短期アルバイトから社会復帰。私が感じた覚悟、恐怖、自信

2018.12.15公開 2018.12.16更新

クローズ就職のメリットと変化

さて、割と順調に応募→面接→採用→仕事となったわけですが、この時のクローズ就職でのメリットといえば、なんといっても他の人と同じ扱いを受けられることです。

 

簡単にいえば、「自信がついた」ということです。

 

うつ病でしばらく引きこもっていた自分でも、他の人と同じ仕事をして同じ評価を得ることが出来たという自信です。

 

うつ病の人は、何かしら自信を無くしています。

・体力

・考える力

・コミュニケーション能力

・創意工夫する力

中には、「家の外へ出る勇気すら、自分には十分ないのだ」と思ってしまいます。

 

また、それらの力が弱っていたり低下していたりすると感じて、自信を持って外(社会)に出ていけなくなっています。

 

そんな状態の私が、うつ病と告白せずに仕事をやりとげられたのは、本当に自分を信じる力=自信になりました。

 

 

失敗するのは他の人も同じ

初めての仕事は、覚えるまでは失敗も多く、教えてくれる人に迷惑をかけていました。

 

でもそれは、他の新規採用の人も同じで、自分だけが出来ないのではないと思わせてくれました。

 

仕事が軌道に乗ってからは、たまにミスはするものの、同じように業務をこなしていくことができました。

 

うつ病と告白しなかったことで、正直、身体的精神的に辛いこともありましたが、結果としてみれば、自分はこんなに出来るようになったんだ!という自信を生んでくれました。

 

 

クローズ就職でのデメリットは?

それでは、今度はクローズ就職でのデメリットを紹介しましょう。

 

最大のデメリットは、うつ病特有の症状が出たときに、

・簡単には休めない、休みたくない

・仕事の効率・質を下げられない

ということです。

 

身体的症状(だるい・眠い・疲れる・頭痛・腹痛・腰痛)や、精神的症状(やる気が出ない・動きたくない・休みたい・何もしたくない)が、いくら落ち着いてきているとはいえ、やはり時々顔を出しました。

 

多かったのは、疲れからくる倦怠感とそれに伴う気力の低下でした。

 

それまであまり動いてこなかった、社会に参加していなかった私が、職場の複数人がいる環境で仕事をしコミュニケーションをとるというのは、気力はもちろん、まず大変体力を削られました。

 

クローズ就職しているのですから、そう頻繁に体調不良を理由に休むわけにはいきません。

 

気分が乗らないから、という理由ではなおさらです。

 

 

仕事を休むことに過剰に抵抗や申し訳なさ

それに加えて、仕事をきちんとしたいというささやかなプライドが、休みたくないという気持ちを生みました。

 

一見、良さそうな反応に思えますが、実際はゆううつな気分でどうしようもなく何もしたくないのに、

「これ以上、休んだら何を言われるか」

「仕事が出来ないと解雇されるか」

という恐怖と闘っていたように思います。

 

恐怖というと大げさですが、仕事を休むことに過剰に抵抗や申し訳なさを感じていました。

 

つまり、うつ病を考慮してもらうことは出来ないということです。

 

それは、休みを取るという面でもそうですし、仕事上のやりとりでも(言葉は悪いですが)手加減してもらうことは出来ないということです。

 

 

さいごに

以上の経験から、クローズ就職する場合、それなりの覚悟をもって応募することが大切なのではないかと思います。

 

他の人と同じように仕事をこなし、一般的な範囲内で休みを取るということが自分に与える影響を、よく考えた上で応募することをお勧めします。

 

今回は短期の仕事であったため、なんとか気力・体力が持ちこたえましたが、もし長期の仕事だったらどうだろうと考えてしまいます。

 

気分の浮き沈みがある程度コントロール出来てきたとしても、いつ、何日かの休みを必要とする症状が出てくるか分かりません。

 

その時に、うつ病であることを告白すること、その影響を受け入れることを視野に入れて、仕事に向き合っていけたらと思います。

 

精神保健福祉士より
おっしゃるように、クローズ就労の最大のメリットは「病気でない人と同じ評価をうけることができる」という点です。障害を理由として採用を断られることがないことが理想ですが、他の応募者と比較して、より条件に合う人が採用されやすい現実があります。また、クローズ就労のデメリットも「病気でない人と同じ評価をうけること」です。うつの症状によって勤怠や業務に影響が出ると、障害に関係なくマイナスの評価を受けます。オープンとクローズどちらが働きやすいか、自分が配慮を求めているのか病気でない人と同様の待遇を望むか、考えて就活することが大切だと思います。

 

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  • 本記事は2018年12月15日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。