子育てのイライラで赤ちゃんに暴言、叩く…対処法として「ほどよい母親」のススメ

2020.07.02公開

赤ちゃんへの暴言で自信を失う前に

近藤
暴言や叩いたことでの自己嫌悪や子育てへの自信を失わないために、どんなことをしたらいいでしょうか?

 

気持ちを話す

一人で考えると考えが固定されやすく、極端なものになることがあります。

 

そのため、自分のことを強く責めたり、「全くダメな母親だ」とすべてを否定したい気持ちになったりすることにつながります。

 

そんなときは、一人で抱えず、家族や友人などに気持ちを話してみてください。

 

誰かに話すことで、気持ちが楽になり、また自分では思いつかない解決方法を知れたり、別の視点を見つけたりできます。

 

自分の怒りを整理する

暴言や暴力など、衝動的な行動によって子供は大きな心の傷を負うことがあります。

 

その影響はその場だけに限らず、今後の人格形成や対人関係の作り方にもあるといわれ、多岐にわたります。

 

自分の自信のためにも、子供のためにも、怒りの適切な対処の仕方を考え、整理することも大切です。

 

一人で難しい場合は、カウンセラーなど専門家を利用することも良いかもしれません。

 

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自分のケアをする

だれかが落ち込んでいたり、自信を失っていたら、どのような言葉かけをしますか。

 

優しく声をかけたり、気分転換ができることを誘ったり。

 

それと同じように、落ち込んでいるときは、自分に優しい声をかけ労わってあげることが大切です。

 

暴言や叩いた後の子供への接し方

近藤
カッとなって暴言や叩いてしまった後に子供に対する接し方で大切なこと

ついイライラしていってはいけない言葉を言ってしまったとき、手をあげてしまい、後悔をしてしまうこともあるかもしれません。

 

そんなときは、なかったことにするのではなく、子供としっかりと向き合うことが大切です。

 

子供に誠意を持ってあやまる

子供も気持ちを持った一人の人間です。

 

感情的になって傷つけてしまったことを子供に伝わる言葉にして謝りましょう。

 

子供の話に耳を傾ける

自分の気持ちを伝えたうえで、子供はどんな気持ちになったのか、耳を傾けることも大切です。

 

直接聞かなくても、

「悲しかったよね」

「嫌だったよね」

と気持ちを想像して言葉を伝えることで、気持ちを受け止めてあげましょう。

 

抱きしめる

身体接触は、心を癒し、愛情を伝える効果があります。

 

うまく言葉にできないときは、ひとまず抱きしめて、愛情を伝えましょう。

 

抱きしめることが難しい場合は、背中をさすったり、手を握ったりでも構いません。

 

意識的にスキンシップをしてみてくださいね。

 

【関連記事】

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イライラで暴言を吐かないためには?

近藤
カッとなっても暴言や叩かずに済むために怒りをコントロールする方法

 

カッとなっている最中は、脳の「扁桃体」という部位が興奮状態にあります。

 

一方で、感情をコントロールして制御していくのは「前頭葉」という部位です。

 

ただ、この2つの部位は時差があり、「前頭葉」を働かせるまでに3~5秒かかるといわれています。

 

つまり、カッと衝動的にならないためには、前頭葉が働くまでの5秒間をどうやってやり過ごすか、ということがポイントです。

 

深呼吸をする

怒っているときは交感神経が優位になっており、呼吸が荒くなります。

 

そんなときは、大きく息を吐き、深い呼吸を取り戻すことで、気持ちも落ち着きます。

 

数を数える

「1、2、3、4、5…」と気持ちが落ち着くまで数を数えることに専念しましょう。

 

場所を変える

イライラの原因となっているものから離れましょう。

 

トイレや別の部屋に移動し、気持ちが落ち着くまで待つことでカッとなってしまうことを防ぎます。

 

「落ち着こう」とつぶやく

自分の気持ちが落ち着く言葉を唱えてみましょう。

「大丈夫」

「落ち着こう」

など、自分自身に言い聞かせることで、怒りに支配された自分を客観的にとらえることができます。

 

さいごに

今回は、子育てのイライラで子供に暴言を吐いてしまったり、叩いてしまうことへの対処法として「ほどよい母親」という概念を挙げて、ママさん臨床心理士に解説していただきました。

 

カッとなったり、イライラするのは仕方のないこと。そこでうまく感情をコントロールできるかどうかがとても大切になります。

 

深呼吸をしたり、数を数えたり、場所を変えたり、自分に言い聞かせたり…。

 

日頃のちょっとした心がけの積み重ねで、怒りやイライラへの対処を習慣化できればこちらのもの。

 

まずは出来そうなことから、ぜひ実践してみてくださいね。

 

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>>子育てでイライラしない人があえて実践する感情コントロール術とは?

>>子育てのイライラで夫嫌いに…夫婦喧嘩から無理なく立ち直るイライラ解消法とは?

 

【参考文献】

〇今村 三千代, 鈴木 由美(2019):父親の育児家事参加と母親の育児不安の検討(2)―家庭内ゲートキーパーに着目して―、日本教育心理学会総会発表論文集 61(0), 517,

〇宮本 純子(2017):乳幼児をもつ母親の生きがいと育児不安および時間的展望との関連 ライフコースに着目して、日本心理学会大会発表論文集 81(0), 3A-028-3A-028

〇宮本 純子(2018):乳幼児をもつ母親へのサポートと育児不安―生きがいに着目して―、日本心理学会大会発表論文集 82(0), 2EV-024-2EV-024

〇原田正文(2006):「子育ての変貌と次世代育成支援―兵庫レポートにみる子育て現場現場と子ども虐待予防」名古屋大学出版会

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飯田杏奈

臨床心理士 公認心理師

心理系大学院修士課程を修了後、臨床心理士資格を取得。教育機関や療育施設、カウンセリングルームにて勤務。未就学児から大学生、大人までさまざまな悩みに向き合っている。二児の母として子育て奮闘中

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2020年7月2日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。