フリースペースとは?対象・支援内容・利用方法・事例を専門家が解説

2017.03.02公開 2017.09.17更新
 
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フリースペースとは?

精神疾患を抱えながら通院治療を行い、地域社会で暮らしているけれど、ふとしたときに「自分のことやさまざまな問題を気軽に相談できる場所がほしい」と感じてしまう方はいらっしゃいませんか?

 

自分の悩みを相談できる場所は色々とありますが、大抵事前に日時を予約したり、プログラム活動に規則的に通ったりなどの必要性が出てくることが多いものです。

 

しかし、そういう規則的な活動が負担に感じるという方には、予約なしで立ち寄ることができるフリースペースがおすすめです。

 

ここでは、フリースペースの詳細についてお伝え致します。

 

フリースペースの対象

フリースペースを利用できる対象者は、以下のような方になります。

 

・精神疾患を抱えるすべての方

・精神疾患の方を支える家族の方

・精神疾患を持っており、同じ境遇の仲間たちと触れ合いを持ちたい方

 

気軽に自分の悩みを相談したり、分かち合いをしたりする希望がある方は、どなたでも参加できます。

 

 

フリースペースの支援内容

フリースペースは、精神障害者就労施設や個人のボランティア団体などが、施設や会場の一室を提供し、その場で参加者とのコミュニケーションを図ったり、何かしらの創作活動やスポーツを行ったりすることで、彼らに憩いの場所を与えることが目的です。

 

開催日時は、月に2回、10時から15時頃でその時間帯であれば、自由に参加し、自由に帰宅できるケースが多いと言われています。

 

このように気兼ねのない集まりを体験することで、相談できる仲間ができたり、社会参加への後押しとなってくれたりすることが可能です。

 

 

フリースペースの費用

多くのフリースペースでは、無料か、1回の参加で数百円の参加費を必要とすることがありますが、高額な参加費を求められることはないようです。

 

フリースペースの利用方法

フリースペースを利用したい方は、以下のような手続きがあります。

 

・主治医がいる場合は、まずは相談をしてみましょう。病院の一角にてフリースペースを開催していることもあるため、スムーズに参加がしやすくなると思われます。

 

また、その家族の方も参加できる場合が多いので、共に主治医やかかりつけの医療機関に尋ねてみることも良いでしょう。

 

・特別なかかりつけ病院がない場合は、最寄りの市役所に相談してみることが可能です。

 

市役所では、さまざまなフリースペースについての情報を持っていますので、最適な場所をアドバイスしてくれると思われます。

 

フリースペースへの参加は、特に事前申し込みなどは必要なく、当日参加で可能な場合が多いです。

 

しかし、突然の参加が不安な方やどのような活動をしているか知りたいと言う方などは、目的のフリースペースへ事前に電話などで尋ねてみることをおすすめします。

 

 

フリースペースの事例

Aさん 30代女性 適応障害

Aさんは学生時代に成績も良く、就職活動もスムーズに進み、大学卒業後はアパレルメーカーの企画室に就職が決まりました。

 

斬新なアイディアと積極性で新入社員でありながら、めきめきと頭角を現し、28歳の若さで現場担当の責任者として抜擢されました。

 

自分の仕事ぶりが認められたことで、より仕事に励み、残業や休日出勤もいとわないAさんでしたが、彼女の活躍ぶりと評価を妬んだ先輩社員から無視や暴言などのいじめを受けるようになり、いつの間にか恐怖感や不眠が出現し、出社することもできなくなりました。

 

3ヶ月の休職期間を経て、結果としてAさんは、会社を退職。その後、自宅に引きこもるようになりましたが、症状の改善が見られなかったため、精神科病院を受診。適応障害と診断されました。

 

しばらく通院治療を続けるうちに、外出に関する恐怖や不眠も改善してきたAさんは、少しずつ社会復帰に向けてリハビリをしていきたいと思うようになりました。

 

ただ長い時間、人と触れ合うことはまだ勇気がいるということを主治医に相談すると、主治医はフリースペースというサービスを利用すれば、時間制限などがないし、好きな日にちに同じ悩みを抱えた仲間たちと出会うことができる可能性があるため、市役所に尋ねてみてはどうだろうかと提案。

 

Aさんは自分が通えそうなフリースペースを探すことに決めました。

 

フリースペースのことを市役所に尋ねたAさんは、ボランティア団体が運営するフリースペースの情報を提供され、直近の開催日時を教えてもらったうえで、そこに参加することになりました。

 

参加当日、開始時間ちょうどに到着したAさんをスタッフや利用者たちは温かく迎えてくれ、途中参加や退出も自由なこの空間は、Aさんを安心させてくれました。

 

今回のフリースペースのプログラムは、利用者同士のフリートークで、自分の悩みや問題などを自由に話し合ったり、お互いに対する有益な情報を交換したりというもので、Aさんも気兼ねなく自分のことを打ち明けることができました。

 

その後もAさんは、定期的にフリースペースに通い続け、自分と同じ疾患を抱える友人もできました。彼女はこの場所に参加することで、自分らしく過ごすことができるような気がして、一歩前進した気分になっています。

 

 

フリースペースの注意事項

フリースペースは、精神疾患を抱える方の憩いの場として提供されていますが、開催頻度が少ない場合が多いため、もっと密接な交流がしたいという方には物足りなさがあるかもしれません。

 

また、単体のフリースペースは少なくなってきており、障害者就労施設に通所中の方のために、施設内にスペースを確保している場所も多いため、何らかのサービスと併用しながら利用しなければならない必要性が出てくることもあります。

 

 

Misudu Kukita【執筆者】

久木田みすづ 精神保健福祉士 社会福祉士

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