終わるまで慰留されることもあるかもしれません。
すべての業務を区切りよく終えることが理想的ですが、病気による退職はなかなかそうもいきません。
基本的には、退職の意思表示をしてから2週間後には会社との契約を解除することができます。
しかし、就業規則に引継ぎについての事項があれば、それに従う必要があります。
就業規則の「退職」について確認すること、退職について上司と相談する機会を持つことが必要です。
また、退職にあたって医師の診断書が必要なのか気になる方もいると思います。
退職そのものには理由を説明する義務はありませんが、
「引継ぎが全くできない」
「退職の意思を伝えてから2週間勤務を続けられそうにない」
というときには、医師と相談の上、会社に事情を説明するために診断書を用いることもあります。
引継ぎができない場合の3つのケースとは
①後任がいない
②時間が足りない
③後任者とのスキルに差がある
①後任がいない
うつによる休職・退職は、医師に就労不可だと判断されている場合が多いので、後任が決まるまでずっと働き続けるのは難しいでしょう。
②時間が足りない
引継ぎを含めても1カ月程度で退職できるよう調整するのは会社の役目です。
退職日の目安をつけて最低限の引継ぎができるよう話し合えれば理想的です。
③後任者とのスキルに差がある
また、後任が新人であったり、業務を任せるには経験が十分でなかったりする可能性は大いにあります。
後任を一人前にする、自分と全く同じ業務をこなせるようにすることを目指すと、引継ぎが終わらなくなってしまうので、引き継ぐ事項やスケジュールを前もって決めるようにしましょう。
引継ぎができない場合の3つの対処法とは?
業務マニュアルを作成する
引継ぎ時だけでなく、普段から心がけておきたいのが業務マニュアルをまとめておくことです。
退職時以外にも、長期休暇や急な欠勤に備えて「職場の人が見れば、進捗状況がわかる資料」を用意しておきましょう。
これまで作成していなかった場合は、退職を考え始めた日から少しずつ業務内容をまとめておくだけでも引継ぎに割く時間が短縮できます。
後任者だけではなく、上司にも引継ぎ事項を伝える
新しく人を雇用したり経験がない人に業務を教えたりする場合には、時間的にも内容的にもすべてを伝えることは難しいです。
後任だけではなく、上司にも引継ぎ内容を伝え、フォローに入ってもらえるようにしましょう。
引継ぎのゴールを決めておく
病気退職に限らず、退職日までに完全に引継ぎを済ませることは難しいことがあります。
スムーズな引継ぎも大切ですが、上司と話し合って「最低限どこまで引継ぎが必要か」を決めるといいと思います。
企業と退職する本人が何を合意しているかはとても大切なので、退職の意思を伝えるときによく話し合っておきましょう。
さいごに
いろいろポイントをお伝えしてきましたが、うつのときには全く引継ぎを行えないこともあります。
日頃から、自分以外が業務を理解しやすいように資料やメモを整理しておくと、いざというときにも安心です。
やむを得ず、突然の退職になってしまう場合もありますが、退職金の支払い拒否などトラブルにつながりやすいので、上司や人事にはよく相談しましょう。
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- 本記事は2018年10月11日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。