薬の飲み忘れ防止アイデア4選!服薬管理のコツを精神保健福祉士が解説
みなさんは決まった時間に服薬することができていますか?
体調を崩し、後から考えると薬を飲み忘れていたかも…ということはよくあります。
精神疾患の治療において服薬はかかせません。
服薬管理をきちんと行うことは、良好な体調を保つことにつながります。
ここでは、おすすめの服薬の管理方法をお伝えします。
精神科と内科の薬の違いとは?
「精神科の薬が処方されているけど、よくなったら飲むのをやめていいんでしょ?」
「薬があってもなくても変わらない気がする。」
という方はたくさんいます。
かぜやその他の病気で薬を処方されても、1,2週間で症状が消えれば、もう病院へ行かなくてもいいですよね。
では、かぜで処方される内科の薬と、精神科の薬は何が違うのでしょうか?
精神疾患は脳内の神経伝達物質が分泌異常を起こすことで起こります。
いろいろな研究がありますが、原因や完治の方法はまだ見つかっていません。
精神疾患と内科的疾患の違いは、「完治のしにくさ」にあると思います。
かぜなどの内科的疾患は、ウィルスに対して体の免疫機能が反応し、炎症を起こすことで症状が出ます。
ウィルスが死ぬことで、体が炎症を起こす必要がなくなり、服薬の必要もなくなるのです。
しかし、精神疾患では何らかの原因で、気持ちを高ぶらせる物質が出続けたり、反対に幸福を感じる物質が少なくなってしまったりすることが続きます。
服薬を続けることで、脳が正しく機能するようにする必要があります。
精神科の薬を飲み続けることは、安定した状態を維持するために必要なことなのです。
薬を飲み忘れる人にありがちな3つの声
精神疾患の方を支援する中で、服薬の中断はよく課題に挙がります。
服薬を中断する理由は様々ですが、以下のようなものが多いです。
病気が治ったと思った
精神科の薬は、効き目が表れるまでに約2週間かかります。
効き目を感じ始めて、症状が楽になると「もう病気が治ったんだ」と服薬や通院をやめてしまう方が多いです。
薬に依存性があると思い、短期間でやめたほうがいいと思った
「精神科の薬を飲み続けてはいけない」というイメージが根強いです。
精神科で用いられるベンゾジアゼピン系の薬品は依存性がないとはいえません。
しかし、アルコールやカフェイン、ニコチンなど日常生活で摂取できるものにも依存性はあります。
治療を続けることのメリットと服薬をやめることのデメリットを主治医と確認して、納得した上で服薬を続けてもらえればと思います。
薬を飲んでも症状が変わらなかった
①で記述したとおり、精神科の薬が効き始めるには約2週間かかります。
また、薬の種類や量を調整しながら合うものを探していくので、すぐには効いている実感がわかないこともあるでしょう。
自分では効果がわからなくても、家族や周囲の人が「前より楽そうだな。」と気づくこともあります。
上記に共通するのは、
「自分の症状に対して、薬はそれほど重要だと感じていない」
という点です。
治療を始める時点で「自分にはどんな症状があって、なぜ服薬が必要なのか」、よく主治医や周囲の人と相談して、効果を確認してみてください。
- 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
- 本記事は2018年11月25日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。