薬の飲み忘れ防止アイデア4選!服薬管理のコツを精神保健福祉士が解説

2018.11.25公開 2023.04.27更新

薬の飲み忘れを防ぐ!おすすめの方法

さて、ここまでは服薬を続ける理由と中断してしまう人によくあることを解説してきました。

 

薬を飲み続ける意志はあるけれど、忘れてしまう方には飲み忘れ防止方法があります。

 

ぜひ服薬管理の一環として使用してみてください。

 

おくすりカレンダー

精神科の訪問看護を利用すると、よく用いられるのがおくすりカレンダーです。

 

1週間分の薬を設置するポケットがついており、朝~寝る前までのお薬をあらかじめセットして、そこから必要なお薬を取り出して飲みます。

 

おくすりカレンダーのいいところは、

・飲み忘れがあると一目でわかるところ

・他の人と一緒にセットできるところ

です。薬の飲み忘れは、意外と自分では気づきません。

 

家族や訪問看護師、支援者が飲み忘れて溜まった薬をみつけて、気づくということがとても多いです。

 

曜日、時間ごとに薬をわけておくという点ではピルケースと変わりないように見えますが、壁掛け式のおくすりカレンダーは他の人が飲み忘れに気づきやすいため、飲み忘れ防止にとても有効です。

 

服薬管理アプリ

スマートフォンをお持ちの方であれば、アプリが役に立ちます。

 

「服薬 アプリ」と検索するといろんなアプリが表示されるので、使いやすいものを選ぶとよいと思います。

 

服薬の時間を設定して、スマートフォンに通知が表示されるようになるものがほとんどで、薬を飲んだらチェックボタンを押すようになっています。

 

スマートフォンをよくチェックする人、飲んだ後のチェックボタンを押し忘れない自信がある人は、これが使いやすいです。

 

薬局で薬を分包してもらう

薬を飲み忘れてしまう一因として、

「薬が複数処方されていて、どれをいつ飲めばいいのかわからなくなってしまう」

ということが挙げられます。

 

調剤薬局で薬を受け取るときに、一度に飲む分を1袋にまとめて分包してもらうことができます。

 

薬局で「分包をお願いします。」と伝えれば、薬剤師さんが準備してくれるので試してみてもいいと思います。

 

注意点は、薬剤師さんも薬をパッケージから出して袋に入れなおすので、待ち時間がかかるというところです。

 

30分~1時間程度待つか、後で受け取りに行くなど工夫をしましょう。

 

訪問看護の利用を検討

「次回の通院までにほとんど服薬ができない…」

「自分の力だけではどうしても服薬できず、症状が悪化してしまう」

 

そんな方は精神科訪問看護の利用を考えてみてもいいかもしれません。

 

精神科訪問看護では、週に1回30分程度、看護師さんが自宅へ訪問をしてくれます。

 

おくすりカレンダーのセットや飲み忘れの確認、体調のチェックをしてくれるので通院治療にプラスしたフォローが必要な方には重要なサービスです。

 

主治医に相談し、訪問看護が必要との診断が出れば、医療保険を利用してサービスを利用することができます。

 

【関連記事】

>>訪問看護とは?サービス内容・費用・利用者・精神科の事例を社会福祉士が解説

 

さいごに

薬を飲み忘れないことももちろん大切ですが、

・どうして薬が必要なのか

・服薬を続けるとどんな変化があるのか

納得してから治療を始めることが大切です。

 

服薬に対してはいろんな意見、方針があると思います。

 

しかし、わたしは精神疾患の方を支援する中で、服薬をしていたほうが不要な入院を避けられたり、重い症状に苦しめられたりする部分が大きいと感じています。

 

必要な薬を服用し、飲み忘れを防ぎながら治療を続けていけるよう工夫をしていきましょう。

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菊池恵未

精神保健福祉士

精神保健福祉士として、都内NPOにて精神障害者の支援を行う。就労支援担当として面接同行や就職後の業務メニュー作成などをしてきた。障害年金や生活保護受給の相談にものっている。JCTA日本臨床化粧療法士協会認定のもと臨床化粧療法士®として隔月でメイクアッププログラムを実施中。

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2018年11月25日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。