うつで仕事を辞めるべき?3つの判断ポイントを精神保健福祉士が解説
うつで仕事を辞めた場合の将来やキャリア
先ほども述べた通り、会社を辞めた場合についてはマイナスの情報が溢れています。
仕事を辞めたらキャリアをあきらめなければならないとか、人生が終わってしまうかのような情報もたくさんあります。
私自身は、1度職場を離れたからといって、キャリアが全てダメになってしまうとは感じていません。
勤続年数が短ければ、未経験の仕事に動きやすいと思いますし、1つの職種で長くキャリアを積んだのであれば、経験を他に生かす道はたくさんあります。
ハローワークや転職エージェントなどを利用して、新しい職場で再スタートすればよいと思います。
ただ、転職活動は就職活動と同じく、とても体力を使います。
職場に残ったほうがやりやすいのであれば、休職してから退職を検討し始めても遅くはありません。
まずは上司に相談してみることをおすすめします。
うつで仕事を辞めるときの会社への伝え方は?
傷病手当や会社独自の給付を受けるのであれば、病気によって退職を考えている旨をきちんと伝えたほうがよいです。
傷病手当は、退職日に就業不可でなければ継続して受けることができません。
職場の方が事情を知らないと引き継ぎや退職のあいさつで退職日に出勤しなければならなくなってしまう場合があります。
退職の1ヵ月前に意思を伝えることが望ましいですが、体調的に勤務が難しいのであれば辞める時期も含めてとりあえず相談してみましょう。
療養後の日中活動は?
仕事を辞めようというときは、とにかく今の状況をリセットしてゆっくり休みたいと感じます。
もちろん、症状が改善するまでは休養を第一に考えることが大切です。
しかしその後、動く元気が出てくると「何かしなきゃいけないけど、何をしたらいいかな。」とわからなくなってしまうことがあります。
焦らず、朝起きて夜眠るリズムをつけるところから取り組めるように通える場所があるとよいと思います。
次の仕事探しをする前に、デイケアや就労支援サービスなど利用できるところがあるか検討してみましょう。
就労支援サービスには、転職活動を見据えた就労移行支援事業というサービスがあります。
資格を取得したり、通所しながら支援員のアドバイスを受けられたりします。
サービスを利用して、仕事へ向けて体を慣らしていくのも選択肢のひとつです。
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利用すべき医療制度とは?
うつの治療薬であるSSRIには薬価が高いものも多く、金銭に負担になります。
精神科自立支援医療の制度を利用して、医療費負担を減らしておくことをおすすめします。
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さいごに
うつで会社に行きたくないと感じたときは、症状によって一時的に休養が必要なのか、仕事そのものを続けられないのか考えることが必要です。
うつの症状で遠い将来のことは考えにくくなりますが、1ヵ月後も今の状態で仕事をしていけるのかよく考えてみましょう。
現在はコンプライアンスがしっかりしている企業も多いので、人事部や相談窓口に話してみるところから始めてもいいと思います。
ひとりで悩まず、味方をみつけてくださいね。
- 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
- 本記事は2018年7月30日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。