【第17話:あなたの気分も晴れるといいな】〜お父さんうつ日記〜
これは父との何気ない会話のシーンなんですが、今でも私の心に温かく残り続けています。お気に入りの4コマです。
久しぶりに良く晴れた日の朝。
父の部屋を覗くと、父がベッドの端に座っていました。私はなんとなく吸い寄せられるように隣に座りました。
私が「今日晴れたね」と話しかけると、父は「うん、洗濯物乾くかな」と返しました。
この「洗濯物乾くかな」という言葉がすごく印象的でした。
父の口から未来のことについての言葉を聞くのが、うつ病再発以来初めてだったからです。
何となくですが、少し前向きな気持ちになっているのかなと感じました。お天気のおかげでしょうか。
この会話がお気に入りなのはなぜでしょう。
父が、何となくポジティブになったと感じたからだけではないような気がしています。
今考えると、“ただの父と娘”になれた瞬間だったからだと思います。
父が病気になってからは、私と父の間に“うつ病患者とその家族”という関係性が、多少なりとも常に成り立っていました。
当時は、何となく心配で様子を見るとか、薬を飲んでいるか確認するとか、そういう行動が多かったんです。
でも、あの日は違いました。
久しぶりに「いい天気だな~」と思って、人と共有したい気分になって、父に話しかけたら、父もそれに応えてくれて。
病気にも何にも関係の無い、ただの天気についての話ができたこと、どんな家族も友だちもするような会話ができたことが、たまらなく嬉しかった。
これが天気のおかげなら、私はあの日の高気圧さんに「ありがとう」と伝えたいです。
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【執筆】
シブ子
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- 本記事は2017年4月26日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。