【臨床心理士ワンポイント解説】「退職=逃げ?」適応障害と逃げ癖の関係性

2021.07.05公開

「適応障害で退職は逃げではない」と分かっているけど、職場に迷惑をかけてしまっているし…と悩んでいませんか?

 

「つらい状況から逃げてしまったのは自分の弱さ」だと責めてしまったり、「退職=逃げ」と後悔しないために。

 

何となく自覚のある「逃げ癖」でネガティブな悪循環に陥らないための大切なポイントを臨床心理士に聞いてみました。

 

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「逃げ」は自分を守る一つの能力

適応障害によって退職したことが「逃げ」のように感じられ、自分を責めてしまうというのはよく聞かれる話でもあります。

 

真面目な人や仕事に打ち込んできた人ほどそう思ってしまいがちであり、本当におつらいものだろうと思います。

 

でも、逃げるのは悪いことだと切り捨てるのはもったいないことです。

 

そもそも、逃げることは悪いことではありません。

 

逃避は自分を守るための一つの能力であり、つらい現状を何とかして生き延びていくためのサバイブ術でもあります。

 

あなたがいなくなったことで仮に職場や仕事に影響が出たとしても、それは後からカバーすることができるものが大半ですから、その場を離れることを気に病みすぎることはありません。

 

また、一定の環境的な条件がそろうと気持ちが落ち込みやすくなる人もいますので、ご自身にそういったところがないか気にかけてみるのも大事なことだと思います。

 

例えば、雨や曇りの日、梅雨や冬の時期などは気圧や日照時間の影響で何となく憂うつになりやすかったりします。

 

太陽の照る朝や昼よりも、夜や真夜中の方が暗い考えが浮かびやすいものですね。

 

もしそういったところがあれば、“あぁ、自分はいま落ち込みやすい状況に居るんだ”と意識することで、つらい気持ちから少し距離をとることが出来るかもしれません。

 

自責の念に対する手軽な対処法

加えて、自分なりの気分の切り替え方を見つけておくのも良いですね。

 

落ち込みっぱなしでは、なかなか気も休まりません。

 

逃げてしまったという自責の念が湧いてきた時は、例えば、

・冷たい炭酸水を飲む

・窓を開けて風をあびる

・散歩に出る

・筋トレやストレッチをする

・誰かと雑談する

などして、暗い気持ちに向きがちな意識を別の何かに集中させて、気分を切り替える練習をしてみましょう。

 

最初はうまくいかなくても、続けるうちに切り替えのコツがつかめてくるものと思います。

 

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【参考】

・森下克也 『もしかして、適応障害? 会社で“壊れそう”と思ったら』

・厚生労働省 e-ヘルスネット「適応障害」

・厚生労働省 「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き

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鈴木さやか

臨床心理士・公認心理師

心理系大学院修士課程を修了後、臨床心理士資格を取得。福祉分野のケースワーカーとして従事したのち、公的機関でテスター兼カウンセラーとして勤務。子どもの問題(不登校、非行、発達障害等)や労働、夫婦問題をはじめ、勤労者、主婦、学生など幅広い立場への支援を行っている。

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2021年7月5日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。