【カウンセリングの効果】8つの疑問に論文を用いて臨床心理士に答えてもらいました
目次
カウンセリングの料金が高い…相場はどれくらい?
相場はどれくらいの料金なのでしょうか?
たしかに保険が効かないこともあり、高く感じる人も多いと思います。
しかし、このカウンセリングでの心のケアが、後々の医療費の大幅な減少につながるとも言われているんです*14)。
合計すると、435,000円。結構かかりますよね…。
「涙もろい」と言った大きな精神症状につながる前のカウンセリングであれば、5回程度で効果が得られるとされています。
精神的なケアを怠ってしまうことは、身体的にも悪影響になります。
それくらいの力をカウンセリングやセラピーは持っていますし、私たちカウンセラーは、「精一杯、この人の人生に関わっていくぞ」という覚悟で関わっていきたいという思いでいます。
精神的なケアの選択肢としてカウンセリングが当たり前になるような料金形態も今後期待したいと思います。
良いカウンセラーの見分け方
事前に調べるときのポイントもあればぜひ教えてほしいです。
ただ、専門的なトレーニングを受けていることが問題の改善に役立つということは明確なようです*12)。
ベテランであれば良いという単純なことでもなさそうですね。
それによると、専門的なトレーニングを受けているカウンセラーの方が問題を解決するまでの時間が短期間だそうです*13)。
日本には心の問題に取り組む職種として、心理カウンセラー、サイコセラピスト、心理相談員などの名称で呼ばれる人々がいますが、それぞれに明確な資格があるわけではありません。それに対して「臨床心理士」は、公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会が実施する試験に合格し、認定を受けることで取得できる“心理専門職の証”となる資格です。実際には、臨床心理士の資格所有者が、たとえば文部科学省の実施する全国公立中学校や小学校に1996年以降よりスクールカウンセラーとして任用(派遣)され、活躍している(5,000名)
引用元:日本臨床心理士資格認定協会HP
資格やどんなセラピーをしているのかを書いていないのであれば、問い合わせることも良いと思います。
可能な限りの情報は掲載すべきと思っていますが、上記のような事情で掲載していない場合もあるので、直接問い合わせてみてください。
カウンセリングに行くのが怖い人へ
そのあたたかい思いを受け入れたい気持ちもあります。
しかし、そういった人のセラピーを受けることで、カウンセラーが意図していないうちに洗脳のような形になってしまうことがあると思います。
そんなふうに「カウンセリングもなかなか悪くないよ!」という人が増えるといいなと思っています。
【参考・引用一覧】
2) ミック・クーパー.清水幹夫,末武康弘 監訳 (2012).エビデンスにもとづくカウンセリング効果の研究-クライアントにとって何が最も役に立つのか-.東京:岩崎学術出版 pp47-57.
3) Howard, K. I., Kopta, S. M., Orlinsky, D. E. (1986) ‘The does-effect relationship in psychotherapy’., American Psychologist, 41(2): 159-164
4) Hansen, N. B., Lambert, M.J. and Forman, E.M. (2002) ‘The psychotherapy dose response effect and its implications for treatment delivery services’. Clinical psychology: Science and Practice, 9(3): 329-43.
5) Kopta, S.M. Howard, K. I., Lowry, J. L. and Beutler, L. E. (1994) ‘Patterns of symptomatic recovery in psychotherapy’ , Journal of Counseling and Clinical Psychology, 62(5): 1009-16.
6) ミック・クーパー.清水幹夫,末武康弘 監訳 (2012).エビデンスにもとづくカウンセリング効果の研究-クライアントにとって何が最も役に立つのか-.東京:岩崎学術出版 pp34.
7) Lambert M.J. and Ogles, B.M. (2004) ‘The effectiveness of psychotherapy suprtvision’, in C.E. Watkins (ed.), Handbook of psychotherapy Supervision. Chichester: Eily, pp. 421-46
8) Nicholson, R.A. and Berman, J. S. (1983) ‘Is follow-up necessary in evaluating psychotherapy? Psychological Bulletin, 93(2): 261-78.
9) Paulson, B.L., Worth, M. (2002) ‘Counseling for suicide: client perspectives’, Jourmal of Counseling and Development, 80(1): 86-93
10) ミック・クーパー.清水幹夫,末武康弘 監訳 (2012).エビデンスにもとづくカウンセリング効果の研究-クライアントにとって何が最も役に立つのか-.東京:岩崎学術出版 pp201.
11) Beutler, L. E. Mlik, M., Alimohamed, S., Harwood, M. T., Talebi, H., Noble, S, et al. (2004) ‘Thrapist variables’, in M. J. Lambert(ed.), Bergin and Garfield’s Handbook of Psychotherapy and Behavior Change (5 th edn). Chicago; John Wily & Sons, pp.227-306
12) Hillsenroth, M. J. Defife, J. A. ., Blagys, M.D. and Ackerman, S. J. (2006) ‘Effect of Training in short-term psychodynamic psychotherapy:changes in gratitude clinician technieque’ Psychotherapy Research, 16(3): 293-305.
13) ミック・クーパー.清水幹夫,末武康弘 監訳 (2012).エビデンスにもとづくカウンセリング効果の研究-クライアントにとって何が最も役に立つのか-.東京:岩崎学術出版 pp120.
14) Chillies, J. A., Lambert, M. J. and Hatch, A. L. (1999) ‘The impact of psychological interventions on medical cost offset: meta-analytic review’. Clinical Psychology: Science and Practice, 6(2): 204-20
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- 本記事は2020年4月10日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。