うつで仕事を辞めるべき?3つの判断ポイントを精神保健福祉士が解説

2018.07.30公開 2018.12.03更新
 

うつの症状で、仕事を続けることも辞めることも判断がつきにくくなってしまう…なんてことはありませんか?

 

「今の仕事を続けたくない…。けれど、辞めた後も心配」

 

いざ、仕事を辞めたいと感じたとき、2つの心配が頭をよぎると思います。

 

1つは金銭面の心配、2つ目は次の仕事についてです。

 

仕事を辞めるということはどうしてもリスクを伴うので、心配事について対策を打てるか考えてみる必要があります。

 

そこで今回は、うつで実際に仕事を辞めるべきかどうか、判断するポイントをお伝えします。

 

 

うつで仕事を辞めるべきか判断する3つのポイント

金銭面

まずはじめに、給与という収入が入らなくなった後に、生活できるお金が残るか考えましょう。

 

すでにうつによって連続で欠勤している場合は傷病手当の手続きを取ることをおすすめします。

 

>>傷病手当金の申請期間・書き方・金額・申請先

>>【傷病手当金】退職後の申請・任意継続の手続き

 

さらに、会社の規定によって1年以上勤めていれば退職金が出ます。

 

こちらは勤続年数によって金額が変わるので、5年以上勤めていた場合に収入としてあてにできるかな、くらいです。

 

病気による退職は基本的に自己都合退職のため、失業手当は退職後3か月後からの支給になります。

 

体調不良や介護などの理由で「特定離職者」と認められれば、給付の猶予期間なく失業保険を受けられます。

 

しかし、傷病手当を満期で受け取ったほうが金銭的な余裕が生まれること、失業給付は「すぐに就労可能」な方を対象としているため、「就労不可」の状態のときは傷病手当を受給する理由があることを考えると、傷病手当の申請ができなかったときの手段として失業給付を考えたほうがよいでしょう。

 

以上のことを踏まえて、有給消化と傷病手当、退職金でしばらく生活できそうかが判断基準になります。

 

退職の意思

仕事を辞める理由を整理してみましょう。

 

職場自体にはなんの不満もないけれど、うつの症状によって出勤が難しくなってしまった場合、休職や配置換えなど他に検討できることがあると思います。

 

上司や人事に相談して、辞める前にできることを考えてみてください。

 

これからの仕事について

「まさか自分が、退職することになるなんて考えていなかった…」

 

という方もいると思います。

 

1社を辞めてしまったら、2度とどこにも採用されないのではないかと悪い考えが止まらないこともあるでしょう。

 

インターネットで検索するとマイナスの情報がたくさんヒットします。

 

折り合いをつけなければいけないこともありますが、職種や勤務時間、給与などがどのように変化するか辞める前に正しい情報を得ておきましょう。

 

職場に残ったほうがこれからのことを考えやすいのであれば、残ることも選択肢に入れるといいと思います。

 

 

うつで仕事を辞めた場合の将来やキャリア

先ほども述べた通り、会社を辞めた場合についてはマイナスの情報が溢れています。

 

仕事を辞めたらキャリアをあきらめなければならないとか、人生が終わってしまうかのような情報もたくさんあります。

 

私自身は、1度職場を離れたからといって、キャリアが全てダメになってしまうとは感じていません。

 

勤続年数が短ければ、未経験の仕事に動きやすいと思いますし、1つの職種で長くキャリアを積んだのであれば、経験を他に生かす道はたくさんあります。

 

ハローワークや転職エージェントなどを利用して、新しい職場で再スタートすればよいと思います。

 

ただ、転職活動は就職活動と同じく、とても体力を使います。

 

職場に残ったほうがやりやすいのであれば、休職してから退職を検討し始めても遅くはありません。

 

まずは上司に相談してみることをおすすめします。

 

 

うつで仕事を辞めるときの会社への伝え方は?

傷病手当や会社独自の給付を受けるのであれば、病気によって退職を考えている旨をきちんと伝えたほうがよいです。

 

傷病手当は、退職日に就業不可でなければ継続して受けることができません。

 

職場の方が事情を知らないと引き継ぎや退職のあいさつで退職日に出勤しなければならなくなってしまう場合があります。

 

退職の1ヵ月前に意思を伝えることが望ましいですが、体調的に勤務が難しいのであれば辞める時期も含めてとりあえず相談してみましょう。

 

 

療養後の日中活動は?

仕事を辞めようというときは、とにかく今の状況をリセットしてゆっくり休みたいと感じます。

 

もちろん、症状が改善するまでは休養を第一に考えることが大切です。

 

しかしその後、動く元気が出てくると「何かしなきゃいけないけど、何をしたらいいかな。」とわからなくなってしまうことがあります。

 

焦らず、朝起きて夜眠るリズムをつけるところから取り組めるように通える場所があるとよいと思います。

 

次の仕事探しをする前に、デイケアや就労支援サービスなど利用できるところがあるか検討してみましょう。

 

就労支援サービスには、転職活動を見据えた就労移行支援事業というサービスがあります。

 

資格を取得したり、通所しながら支援員のアドバイスを受けられたりします。

 

サービスを利用して、仕事へ向けて体を慣らしていくのも選択肢のひとつです。

 

>>就労移行支援とは?期間・対象者・利用料を精神保健福祉士が解説

 

 

利用すべき医療制度とは?

うつの治療薬であるSSRIには薬価が高いものも多く、金銭に負担になります。

 

精神科自立支援医療の制度を利用して、医療費負担を減らしておくことをおすすめします。

 

>>自立支援医療制度とは?条件・メリット・デメリットを精神保健福祉士が解説

>>自立支援医療制度の申請方法・更新手続きとは?精神保健福祉士が解説

 

 

さいごに

うつで会社に行きたくないと感じたときは、症状によって一時的に休養が必要なのか、仕事そのものを続けられないのか考えることが必要です。

 

うつの症状で遠い将来のことは考えにくくなりますが、1ヵ月後も今の状態で仕事をしていけるのかよく考えてみましょう。

 

現在はコンプライアンスがしっかりしている企業も多いので、人事部や相談窓口に話してみるところから始めてもいいと思います。

 

ひとりで悩まず、味方をみつけてくださいね。

 

>>【まとめ】うつ病と仕事…精神保健福祉士コラム・お悩みQ&A【随時更新】

菊池恵未

精神保健福祉士

精神保健福祉士として、都内NPOにて精神障害者の支援を行う。就労支援担当として面接同行や就職後の業務メニュー作成などをしてきた。障害年金や生活保護受給の相談にものっている。JCTA日本臨床化粧療法士協会認定のもと臨床化粧アドバイザーとしてメイクアッププログラムを実施。

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