【臨床心理士解説】「もしかして毒親かも…」毒親を止めるための4つのヒント

2021.09.11公開 2021.09.26更新

「子どものためを思って…」とついカッとなって必要以上に厳しくしてしまったり、子どものことが気になりすぎていわゆる過干渉になってしまったり。

 

気が付いたら、子どもを自分の思い通りに支配させようとしている「毒親」状態から抜け出せなくなっているかもしれません。

 

1989年にアメリカのスーザン・フォワードの著書『Toxic Parents』(『毒になる親』)で初めて使われた「毒親」という概念。

 

今回は、自分自身が「毒親かもしれない」と感じている親御さん向けに、毒親から抜け出すための4つのヒントについて心理学の視点から臨床心理士がご紹介します。

 

「毒親」は医学的用語ではなく、あくまで一般的な呼称(概念)です。

 

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自分が毒親かもしれない…

まず最初にお伝えしたいのは、完璧な親はいない、完璧な親になる必要はないということです。

 

これを読んで下さっているあなたは、自分は毒親なのかもしれない…と、不安でいっぱいになっているかもしれませんね。

子供に厳しく言いすぎてしまう時、

心配のあまり口出しをしすぎてしまう時、

じっくり話を聞いてあげられない時、

などというのは、きっと誰にでもあるのだと思います。

 

しかし、”失敗”をしない完璧な親が良いわけではなく、むしろ時には失敗することもある「ほどほどな親」こそが子供にとってとても重要なことなのです。

 

ここでは、毒親をやめるためのコツを4つほどお伝えしようと思いますが、心を楽に読んでいただけたら幸いです。

 

①「ほどよい世話」を心がける

自分のことに没頭しすぎず、かといって子供のことにも没頭しすぎないことがポイントです。

 

さじ加減が難しいところではありますが、自分のことも子供のこともほどほどに大切にできるのが「ほどよい世話」です。

 

例えば、

・絶対に子供を叱らない

・絶対に子供を○○高校に行かせる

・絶対にゲームをさせない

・絶対に結婚させる

など絶対に○○!」と決めてしまうのはあまり良くないかもしれません。

 

子供を想うが故の内容であっても、絶対に!と親が決めてしまうのは、親自身も苦しくストレスが溜まりやすいですし、子供にとっても窮屈だったり体験の幅が狭められてしまいます。

 

また、親が決めたことに従わせすぎたり、親が世話をしすぎてしまうと、子供が自分で決断したりチャレンジしたりする機会も失われてしまいます。

 

どうするかを子供自身に任せて、時には子供に失敗をさせることも「ほどよい世話」の大切な要素です。

 

例えば、絶対に忘れ物をしないようにと親が干渉しすぎてしまうと、子供が忘れ物をした時に自分の力で対処する練習ができなかったりもします。

 

子供の成長に応じて、親が世話をする割合を少しずつ減らし、徐々に子供が自分でチャレンジできるようにするのがポイントです。

 

②自分の言動の非を認め、謝る

間違えること、失敗をすること自体は悪いことではありません。

 

しかし、誤りをごまかしたり、”私は親なのだからいつでも正しい”と失敗を認めないのは良くありません。

 

間違えた時、ああしなければ良かったと思う時は、それを素直に子供に伝えて謝りましょう。

(例)

「さっきはお母さん忙しくて、きつく言いすぎちゃってごめんね」

「あなたの人生なのに口出ししすぎてしまってごめんなさい」

また、「こうすれば良かった」と思う時は、次の機会にそれをすれば良いですよ。

 

結論を急がずゆっくり話を聞いてあげれば良かったと思うなら、次はそうしてあげてくださいね。

 

過去にしてしまった間違いや失敗、後悔も、素直に謝り、勇気をもってこれから修正していきましょう。

 

そうすれば、子供は親(養育者)との関係の中で安心感、信頼感を感じることができます。
ぜひ、親としてではなく、一人の人間として、どんな事情や気持ちからその言動をしてしまったのか誠実に説明することを心がけてみてください(水島, 2018)。

 

③子供の気持ちを尊重する

親が子供の気持ちを受け止めて、尊重してあげることはとても大切です。

 

子供が元気な時には少し離れたところから子供を見守り、子供が不安を感じている時には不安を受け止め寄り添ってあげましょう(遠藤, 2018)。

 

会話の際は、

親の意見や気持ちを教える・言い聞かせるのではなく、

 

子供の意見や気持ちを教えてもらう・じっくり聴く

という心構えでいると、子供が気持ちを表現しやすくなり、自信が持てたり親との関係に信頼感が生まれます。

 

これは子供が大きくなってからや成人してからでも大切なことです。

 

また、子供自身に何か選択をさせる機会を与えるというのもおすすめです。

 

文房具でも、今日着る洋服でも、レストランのメニューでも何でも良いのですが、

「あなたはどれにしたい?好きなのを選んでごらん。」

と子供が自分の意思で選択できる機会を持たせてあげられると良いですね。

 

その時は、心配で口出ししたい気持ちや「これにしておきなさい」と言いたい気持ちをぐっと堪えて、子供の意思に任せ、時には失敗も体験させてあげましょう。

 

④自分自身のケアをする

毒親になってしまっているかもと思っているあなたは、家庭環境や親子関係に悩んでいたり、子育てを頑張りすぎて疲れてしまっているのかもしれません。

 

周りに信頼できる人がいれば、あなた自身の悩みや辛さを相談してみませんか。

 

また、市区町村の相談窓口や子育て支援センターなどを利用してみるのも良いと思います。

 

親であるあなた自身の心が安定すると、子供に対しても自然とほどよい関わりがしやすくなりますよ。

 

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【参考・引用文献リスト】

石川県教育委員会(2018). お子さんの安全基地になっていますか 遠藤利彦(監修)

水島広子(2018). 「毒親」の正体―精神科医の診察室から― 新潮社

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山崎日菜乃

臨床心理士/公認心理師

心理系大学院在学中よりカウンセリング、フリースクールや児童養護施設の訪問、心理検査業務などを経験。夢だった中学教諭としての就職が決まるもうつ病を発症し断念。大学院修了後、うつ病治療に取り組みつつ臨床心理士と公認心理師の資格を取得。うつ病経験者の心理士としてお役に立てることを模索中

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  • 本記事は2021年9月11日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。