新卒1年目で適応障害、夫婦でうつ病を経験して感じたこと【小松亜矢子さん:前】

2016.11.26公開 2016.11.27更新
 
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今回は、うつ病当事者で、ウェブメディア等でのライターとしても活動している小松亜矢子さんにお話を伺ってきました。

 

前編では、小松さんが、うつ病を発症するに至った背景や、うつ病を公表したことへの想いなどについて話していただいています。

 

 

看護師からライターに

これまで看護師としての仕事をメインにしていましたが、今はウェブメディア等で、メンタルヘルス関連を中心にしたライターのお仕事をしています。

 

そもそも、医療の世界に興味を持つようになったには、学生の頃にテレビで医療系のドキュメンタリーを見て、「医療の世界って面白そうだな」「大きい病院で、バリバリ働いてみたい」と思ったことがきっかけです。

 

「看護師の仕事は良いよ」という親の刷り込みも多少ありました(笑)。

 

それで、看護師やりたいと思うようになり、学校へ行って卒業して、看護師の資格取ったので、必然的に看護師として働き始めたという感じですね。

 

自衛隊の看護学校に通っていたので、新卒で仕事を始めた病院は自衛隊の看護学校でした。最初の配属は、そこの病院の外科病棟でしたが、1年ぐらいで辞めちゃったんです。

 

実は、新卒1年目で適応障害を発症したんですよね。それで結局、辞めてしまって、その後は派遣してみたり、就職したけど辞めてみたり…を繰り返していました。

 

 

新卒で発症した適応障害

最初に発症したのは、新卒の時の適応障害でした。私、もともと人に話すのが苦手だったり、責任感が強かったり、完璧にやらないと気が済まないところがありました。

 

あとは、親に言われたのがきっかけで、看護師になったというのもあって、「親の期待に応えなきゃ」というところも、多分あったんですよね。

 

看護学校にいた3年間は、看護師になるという短期的な目標があったので、学生時代は頑張れたのですが、いざ看護師の資格を取って就職してしまったら、その後の目標が見えなくなっちゃって。バーンアウト状態だったんでしょうね。

 

また、配属された病棟も先輩方が結構厳しいところだったので、それで、うまく働けなくなってしまったというのがきっかけだったように思います。

 

今はもう通院していないですが、治ったかと言われると、よく分からないですね。病気とそうじゃない境目ってよく分かんないですよね。薬も、今はもう飲んでないですが、うつっぽいなと思う時もまだあります。

 

 

精神科を辞めた理由

新卒1年目で適応障害になり、看護師の仕事を辞めてから、色々な仕事を経験した後、精神科の看護師として医療の現場に戻ることにしました。

 

精神科の医療はすごく歴史が浅くて、昔は患者さんが虐げられていたというか、ちょっと頭のおかしい人みたいな感じで虐げられていた過去があったりするんですよね。

 

これは、職場の人に聞いた話なんですけど、夜勤スタッフの仮眠用布団を患者さんが敷くなんてこともあったみたいです。

 

さすがにそういうことは今は無いですが、看護師が「ワーッ」と患者さんに上から目線でモノを言ったり、平気で患者さんが傷つくようなことを言う看護師は結構います。過去からの空気はまだ残っているんですよね。

 

結局、私はそれが嫌で、「そっち側」にいたくないっていう理由で辞めました。

 

 

看護師をやっていて良かったこと

「良かった」って難しいですね。特に、私の職場の場合、相手にしているのが統合失調症の患者さんでしたので、患者自身の状態が良くなるということがあまりなく、「良かった」と実感することが難しいのかもしれないです。

 

他の科だと、患者さんの状態が良くなって退院して行くとか頻繁にありますが、統合失調症の場合、長い人は10年単位で病院います。実際、私の受け持ちの患者さんも、20年近く病院にいる方でした。

 

そういった意味で、患者さんの安静期において、何をもって「良かった」とするか、やりがいをどこに置くかは難しいように思います。

 

ただ、患者さんが、いつも出来なかったことが、ちょっとだけでも出来たり、「いつもよりも表情がいいな」って時は、良かったなと感じましたね。

 

あとは、できるだけ患者さんの目線に近い位置に立てるように心掛けていて、話が終わった後に「ありがとうございました」と言われた時は、ちょっと嬉しかったですね。

 

 

夫婦でうつ病に

彼と出会った時からすでに私はうつ病でした。それから、1年ぐらい一緒に生活した後に、彼も発症してしまったんです。

 

彼自身、そんなに友人が多い方ではなかったので、話す相手がいなかったのかもしれません。仕事以外は私と話すだけの生活だったので、それでストレスが溜まってしまったのかなと思います。

 

