メタ認知の効果・高め方・人間関係への活かし方とは?臨床心理士が解説
「解決したい問題があるが、何度考えても結局同じ結論になってしまう」
「いつも同じことで悩んでいる気がする」
なんてことはありませんか?
そこで役に立つのが、近年、教育分野で注目されている「メタ認知」。
メタ認知を理解し、ご自身の能力を高めることで、
・仕事の効率を上げる
・問題解決方法をすばやく見出せるようになる
といった変化が期待できると言われているんですよ。
メタ認知とは?2つのポイント
メタ認知とは、1970年頃から心理学領域で広まった概念です。
特に、「人間は五感を通して、どのように世界を理解しているのか」について詳しく研究を行なっている「認知心理学」といった分野で多くの研究が行われています。
メタ認知とは主に、
・メタ認知的知識
・モニタリング
の2つに分けることができます。
メタ認知的知識
人間は色々なことをいつも考えています。
例えば、
「最近の仕事がうまくいかないのは、自分の得意ではない分野だからだ」
「今の仕事をするより、新しい仕事の方がたくさん稼げる」
など。このように様々なことを考えたり、他の知識と比較して考えることを「メタ認知的知識」と呼んでいます。
モニタリング
人間は「メタ認知的知識」を用いて様々なことを考え、「モニタリング」しながら課題を遂行しています。
先の例を用いると、
「最近の仕事がうまくいかないのは、自分の得意ではない分野だからだ。」
「この分野が得意なAくんに相談して、やり方を教えてもらえば明後日のプレゼンまでにうまく仕上げられるかもしれない。」
「Aくんは教え方が上手だから、わかりやすく教えてくれそうだし、これなら頑張れる気がしてきたぞ!」
というように、
・現状の評価
・目標を遂行するための戦略を立てる
・目標達成のための動機付けを行う
といったスキルが「モニタリング」と呼ばれています。
以上をまとめると、メタ認知とは
物事を客観的・適切に説明し、目標達成へスムーズに導く能力
と言い換えることができそうです。
ところで、「離見の見(りけんのけん)」をご存知でしょうか。
日本の伝統芸能である能楽を創始した「世阿弥」が
「演者が自らの身体を離れた客観的な目線をもち、あらゆる方向から自身の演技を見る意識のこと。」
【出典】能楽用語辞典
と説明しています。
日本人は遠い昔からメタ認知と近い視点を大切にしていたようですね。
- 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
- 本記事は2018年11月22日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。