【臨床心理士解説】ペットロス症候群かも?セルフチェックで見るべき6つの言動

2022.09.25公開 2022.09.27更新

ペットを失くしてから体調がすぐれなかったり、悲しみの感情に押しつぶされそうになってしまうことは少なくありません。

 

しかし、それらの状態によって日常生活に支障が出てしまい、心身の体調面で悪循環が起きてしまうことはできるだけ避けたいものです。

 

そこで今回はペットロス症候群かもしれないと気付く上でのセルフチェックのポイントについて、臨床心理士に解説していただきました。

 

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ペットロス症候群かも?6つのセルフチェック

急に失ったペットのことが思い出されて涙が止まらなくなる

大切なペットを失い、悲しみを感じること自体は自然なことです。

 

しかし、それだけでなく不意にペットのことが思いだされて、感情のコントロールができずに涙が止まらなくなってしまう状態です。

 

例えば、

大切にしていた犬と死別して、ふとその毛並みや手触りを思い出して「もう会えないんだ」と思うとどこでも場所に関係なく涙がでて嗚咽してしまう

といった場合です。

・普段ペットの話をしない相手に急にペットの話を自分からして泣いてしまう

 

・仕事中にパソコンの画面に向かってボロボロ涙がでてくる

 

・全く関係ないテレビ番組を見ているのにペットのことが頭に浮かんで涙が止まらない

という場合もあります。

 

頭がボーっとして仕事(学生なら勉強など)が全く手につかない

ペットロスの状態では、悲しいという気持ち以外にも自身に変化が現れることがあります。

 

例えば、

悲しくて涙がでるわけではないけれども仕事中にボーっとするようになってミスが増えた、周りの人からぼんやりしていると指摘される、勉強に集中できなくなった

といったことです。

 

頭に靄がかかっているような感覚になったり、頭が重だるくすっきりしない、上手く頭が回らない、といった感覚になることもあります。

 

食欲がわかない、ダイエットしているわけでもないのに体重が減った

以前のような「お腹が空いた」という感覚を感じにくくなったり、食事の量が減ったりすることです。

食事をすること自体を忘れることもありますし、場合によっては食べても吐いてしまう

ということもあります。

 

自覚がない場合もありますので、定期的に体重計に乗るなどして体重の変化をみておくことをおすすめします。

 

夜(いつもの就寝時間)になっても全く眠れない

普段の寝る時間になっても目がさえてしまって一向に眠れない…というのもペットロスになったときに起こり得ることです。

 

他にも、寝つきは良いけれど夜中に何度も来てしまうことや本来の起床時間よりもずっと早く起きてしまうといったこともあります。

 

ペットのことを考えて眠れない、ということもありますが、

考えているつもりはない(特に何も考えていない)のに何故か眠れなくなった、夜になってもなんだか神経がピリピリしたような気持ちの休まらなさをと感じる

といったケースもあります。

 

些細なことにイライラして人に当たってしまう

ペットを失った悲しみが苛立ちへと形を変えることもよくあることです。

 

普段であれば聞き流せる言葉に過敏になって腹を立ててしまったり、相手の些細なことが気に障ってイライラしてしまうことがあります。

 

この場合、苛立ちや怒りの内容はペットとは関係ないことも多く、ペットロスの症状の1つだと気が付かないこともあります。

 

自分自身の気持ちとしては、

「ペットを失くしたとか関係なくてただ無性にイラつく」

「相手に問題があるんだから私がイラつくのも当然」

と思うこともあります。

 

いずれにしても、これまでの(ペットを失う前の)自分でも同じように腹を立てるような内容かどうか、という点が大切です。

 

近しい友人や家族に「最近イライラしてるね」と指摘されることもあるかもしれません。

 

体に不調がでてきた

意外に思うかもしれませんが、ペットを失った悲しみが体にあらわれることもあります。例えば、

・体がだるい

・朝起き上がるのが辛い

・目がシパシパする

・目頭が痛い

・肩こりが酷い

・頭痛がする

・手や足先がしびれる

・歯が痛い

これらの症状もペットロス症候群の可能性があります。

 

ただし、例えば歯が痛くなったのでペットロスが原因だと思っていたら実は虫歯だった、ということもあり得ますので、まずは症状に該当するクリニックを受診することが先決です。

 

さいごに

上記に挙げたようなことが以前は無かったのにペットを失ってからあらわれ始めた、1,2か月たっても一向に治まる様子がない、という場合は、ペットロス症候群を疑ってみてもいいかもしれません。

 

また、ノートに日記のようにその日の気持ちや上記のポイントを簡単に記録しておくと、気持ちの整理に役立つ上に自分の状態を客観的に見つめることができ、ペットロスの状態や程度を知ることができるのでおすすめです。

 

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福丸みお

臨床心理士/公認心理師

臨床心理士・公認心理師。大学院修了後、精神科やメンタルクリニックにてカウンセリング業務やデイケア、生活相談等に従事。心の病から日常生活での悩みまで幅広く対応し、多くの相談者の心に寄り添う。

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2022年9月25日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。