「障害者だから」は免罪符ではない。クローズもオープンも経験して

【書いてくれた人】

年代:33歳

性別:男

統合失調症と付随するうつ病・不眠

精神障害者にとって、病気のことを会社側に伝えて働く「オープン」を選択するか、それとも病気のことは伏せて働く「クローズ」を選ぶか判断に苦しむ場面があります。

 

それぞれメリット・デメリットがあります。

 

そこで、私自身の実体験を踏まえながら、自分にとって何がベストかを感じ取っていただければと思います。

 

クローズ就労、体を壊すを繰り返す日々

最初からオープンで働いていたわけではありませんでした。

 

クローズでの就労を選び続け、職場で体を壊しては、次の職場でまたクローズ就労を選び、体を壊す…という状態を続けてきました。

 

「君、分かる?会社を騙していたんだよ?」と言ってきた上司の方もいたぐらいです。

 

精神障害についてはほぼ寛解しているとはいえ、クローズで働くということは、ストレスジャングルの中を竹槍一本で進んでいくような感覚です。

 

また「このまま転職し続けて、30代・40代になったら何も残らなくなるのかな」という不安も出てくるようになっていました。

 

 

障害者雇用という働き方を見つける

行きつけのクリニックで仕事の話を主治医にすると、

「障害者雇用枠があるかもしれないから、市役所に行ってみるといい」

というアドバイスを受けました。

 

幸い、住んでいる市の福祉は充実しており、すぐにハローワークの障害者雇用担当の職員の方に会うことができました。

 

障害者雇用にはいくつか手順があることを知りました。皆さんも参考にしてみてください。

・精神障害者保健福祉手帳が必要

・就職活動と同時にいくつかのテストの実施

・面接はカウンセラー・市の職員が同席し、どのような支援が必要かを企業側に提示

・数ヶ月間、出勤時にジョブコーチという支援員が付き、体調面のケアの実施

一つずつ詳しくご説明します。

 

精神障害者保健福祉手帳が必要

「私は精神障害者ですよ」という証明に障害者手帳は不可欠です。

 

これは主治医に診断書を書いてもらい、市役所へ提出する流れとなります。

 

もし、働けるような精神状態ではないと医師の診断が下れば、まだ働くべき時ではないので療養しましょう。

 

障害者手帳がないと障害者雇用枠への応募もできないので、働きたいという意思を主治医にまず伝えましょう。

 

就職活動と同時にいくつかのテストの実施

主に、何が苦手で何が得意かを知るテストになります。

 

WAIS-IIIという知能を測るテストから、適性検査、自分の性格を知るロールシャッハテストまで、2〜3種類のテストを受けることが多いようです。

 

私の場合、早く作業をすることは苦手ですが、ゆっくりでもミスのない作業をすることは得意という一面が判明しました。

 

自分の意外な一面を見られてちょっと面白いです。

 

面接はカウンセラー・市の職員が同席

面接はカウンセラー・市の職員が同席し、どのような支援が必要かを企業側に提示してくれます。

 

面接というものは緊張しますし、それ自体がストレスになりかねません。

 

面接では、本人の性格や仕事の種類のアドバイス、雇用形態、給与など、カウンセラーや障害者雇用担当のハローワークの職員がバックアップしてくれます。

 

面接同行にはかなり助けられましたし、自分の思いも的確に企業に伝えることができました。

 

「休憩は多めにしてほしい」などという個人的な申し出も可能です。

 

入社後、ジョブコーチが体調面をケア

数ヶ月間、出勤時にジョブコーチという支援員が付いて、体調面のケアをしてくれます。

・本人が職場や仕事に順応しているか

・過度なストレスは受けていないか

など、ジョブコーチという精神状態をチェックする職員の方が付きます。

 

毎日健康チェック表を書き、朝フィードバックしてから仕事をすることが多いです。

 

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  • 本記事は2018年12月4日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。