彼が自分の親に話しても、「あなたが支えてあげなきゃ駄目よ」みたいに言われちゃうから、彼自身の辛さの行き場が無くなってしまい、それで爆発しちゃった感じでした。

 

うつ病を抱えながら一緒に過ごすのは、やっぱりしんどいです。相手が落ち込んでいると、自分も一緒に落ち込んじゃいますし。

 

相手の状態がひどい時に、「結局、誰が生活を支えるの?」となったら、自分がしんどくても、彼の症状が今ひどいからと思って、体に鞭打って働く感じになるので、どこかで無理が生じやすくなります。

 

夫婦でうつ病だったら、「二人とも仕事できなかったら、どうするの?」って当然なりますよね。当時、かろうじて私が働けていたので、何とかなりましたけど、今年になって離婚しちゃいました。

 

結局、周りにどれだけ支えてくれる人がいるかが大事と実感しています。

 

家族、親戚、友人、知り合い、病院スタッフとか、支えになれる人がいれば良いですけどね。ただ、転勤などで地方に行って、「自分たち夫婦しかいない」となると、結構厳しいかなと思います。

 

 

心配してくれる人がいた

最初に人に言ったのは、適応障害と診断されてから、看護学校時代の同期2、3人に電話した時です。「実はこういうことになって」みたいな。

 

電話した友達は、すごく元気で明るい性格だったので、きっと元気を分けてほしかったんでしょうね。

 

それから当時、最盛期だったmixiで、「実は……」みたいなことを書いて、みんなに言ったのが最初だと思います。

 

それで色々話していたら、思いのほか、私のことを気にかけてもらったという感じがありました。「私のこと、心配してくれる人いたんだ」っていう感覚です。とても嬉しかったですね。

 

 

うつ病前とうつ病後

ずっと挫折みたいなものを感じずに生きてきたのに、突然、適応障害になって、一回折れてしまった感覚がとても辛かったです。

 

ただ、それでも「まあ、いっか」と言うか、そこまで頑張らなくてもいいのかなとは思うようになりました。あとは、人間関係に対して、肩肘を張らなくはなったという気はします。

 

適応障害になって、看護師の仕事から離れた時期もあったので、医療関係以外の知り合いも増えて、世界が広がったことは良かったと思います。今のライターの仕事もそうですが、いろんな選択があるんだなというのを知れました。

 

うつ病になってからの働き方としては、まずちゃんと続けて働けるように、ルーティーンで働ける職場を選んでましたね。あとは、職場が家から遠くなく、できるだけ規則正しく生活ができることも重視しました。

 

やっぱり、看護師時代のような夜勤があると、それだけでもしんどかったりします。仕事の内容とかやりがいとかではなくて、自分に合った条件で、働きやすいであろう条件で探しました。

 

 

「自分だけじゃない」と、思ってもらたい

ライターとして、自分のことを書き始めたのは、自分の症状が少し良くなってからですね。

 

うつ病が現在進行中の人って、そもそも自分で書くことが難しいじゃないですか。だから、意外と当事者の体験ってウェブ上でも、そんなに出て来なかったんです。

 

なので、私が書いたら、ちょっとは何か役に立つんじゃないかなと思って公表することにしました。

 

実際、友達に初めて打ち明けた時は、「どう思われるかな」っていうのは気にしていましたが、言っても大丈夫なんだなって思えたら、公表することに対して、あんまり抵抗はなかったです。

 

いざ公表してみると、「実は私も」みたいな人が結構出てきました。その人たちが自分の症状を打ち明けて、「自分だけじゃないんだ」と思ってもらえるようになったところを見て、公表して良かったのかなと思いましたね。

 

なので、うつ病などで一人で悩んでいる人に対して、少しでも役に立てられるように、ライターのお仕事などを通じて、発信していきたいと思っています。

 

後編に続きます

後編では、うつ病当事者でもあり、看護師資格を持つ小松さんの視点で、精神疾患の予防や、家族が出来ることなどをお話しいただいています。ぜひお楽しみに!

 

 

 

インタビューを受けてくださる方、募集中です

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【専門家の方へ】

臨床心理士、精神保健福祉士、看護師、保健師、産業カウンセラー、支援機関の職員など、すでに多くの方にインタビューを行っています。ご自身が、有名かどうか、権威かどうかは関係ありません。

 

これまでの経験・取り組みや、ご自身の想いを読者に届けていただき、

Remeのミッションである「こころの専門家へのアクセスの向上」「こころの健康に関するリテラシーの向上」の実現のために、お力をお貸しいただけますと幸いです。

 

ご興味をお持ちいただけましたら、下記フォームよりお問い合わせください。24時間以内にご連絡いたします。

 

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