依存と恋愛の3つの違い・恋愛依存症の特徴や治し方とは?臨床心理士が解説
依存と恋愛の3つの違いは?
依存と恋愛の違いはどんなところにあるのか、3つのポイントをお伝えします。
生活への影響の有無
依存が強くなり、相手のために自分自身が過度に犠牲になり、生活に強い影響が出ている場合は、恋愛より依存に傾いている可能性が高くなります。
例えば、
・相手から「会いたい」と連絡が来たら、仕事や学校を休んで会いに行く
・夜中に何度も会いに行き、睡眠不足のまま仕事に行くことが続く
などです。
過度な時間や評価を相手に与える
唯一の楽しみが恋人と過ごすことだったり、家族や友人との交流はなく常に恋人と過ごしたり…。
恋人は理想の相手であり欠点もなく、自分を救ってくれる唯一無二の存在
だと過度な評価をしたりなどです。
「過度な」という線引きが難しいところがあります。
対等な関係か
恋愛とは、基本的には自立した個人と個人の対等な関係で成り立ちます。
その関係性のバランスが崩れてしまっている場合は、依存関係になっている可能性もあります。
例えば、
・彼氏が彼女に完全に貢いでいる場合
・彼氏には決定権がなくすべて彼女の指示で動いている場合
などです。
恋愛依存症とは?3つの特徴
恋愛依存症という正式な医学的な診断名はないのですが、ほかの依存症と同じように恋愛に依存してしまうことがあります。
相手とお互いに依存し合う共依存のようになることもあります。
依存症の基本である、
・生活に支障があるのか
・どのくらいの程度で、どれくらいコントロールできているのか
という症状に加え、恋愛依存症によくみられる状況をご紹介します。
過度な執着
恋愛自体が生活の中心となり、
「この恋愛が終われば自分の人生も終わり」
「見捨てられたらどうしよう」
という想いが強く、なんとか相手との関係を維持しようと努めます。
過度な自己犠牲
相手のために自分を犠牲にしてまで尽くします。
例えば、
・金銭的に尽くしたり、
・自分の体調や生活を犠牲にしてまで相手を優先し、
相手のために行動します。
過度な不安
ひとりになることの不安や、相手がいなくなることの不安が強い状態です。
自分自身で気持ちのコントロールがうまくできず、相手といることで不安などネガティブな気持ちを解消しようと試みます。
恋愛依存症の治し方は?
依存症は脳のドーパミンという神経伝達物質が関係します。
恋愛依存症を、ほかのアルコールやギャンブルなどの依存症をベースに考えた場合の治し方をご紹介します。
依存症の治し方は、まずは、アルコールやギャンブルなど依存対象を断つことが基本となります。
しかし、恋愛は物ではないです。
人生に欠かせないものでもあります。
そのような場合は、恋愛を断つのではなく、恋愛をする中で、不健康な考え方や行動を変えるなど、対策を考えていくことになります。
まずは、自分の恋愛パターンを振り返ることが大切です。
・どんな場面でどんな気持ちや考えになるのか
・それが自分にとってどのような意味があるのか
を考えてしましょう。
例えば、男性から告白される瞬間に強く自分が必要とされていると感じるから、次から次に恋愛を求めてしまうケースがあるとします。
この場合は、自分が「必要とされている」「認められている」という承認欲求のために恋愛を求めているのかもしれません。
ほかに承認欲求を満たす方法はあるのか、もっと健康的な方法はないのか考えることで、恋愛への過度な比重を小さくすることができます。
【関連記事】
>>承認欲求が強い…特徴や原因・3つの対処法って?臨床心理士が解説
さいごに
今回は恋愛依存症について紹介しました。
恋愛は時に人生を豊かにしてくれるような、人生に必要なものでもあります。
しかし、恋愛から依存へと傾いてしまうと、自己犠牲的になってしまったり、ふたりの関係自体にも影響が出ることもあります。
恋愛関係は視野が狭くなりやすいです。
困ったり、少し違和感を感じたときは、家族や友人、カウンセラーなど、周りに相談して客観的な意見を聞くのもおすすめです。
【関連記事】
>>ネット依存症の8つの例、背景にある2つの心理、3つの解決策とは?
【参考】
青年に対する恋愛依存傾向尺度の再構成と信頼性・妥当性の検討(久留米大学心理学研究 第7号 2008)
恋愛依存傾向尺度作成の試み 一 男女間における恋愛依存傾向の比較 一(久留米大学心理学研究 第5号 2006)
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- 本記事は2018年12月25日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。